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小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾の事例②
補助金を使って、今以上に顧客ニーズへ応えていくことで、事業拡大が期待できますし、補助金の出し手としては税収拡大が期待できます。よって、顧客ニーズを適切に捉えているかどうかという点は、採択を引き寄せるポイントと考えられます。
また、競合動向や商圏人口など顧客ニーズ以外の外部環境について、その変化に応じた経営もまた業績拡大に結び付くことが期待できるので、こちらも把握しておくことも、採択を引き寄せるポイントと考えられます。
実際問題として、公募要領内「審査の観点」に記載されている「Ⅱ.書面審査」には「経営方針・目標と今後のプランの適切性」として「経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか」と外部環境を踏まえた計画の作成が採択のポイントになることが公表されています。
今回見ていく<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」は、このような外部環境を記載する欄ですが、当補助金に採択された学習塾の事例から、どのように記載すれば採択を引き寄せることができるのかを見ていきます。
1.小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向編】
小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向編】(1)当欄を切り分ける
同社は当欄に【顧客ニーズ】【市場の動向】という見出しを設けて、当欄を大きく2つに切り分けました。当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が混在しがちで、結果として分かりにくくなるリスクが高まってしまいます。
そこで、タイトルを2つに分ける形で見出しを設け、それぞれの見出しの下で、それに応じた内容を記載すれば、内容の混在防止だけでなく、記載内容がテーマから逸れてしまうリスクも低くすることが可能になります。採択される計画書の多くが、当欄に限らず見出しを設けており、このような対応は採択を引き寄せるポイントと考えられます。
小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向編】(2)補助事業を意識する
同社は【顧客ニーズ】という見出しの下に「学習塾に対するニーズ」と「英語の教育機関に対するニーズ」という小見出しを設けました。また、【市場の動向】という見出しの下には「市内の人口動向」と「市内の年少人口の動向」という小見出しを設けました。
ここでのポイントは「英語の教育機関に対するニーズ」と「市内の年少人口の動向」を述べたことです。同社は英語を活用した社会人向け事業を立ち上げる予定であり、そのために補助金を使って告知活動をしようとしていました。
よって、補助事業は「英語の教育機関に対するニーズ」に応えるものであること、「市内の年少人口の動向」から、既存事業のターゲットである子どもが減少傾向であり、新たなターゲットに向けた事業展開が必要であることを当欄で述べたわけで、このことも採択を引き寄せたポイントと考えられます。
小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾の事例から学ぶ計画書の書き方【顧客ニーズと市場の動向編】(3)競合動向を記載する
同社は【市場の動向】という見出しの下、競合の社名・特徴・価格帯・URLを一覧表にして盛り込みました。これは当欄の次にある「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を意識しています。
つまり、「強み」は競合と比較して優れている経営資源ですから、比較対象の状況を把握することで、適切な強みを洗い出すことができるということです。この点も、同社が採択を引き寄せたポイントと考えられます。
今回の記事では、小規模事業者持続化補助金に採択された学習塾を事例に、採択を引き寄せる「2.顧客ニーズと市場の動向」の書き方のポイントとして(1)当欄を切り分ける、(2)補助事業を意識する、(3)競合動向を記載する、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
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