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コミュニケーション不足の解決策!アイゼンハワーの原理で部下との関係を深める

1.「コミュニケーションをとる時間がない」


 部下とのコミュニケーションをとりたくても時間がないと感じている方は、コミュニケーションの重要度・緊急度を上位に持ってくることで、問題解決に繋がるでしょう。

 今回の記事では、アメリカ第34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーの時間管理に関する考え方「アイゼンハワーの原理」に基づき、コミュニケーションに当てる時間がとれない理由を踏まえ、その解決策について述べていきます。

2.私がコミュニケーション不足の解決策を述べる理由

 私は、ガソリンスタンドを運営する企業に通算で21年間勤務しました。うち13年間は店長を務めましたが、人手不足もあり、業務は多忙を極めました。結果として、部下とのコミュニケーションが不足し、人材が流出してしまい、業績に悪影響を及ぼした時期がありました。

「ガソリンスタンド時代にコミュニケーションが不足した」

 しかし、アイゼンハワーの原理を知ったことで、コミュニケーションを深めることができ、人手不足を克服し、業績を向上させることができました。

 現在、中小企業診断士として、経営コンサルティングを仕事としていますが、多くの中小企業がコミュニケーション不足という課題を抱えている現状を目の当たりにしました。そこで、私の経験を基にしたコミュニケーション強化の方法を広く共有したいと考え、この内容を記事にまとめました。

3.上司の昼食と部下とのコミュニケーション

 私がかつて定期的に訪問し、ご支援していたある小売店は、店長が忙しく、部下とのコミュニケーションをとるための時間確保が経営課題のひとつでした。そんなある日の午後、店長と面談をするべく、私は同店を訪れました。

 面談部屋で相対した店長に「昼食は摂られましたか?」と尋ねたところ、摂ったとのこと。そこで「どの程度の昼休憩時間がとれたのか」と尋ねたところ、30分程度とれたとのことでした。さらに「部下とのコミュニケーションはとれていますか」と尋ねたところ、とる時間がないという回答でした。

「ランチの重要度と緊急度が高いのであった」

 このことから言えるのは、この店長にとって、30分の昼休憩は部下とのコミュニケーションをとることよりも重要度も緊急度も高いということです。よって、部下とコミュニケーションをとる重要度と緊急度を上げれば、コミュニケーションがとれることになります。

 この重要度と緊急度に応じて、仕事を分類する考え方が以下で示すアイゼンハワーの原理です。

4.アイゼンハワーの原理とは

 アイゼンハワーの原理とは、下図のように仕事を重要度と緊急度の2つの軸で分類し、優先順位をつけるという考え方です。

 アイゼンハワーの原理では、仕事を以下の4つのカテゴリーに分類します。

Aゾーン:緊急かつ重要な仕事

 最優先で取り組むべき業務です。期限が迫っている仕事や、即座に対応しないと大きな問題に発展するタスクが該当します。例として、顧客からのクレーム対応やプロジェクトの締切直前の作業などがあります。

Bゾーン:緊急ではないが重要な仕事

 後回しにしがちですが、長期的な成果に直結するため、計画的に取り組むべき業務です。経営戦略の立案や従業員の育成などがこのゾーンに含まれ、これを怠ると後々緊急性が高まることがあります。

Cゾーン:緊急だが重要ではない仕事

 できるだけ他者に委任したり、効率化したりするべき業務です。日常的なルーチン作業やすぐに対応が必要なものの、成果に大きな影響を与えないタスクが該当します。たとえば、メールの返信や定型業務などが挙げられます。

Dゾーン:緊急でも重要でもない仕事

 優先度が低く、可能な限り削減すべき業務です。時間があるときに対応すれば十分なタスクであり、例えば、不要なファイルの整理や、業務に直接関係のない雑務などがこれに含まれます。

 以下では、この分類とコミュニケーションについて見ていきます。

5.コミュニケーション強化のためにアイゼンハワーの原理をどう活用するか

 部下とのコミュニケーションは、「緊急ではないが重要」であるBゾーンに分類されがちです。そのため、緊急性が低いことを理由に、つい後回しにされてしまいます。そこで、コミュニケーションをAゾーン、つまり「緊急かつ重要」であるとして認識すれば、早急に手をつけやすくなります。

 私がガソリンスタンドの店長をしていた際に、部下とのコミュニケーションをAゾーンに位置づけたことがあります。しかし、1対1で面談をするほどの人員や時間的余裕がなく、事務室にこもって対応することは現実的ではありませんでした。

 そこで私は、来客が少ないタイミングを活用することにしました。例えば、客足が途切れる短い合間や、雨天時の客数が少ない時間を積極的に使って部下とのコミュニケーションを図りました。部下とのコミュニケーションを「緊急かつ重要」と認識すれば、このような工夫は自然と生まれてきます。

6.まとめ:アイゼンハワーの原理でコミュニケーションを強化する

 忙しい上司にとって、部下とのコミュニケーションは後回しにしがちです。しかし、それを続けていると、次第に人間関係が希薄になり、結果的に問題が発生した時には遅すぎるということにもなりかねません。アイゼンハワーの原理を活用することで、今すぐにやるべきことと後回しにしても良いことを明確にし、業務を効率的に進めることが可能です。

 忙しい上司の時間を効果的に管理し、重要な「コミュニケーションの時間」を確保していくことが、成功への鍵となるでしょう。

 さらに詳しい内容を知りたい方や、具体的な導入方法についてご相談がある方は、以下のフォームからお気軽にご連絡ください。

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