【実話】閉鎖寸前のガソリンスタンドを死ぬ気で立て直した物語
１．【実話】閉鎖寸前のガソリンスタンドを死ぬ気で立て直した物語
当時、あるガソリンスタンドで店長を担っていた私は、ある日突然、左遷されました。納得いかない私は、同店に赴任しても、会社を辞めることばかり考えていましたが、ある決意をしました。それは、この店舗を黒字にして上司を見返してやる、ということでした。
私は、死ぬ気で働き、結果を出しました。それが、自分の人生を切り開くことに繋がりました。どのようにして売上を伸ばし、自分の人生を変えたのでしょうか。この記事では、その壮絶な体験と、成功の秘訣を紹介します。
■はじまりは左遷人事から
私は21年間でガソリンスタンドの運営会社７社を渡り歩き、各社の現場に身を置いていました。その中には、関東圏内で複数のガソリンスタンドを展開する企業がありました。
同社が展開する店舗の中で、老朽化が進んでおり、どんな店長が来ても黒字になることがなく、閉鎖が予定されていた店舗がありました。ある日、私は何の理由も説明されないまま、店長代理に降格の上、同店へ転勤させられました。
■会社を辞めるか、見返すかの決意
赴任後の私は、毎日ため息をつきながら、会社を辞めることばかり考えて仕事をしていました。そんな中、ある日の仕事中、私はふと「いつまでため息をついて働くのだろう」と思いました。
何となくその考えが頭から離れないまま、閉店時刻を迎え、店を閉め、帰宅途中に考えました。そして、行き着いた結論は「会社を辞める」でした。ただし、退職願いを提出した時に「そうかー♪、辞めてくれるか♡」と経営陣を喜ばせたくない。「頼む、辞めないでくれ( ﾉД`)」と言わせたい。
当時、業界入りして13年目の私は、これまで培ったガソリンスタンド人生の全てをかけて、業績を向上させ、経営陣を見返すことにしました。そう決意した私は、翌日から死ぬ気で働き始めました。私の人生の歯車が大きく動き出した瞬間です。
■死ぬ気で働いたら。。。
翌朝の私は、死ぬ気でガソリンスタンドの店頭に立っていました。死ぬ気で働くということは、明日に備えてエネルギーを温存しないということです。あとさき考えず、帰宅前にエネルギーが尽きても構わない覚悟で、仕事をするということです。私はみなぎっていました。
さて、売上は客数と客単価の掛け算で算出されます。同店は急激な客数増加は見込みにくかったので、客単価を向上させることが、売上拡大の近道です。そこで、エンジンオイルやタイヤ交換といったガソリン以外の商品（油外商品）を販売することに注力することにしました。
当時の店舗スタッフは、私以外は、ほぼ全員が新人のアルバイトでした。彼らに油外商品の販売は期待できませんでした。私が売るしかありません。そこで、私は給油や窓ふき、会計など、油外商品の販売に直結しない作業は全てアルバイトスタッフに任せ、自分自身が油外商品を販売しながら陣頭指揮をとりました。その結果、どうなったか。
■今日一日の区切りで生きる
死ぬ気で働き始めた当日、閉店時刻になっても私は生きていました。ヘロヘロでしたが、とても売れました。疲れた体を引きずって帰宅し、泥のように眠りました。翌朝、職場に向かう体には疲れが残っていましたが、「今日、もう1日だけ死ぬ気で働く」と決め、そのように働き、閉店時刻を迎えましたが、やはり私は生きていました。
「今日だけ死ぬ気で」。この言葉を繰り返しながら、毎日を過ごしました。ひと月が経ちました。この店舗は4年4カ月ぶりに黒字になっていました。
その後、私は大型店へ異動となり、そこで大きな業績を出し、そのノウハウをガソリンスタンドはじめ、多くの中小企業へとお伝えするべく、経営コンサルタントとして独立することになります。
■ガソリンスタンドの業績を立て直す3つのポイント
かつて閉鎖寸前のガソリンスタンドを立て直したポイントは以下となります。
売上向上の近道は、客単価を高めること
ガソリン以外の商品（油外商品）を積極的に販売すること
「死ぬ気で働く」覚悟をもつこと
「死ぬ気で働く」とは物騒な表現ではありますが、それが今回の記事のキーワードです。合理化や効率性という名の下、誰しも楽をして業績を手に入れたいと考えます。ですが、リスクをとった者だけがリターンを得ることができます。そういう意味では、当時、理由が不明確な左遷を受け入れ、覚悟を決めさせてくれた、前職の人事に私は感謝するべきなのかもしれません。
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