見出し画像

持続化補助金【創業枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方

 同社は2022年に設立され、オートバイに関連する事業を展開していますが、その中にはレーサーを育成するスクール事業もあります。この事業を拡大するために、ホームページをリニューアルしたり、各種販促ツールを作成したりすることとし、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)で調達することとしました。

 当補助金は、販路開拓などに要する費用の3分の2、上限50万円を補助する「通常枠」の他にいくつかの「特別枠」がありますが、そのひとつに補助率は3分の2のままで、補助上限額が200万円に引き上がる「創業枠」があります。

 「創業枠」を活用するには、小規模事業者であることなど「通常枠」を申請する条件に加えて、公募締切日から起算して過去3年以内に創業したことや、「特定創業支援等事業」による支援を受けることが条件となります。

 同社はこれらの条件を満たしたので「創業枠」を活用することとして、計画書を作成し、申請した結果、無事採択されました。これを受け、同社は何をどのように記載して計画書を完成させたのか、そのポイントを何回かに分けて見ていきます。初回の今回は<経営計画>「1.企業概要」の記載ポイントをご紹介していきます。

1. 持続化補助金【創業枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]

持続化補助金【創業枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]①創業動機を記載する

 当補助金「創業枠」を申請する条件のひとつに、前述の通り「3年以内の創業」があります。つまり、当枠を活用しようとする方は、業歴が豊富とは言い難いわけで、実際同社も業歴は数か月という状況でした。

 今回見ていく<経営計画>「1.企業概要」欄は、自己紹介の意味合いが大きい欄ですが、業歴が豊富であれば自社の沿革や大きな業績を記載しますが、それが困難なのが「創業枠」の利用者です。そこで同社は、代表者の経歴を記載し、それに基づく創業動機も併せて示しました。

 この創業動機、つまり「なぜ創業したのか」という点は、創業に関わる者としては重視したい点です。

 というのも、例えばコンサルティング会社に長年勤務して、企業支援を仕事としていた方が、コンサルタントとして創業するのは違和感がありません。ですが、長年ガソリンスタンドの店長職を仕事としていた方が、コンサルタントとして創業するのは、傍から見ると畑違いな印象を抱きがちであり、創業後の事業が上手くいくのか疑問が首をもたげます。

 そこで、その転身の動機をきちんと述べ、創業動機が適切であり、今後の事業展開に信頼を寄せていただくようにするべきと言えます。よって、同社のように代表者の経歴を踏まえた適切な創業動機を記載したことは、採択を引き寄せたポイントと考えられます。

持続化補助金【創業枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]②ビジュアルに訴求する

 同社は役員が2名、従業員はゼロですが、外部の業者と連携して事業展開をしています。そのような事業推進体制を文章だけで説明しようとすると、伝えたいことが伝わりにくくなるリスクが高まります。そこで、連携事業者を含む組織図を作成し、当欄に盛り込みました。このように視覚に訴求することで、理解が深まりやすくなる効果が期待できます。

 また、不採択になる計画書の特徴として、リアリティの薄さが挙げられます。そこで、同社は代表自身や仕事の光景を写した写真を盛り込み、リアル感を高めました。このようにビジュアルに訴求したことも同社が採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

持続化補助金【創業枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]③経営状況を数値で説明する

 同社は、オートバイに関連する様々な事業を展開していますので、売上高は様々な事業から構成されています。そこで、売上・利益の大きい事業上位ベスト5を抽出し、金額とともに一覧表にしました。

 公募要領「審査の観点」にある「書面審査」には「自社の経営状況分析の妥当性」として「自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか」という項目があります。

 持続化補助金のホームページには7業種における計画書の記載例がありますが、その全てにおいて「企業概要」欄で、自社の経営状況を数値で説明しています。よって、そのような説明は「自社の経営状況を適切に把握」していると考えられ、このような対応をした同社が採択されたポイントと考えられます。

 今回は持続化補助金【創業枠】の採択事例から<経営計画>「1.企業概要」の記載ポイントとして①創業動機を記載する、②ビジュアルに訴求する、③経営状況を数値で把握する、を述べました。次回は「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

【弊社ホームページ】

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。

1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓

3.LINE友だち登録募集中

LINEで友だちとして繋がってくださった方に経営のお役立ち情報を週1回お届けしています。リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開記事】を読んでみませんか?バックナンバーはこちらから↓↓↓

【LINE友だち登録はこちらから↓↓↓】

4.電子書籍のご案内


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?