持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例②
弊社では顧客ニーズを「顧客が自社を利用して達成したい目的」と定義していますが、補助金を使って行う事業が顧客ニーズを叶えられないものだとしたら、業績拡大は見込みにくくなってしまいます。
また、時間の経過とともに市場規模、商圏人口、競合動向といった自社を取り巻く外部環境は変化するものですが、補助事業がその変化に応じたものでなければ、やはり業績拡大は見込みにくく、補助金を活用する意義が薄くなってしまいます。
よって、補助金の採択を引き寄せるのであれば、顧客ニーズや市場の動向を踏まえる必要があります。そこで当補助金に採択され、チラシの作成・折込の他に、動画制作とホームページの立上げを実施した鍼灸院が＜経営計画＞「２．顧客ニーズと市場の動向」をどのように記載したのかをご紹介していきます。
１．持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例②
持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【顧客ニーズと市場の動向】編（１）当欄を切り分ける
当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですから、当然に「顧客ニーズ」と「市場の動向」の記載が求められています。ですが、これらをまとめて記載しようとすると、内容が混在しがちで、伝えたいことが伝わりにくくなってしまうリスクが発生します。
同院は当欄に「（１）顧客ニーズ」「（２）市場の動向」という見出しを盛り込んでおりましたが、このように見出しを設けて内容を切り分けることによって、分かりやすい構成にすることが可能であり、このことは採択を引き寄せた要因のひとつと言えるでしょう。
持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【顧客ニーズと市場の動向】編（２）「顧客ニーズ」を切り分ける
同院は、女性経営者が女性を主力ターゲットとして事業展開しているという特徴があります。よって、主力ターゲットが持つ顧客ニーズは当然に把握している必要があります。また、そのような主力ターゲット以外の利用者もいるわけで、そのような方々のニーズも把握している必要があります。
そこで、同院は「（１）顧客ニーズ」という見出しの下に「①女性客のニーズ」「②全般的なニーズ」という小見出しを設け、ニーズを切り分けて記載していました。
単に顧客ニーズを列挙するのではなく、このようにターゲット層毎にまとめて記載することは、内容が整理されるので、読みやすくなるとともに、ターゲットが明確であることが訴求できることになります。
持続化補助金の採択でチラシを作成した鍼灸院の計画書作成事例【顧客ニーズと市場の動向】編（３）「市場の動向」を切り分ける
外部環境はマクロ環境とミクロ環境に分類できます。マクロ環境は企業にとって統制不可能であり、業界内の各企業とは無関係に起こっているものを指し、具体的な例としては、商圏人口、技術動向、文化や価値観などが挙げられます。
これに対して、ミクロ環境は自社の働きかけによってある程度の影響を与えられるものを指し、具体的な例としては、対象となる市場の規模、成長性、競争状況などが挙げられます。前述の顧客ニーズもミクロ環境に含まれると言えるでしょう。
同院は「（２）市場の動向」の下に「①商圏動向」「②市場規模」「③競合動向」という見出しを置きました。①はマクロ環境、②③はミクロ環境に該当しますが、このように切り分けをすることで、内容が整理され、読みやすさが読み手の理解を深めることが期待できます。
今回は、持続化補助金の採択でチラシの作成・折込の他に、動画制作とホームページの立上げも実施した鍼灸院が記載した＜経営計画＞「２．顧客ニーズと市場の動向」の内容をもとに、採択の可能性を高める計画書の書き方のポイントとして（１）当欄を切り分ける、（２）「顧客ニーズ」を切り分ける、（３）「市場の動向」を切り分ける、を挙げました。次回は「３．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。
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