東日本大震災13年目の教訓:経営理念と行動指針が企業と顧客を守る
1.はじめに
2011年3月11日、東日本大震災は多くの人々を困難に直面させ、企業もまた試練に立たされました。
しかし、そんな中でも、
アイリスオーヤマグループのダイシン気仙沼店
東京ディズニーリゾート
は、揺るぎない経営理念と行動指針に基づいた迅速かつ適切な対応で、多くの人々の命を守り、心を支えました。本記事では、これらの事例を紐解き、経営理念と行動指針が
困難な状況下での重要性
企業と社会にもたらす貢献
を明らかにします。本記事を読むことで、
経営理念と行動指針の重要性を再認識
自社の理念と行動指針を強化するためのヒント
困難な状況下でも顧客に寄り添うための具体的な方法
を得ることができるでしょう。13年目の教訓を胸に、自社の未来を創造するための一歩を踏み出しましょう。
2.ダイシン気仙沼店の奇跡
宮城県の海沿いに位置する気仙沼市にアイリスオーヤマグループが展開するホームセンター「ダイシン気仙沼店」があります。震災当日、同店は水浸しとなり、停電も発生。営業どころではない状況となりました。
しかし、現地の被災者は生活必需品を求めて店に殺到し、毛布や乾電池はすぐに売り切れとなりました。
「こんな時でも、少しでいいから役に立ちたい。」
そう決意した店長は、財布がない被災者にも商品を販売することを決断しました。そして名前と連絡先、商品の金額をノートに記入してもらい、後日の支払いをお願いしました。すると驚くべきことに、後日、ノートに名前を記入した人は全員が支払いに来たのです。
さらに、店長は被災者の方々に灯油10リットルを無料で配布し、寒さで震える人々に温かい灯火を届けました。
「クビになるかもしれません。それでもいいんです。」
テレビ局の取材を受けた際、店長はそう語りました。
アイリスオーヤマの経営理念の根底にある企業哲学は「ユーザーイン」です。これは、顧客目線に立って、顧客のニーズを満たすという考え方です。この理念に基づいた店長の行動は、被災者たちの心を大きく動かしました。
「誇りに思う。」
アイリスオーヤマの大山健太郎社長は、店長の行動を高く評価しました。
3.経営理念の浸透が現場での迅速・的確な判断を可能にする
現在、ダイシン気仙沼店は、地域で一番の売上高となっています。それは、地域住民は、助けてもらったことを忘れていないからです。どうせ買うなら助けてもらった店で買いたい、と思うものです。因みにこのような心理効果をリサイプロシティ効果と言います。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
ダイシン気仙沼店の事例は、経営理念が現場に浸透し、判断基準として機能することの重要性を示しています。
経営理念を浸透させることは、従業員に共通の価値観を与え、困難な状況下でも正しい判断を下せるようになります。ダイシン気仙沼店の奇跡は、経営理念の力を証明するものと言えるでしょう。
そして、この経営理念をより具体的にして、行動を起こす際の指針として機能しやすくしたものが「経営行動基準」です。これが明確になっており、現場まで浸透していた結果、震災時に素晴らしい対応ができた事例をご紹介します。
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