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店舗改装費が持続化補助金で対象経費になる理由、ならない理由

 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)に採択されたからといって、応募時に提出した計画書に記載された金額が、全額補助対象経費になるとは限りません。これは、計画書は採択したものの、計画書に記載された経費額は、まだ採択していないとも捉えられます。

 採択後に、事務局が経費の妥当性等を判断し、一定条件に該当する方は見積書などを提出していただくなどといった交付申請作業を経て、採択通知の後に届く交付決定通知書に記載された金額が、交付される補助金額の前提となります。

 そのような中、あるカフェAは、老朽化したテラス席の改装工事費の一部を当補助金で調達しようと、申請をした結果、無事採択され、改装工事費の全額が補助対象経費と認められ、その3分の2に相当する額が補助金として交付されました。

 逆に、別のカフェBも、老朽化したテラス席の改装工事費の一部を当補助金で調達しようと、申請をした結果、採択はされましたが、テラス席の改装工事費は補助対象経費と認められませんでした。

 当記事では、なぜ同じ使い道であっても、対象になったりならなかったりするのか、その理由を推察し、どうすれば対象経費として認められるのかを検討していきます。

1.店舗改装費が持続化補助金で対象経費になる理由、ならない理由

店舗改装費が持続化補助金で対象経費になる理由、ならない理由(1)目的に沿っているか否か

 当補助金に応募する際のルールブックである「公募要領」には、下図のように当補助金制度を実施する目的が記載されています。

小規模事業者持続化補助金 第12回 公募要領から抜粋(一部加工)

 対象経費を考える場合は、上図赤線部分「販路開拓等の取組」「販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組」に要する経費が対象となるという点がポイントとなるでしょう。つまり、カフェの改装が上記の目的を果たすためのものであるか、という観点から改装工事費が対象経費か否かが判断されると考えられます。

 また、店舗改装に要する費用は、当補助金では「委託・外注費」に相当しますが、前述の「公募要領」には「委託・外注費」の対象にならない例として、以下が挙げられています。

小規模事業者持続化補助金 第12回 公募要領から抜粋(一部加工)

 このように、当補助金制度の目的に沿った店舗改装工事でなければ対象にならないため、この「目的」を強く意識して、計画書を記載することが、対象経費として認められるポイントとなるでしょう。

店舗改装費が持続化補助金で対象経費になる理由、ならない理由(2)単なる取り替え投資になっていないか否か

 当補助金制度の対象経費に、機械や設備を導入する費用である「機械装置等費」があり、公募要領では、当費目の対象にならない例として、以下が挙げられています。

小規模事業者持続化補助金 第12回 公募要領から抜粋(一部加工)

 上図の赤線部分には「単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない」機械装置等は対象外とありますが、弊社がこれまで見てきた事例を考えると、店舗改装費にもこの考え方が適用されているようです。

 よって「単なる取替え」ではなく、その店舗改装工事をすることによって、新規顧客を呼び寄せることが出来ることを訴求する点も、対象経費として認められるポイントとなるでしょう。

店舗改装費が持続化補助金で対象経費になった事例、ならなかった事例

 冒頭で示したカフェAは、店舗改装費が補助対象経費として認められましたが、上記のポイントを踏まえて計画書を記載しています。

 具体的には<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」欄に、テラス席の改装が、新型コロナウイルス感染症の3密を避けつつも、コーヒーを楽しみたい層を取り込むという販路開拓を目的としていることや、ソーシャルディスタンスを確保するためにレイアウトを変えるという単なる取替え投資ではないことを述べています。

 これに対して、店舗改装費を補助対象経費として認められなかったカフェBは、老朽化したテラス席を新しくしたいといった内容に留まっています。

 このように、同じ経費であっても、目的次第では補助対象経費として認められたり、そうでなかったりしますので、当補助金の目的を踏まえ、採択がぬか喜びにならないようにしたいものです。

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