持続化補助金に採択されたガールズバーの事例に見る計画書の書き方（５）
「コンセプトカフェ」略して「コンカフェ」という業態があります。これは、カフェにコンセプトを持たせて差別化を図った形態であり、メイドカフェなどが典型例と言えます。
今回採り上げる事例の店舗は、ガールズバーにゴージャス志向というコンセプトを持たせました。接客する女性はキャバクラで働くスタッフが着用するようなドレスを着用しますが、料金はキャバクラよりも低価格に設定され、ガールズバーの料金となっています。
同店は、このコンセプトをより強めるべく、店舗改装と備品の入れ替え・追加をすることとし、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。そこで計画書を作成しましたが、そのブラッシュアップを弊社がご支援し、無事採択されました。
この計画書の内容を踏まえ、今回の記事では＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」をどのように記載するべきか、以下で述べていきます。
１．持続化補助金に採択されたガールズバーの事例に見る計画書の書き方【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】
持続化補助金に採択されたガールズバーの事例に見る計画書の書き方【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】①補助事業の内容を端的に述べる
当欄は、補助金を使ってどのようなことをしたいのかという補助事業を説明する欄ですが、いきなり詳しい説明から始まり、延々とそれが続いた挙句、何をしたいのかがよく分からないケースが散見されるのも事実です。
同店は、いきなり説明に入るのではなく、「販路開拓等の取組内容は、（１）〇〇の導入、（２）●●の改装である」といった形で、まずは補助事業で実施したいことを端的に述べ、全体感を把握できるようにしました。
その上で、詳細な説明に入っていったので、読み手の理解は進みやすくなったことが想定され、このように補助事業の概要を端的に述べたことは、採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。
持続化補助金に採択されたガールズバーの事例に見る計画書の書き方【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】②５W1Hで説明する
当補助金のルールブックである公募要領には「審査の観点」というページがあり、文字通りどのような観点から審査がなされるのかが示されています。その中の「書面審査」には「補助事業の有効性」として「補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。」という記載があります。
そこで、具体的に説明するために同店は、いつ（When）、だれが（Who）、なにを（What）、なぜ（Why）、どこで（Where）、どのように（How）からなる５W1Hを活用しました。例えば、設備を導入するのであれば、以下の内容を分かるようにしました。
いつ導入するのか
だれが導入するのか
どこへ導入するのか
なにを導入するのか
なぜ導入するのか
どのように導入するのか
このように、具体性を向上させる切り口を用いて補助事業を説明したことも、採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。
持続化補金に採択されたガールズバーの事例に見る計画書の書き方【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】③創意工夫の特徴を盛り込む
前述の「審査の観点」内「書面審査」には、やはり「補助事業の有効性」として「補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。」という記載があります。この「創意工夫の特徴」は、経営資源の質・量ともに中堅・大企業に劣る小規模事業者ならではのものということですから、業界初や日本初といったレベルではなく、自社なりの工夫があれば良いと考えられます。
そこで、同店は５W1Hの「なにを」の部分で創意工夫の特徴を述べました。例えば椅子を導入するのであれば「なにを導入するのか」の部分で「椅子を導入する」と記載するのではなく「キャバクラにあるようなゴージャスな椅子を導入する」と記載し、この「キャバクラにあるようなゴージャスな」の部分が創意工夫であることを訴求しました。
今回は、持続化補助金に採択されたガールズバーが作成した計画書の中で＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」のポイントとして、①補助事業の内容を端的に述べる、②５W1Hで説明する、③創意工夫の特徴を盛り込む、を挙げました。次回は「４．補助事業の効果」を見ていきます。
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