持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント⑤
これまで4回にわたって、持続化補助金で看板制作費用の一部を調達した飲食店の事例を述べてきました。この4回で述べた内容は<経営計画>の書き方であり、主に自社の現状と全体の戦略を記載します。
その上で、補助金を使った事業を説明していくわけですが、その内容は今回から見ていく＜補助事業計画＞に記載します。その中でも今回取り上げる「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」が＜補助事業計画＞の中核を占めることになります。
同店は当補助金を申請するために計画書を作成しましたが、その内容をブラッシュアップして、採択の可能性を高めたいというご意向がありましたので、弊社がそのお手伝いをし、結果として採択されました。
そこで今回の記事では、同店の計画書を基に<補助事業計画>「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」記載のポイントを見ていきます。
１．持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容】編
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容】編（１）冒頭で補助事業の全体像を示す
同店は、補助事業として以下3種類の看板を設置しようと考えていました。
自店の場所を訴求するための野立て看板
自店の存在を訴求するための店頭看板
情報発信をするための置き看板
よって、補助事業としてこれらを実施するということを冒頭で端的に示すことによって、読み手は全体像を把握してから読み進めることができますので、内容の理解が深まりやすくなる効果が期待できます。
そこで冒頭に「販路開拓等の取組内容は（１）野立て看板、（２）店頭看板、（３）置き看板の設置である。詳細は以下の通り。」と記載していただきました。
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容】編（２）５W1Hを明確にする
当補助金のルールブックである公募要領には下図のように、審査項目が示されていますが、その中で「③補助事業の有効性」として示された項目は、今回見ている「販路開拓等（生産性向上）の取組内容」の審査項目であることが見て取れます。
その中でも下線①部分「補助事業計画は具体的で」という点に着目して、「いつ（When）、だれが（Who）、なにを（What）、なぜ（Why）、どこで（Where）、どのように（How）」からなる５W1Hを明確にしていただきました。
例えば野立て看板であれば、野立て看板をいつ作成・設置するのか、だれが作成・設置するのか、何を作成・設置するのか、なぜ作成・設置するのか、どこで作成してどこへ設置するのか、どのように作成・設置するのか、といった形です。
持続化補助金で看板を制作した飲食店の計画書作成ポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容】編（３）創意工夫の特徴を盛り込む
野立て看板を例にとって５W1Hを用いた書き方を述べましたが「何を作成・設置するのか」の部分を「野立て看板を作成・設置する」にしてしまうと身も蓋もなくなってしまいます。
そこで上図の審査項目のうち、下線②部分「創意工夫の特徴があるか」に着目して「町内唯一の20名以上収容可能な店舗であることを訴求する野立て看板」という形で、どのような点を工夫したのかを「何を」に絡めて盛り込みました。
なお、野立て看板だけでなく、店頭看板と置き看板の説明でもこのような形で具体性の向上、創意工夫の訴求を行ったことは言うまでもありません。
今回は、持続化補助金で看板を制作した飲食店の＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」の内容から、採択を引き寄せるポイントとして（１）冒頭で補助事業の全体像を示す、（２）５W1Hを明確にする、（３）創意工夫の特徴を盛り込む、を挙げました。次回は「４．補助事業の効果」を見ていきます。
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