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持続化補助金に採択されたカフェの事例から学ぶ計画書の書き方(2)

 当たり前のことではありますが、何事も経験というものは貴重であり、それは経営についても当てはまるでしょう。昨年より今年の方が、今年より来年の方が経営経験は豊富になり、経営手腕は上達しているはずですから、業績も右肩上がりで伸長することは当然と考えられます。

 にもかかわらず、業績が前年割れする理由のひとつに、外部環境の変化に対応できていないためという点が挙げられます。よって、外部環境がどのように変化しているのかを把握することは、業績伸長に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

 今回見ていく<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」は、この外部環境がどうなっているのかを記載する欄であり、その内容に応じた計画であるからこそ、成果が期待でき、当補助金に採択される可能性を高めるでしょう。

 今回の記事では、当補助金に採択されたカフェが当欄に何をどのように記載したのかを見ていくことで、採択の可能性を高めるポイントを探っていきます。

1. 持続化補助金に採択されたカフェの事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]

持続化補助金に採択されたカフェの事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]ポイント①内容を切り分ける

 当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですので、文字通り「顧客ニーズ」と「市場の動向」を記載する必要がありますが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が混在し冗長性が高まって、結果として伝えたいことが伝わりにくくなってしまうリスクが発生するでしょう。

 そこで同店は【顧客ニーズ】と【市場の動向】と見出しを設けて、内容を切り分けました。これは当欄に限りませんが、見出しを設けることで、内容が整理されるとともに、記載しているうちにテーマから逸れてしまうということも起こりにくくなります。

持続化補助金に採択されたカフェの事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]ポイント②数値を活用する

 同店は「〇〇というニーズを持っている顧客が増えた」という形で「増えた」「多い」「高まっている」といった記載をいくつか盛り込んでいました。ですが、このような量に関する記述は、数値を用いることで説得力がより高まります。

 同店は、数値を用いずとも採択されたわけですが、補助金は相対審査であり、その公募回にレベルの高い計画書が多かったとしたら、採択は狭き門になるでしょうし、その回にレベルの低い計画書が多かったとしたら、逆になります。

 自身が応募する回にどのようなレベルの計画書が集まるかは、予測が困難ですから、採択の可能性を高めるには、可能な限り説得力を高めておく必要があります。

 よって「〇〇というニーズを持っている顧客が増えた」と述べるからには、以前はどの程度で現在はどの程度なのかといったことを数値で示すと採択がより近づくと言えるでしょう。そのためには、顧客に目を向け、測定する必要があり、それが顧客ニーズをより正確に把握できることに繋がっていきます。

持続化補助金に採択されたカフェの事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]ポイント③ビジュアルに訴求する

 同店は【市場の動向】として、喫茶やコーヒーの市場規模を述べましたが、その説明に文字だけでなくグラフも用いました。このようにビジュアルに訴求することは、文字だけの説明と比較して、内容が直感的に把握できることに繋がります。

 当然、そのことは計画書の内容を理解する手間が軽くなりますので、伝えたいことが伝わりやすくなり、結果として採択の可能性を高めると言えるでしょう。

 今回の記事では、持続化補助金に採択されたカフェの<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントとして、①内容を切り分ける、②数値を活用する、③ビジュアルに訴求する、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

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