小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例（５）
現在、様々な補助金制度がありますが、それぞれの補助金には、申請時などのルールを定めた公募要領があり、当然、小規模事業者持続化補助金にも公募要領があります。その中に記載のある「審査の観点」は「１．基礎審査」「２．書面審査」「３．政策加点審査」から構成され、文字通りどのような観点で審査されるのかが記載されています。
そして「１．基礎審査」と「３．政策加点審査」は、基本的に属性を審査しますが、以下に示した「２．書面審査」は、計画書の完成度を審査します。よって、この項目を意識して計画書を作成することが採択を引き寄せることになります。
上図の赤枠部分は、今回見ていく＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」に対する審査項目と考えられますが、今回の記事では、当補助金に採択された自動車整備工場は、当欄をどのように記載したのかを見ていきます。
１． 小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】①補助事業の概要を述べる
全体を把握した上で部分的な説明を受ける場合と、部分的な説明を受けた上で全体を把握する場合を比較すると、前者の方が理解は深まりやすいと言えます。これは、補助事業を説明する際も同様で、補助事業の概要を冒頭で述べ、その上で各補助事業を詳しく説明していくことが、読み手の理解を深めることに繋がるでしょう。
同社は「販路開拓等（生産性向上）の取組内容」欄の冒頭に補助事業として、ホームページを立上げること、動画と写真を撮影すること、看板を設置することを述べ、全体像を示した上で、細かな説明を記載していきました。
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】②補助事業を切り分ける
前述の通り、同社は補助事業でホームページを立上げ、動画と写真を撮影し、看板を設置するので、これらの内容を「販路開拓等（生産性向上）の取組内容」欄で説明する必要があります。
ですが、これら補助事業をまとめて説明しようとすると、内容が混在し、冗長性が高まり、読み手が混乱してしまうリスクが高まると言えます。そこで同社は、①ホームページの立上げ、②動画撮影、③写真撮影、④看板設置、と見出しを設け、それぞれを切り分けて説明を記載し、内容の理解を促しました。
小規模事業者持続化補助金に採択された自動車整備工場の事例【販路開拓等(生産性向上)の取組内容編】③５W1Hを用いて説明する
前述の公募要領「審査の観点」の「２．書面審査」には「補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。」という記載があります。
よって、補助事業を具体的に説明する必要がありますが、同社は、いつ（When）、だれが（Who）、なにを（What）、なぜ（Why）、どこで（Where）、どのように（How）の５W1Hを用いて補助事業であるホームページの立上げ、動画と写真の撮影、看板の設置を説明しました。
例えば、ホームページの立上げであれば以下の項目に応じた内容を記載しました。
いつ立上げるのか
だれが立上げるのか
なにを立上げるのか
なぜ立上げるのか
どこで立上げるのか
どのように立上げるのか
ホームページ以外の補助事業についても、このような形で説明を盛り込んだことで、内容が具体的になったと言えます。
今回の記事では、持続化補助金に採択された自動車整備工場の計画書を題材に、採択を引き寄せる＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」の記載ポイントとして、①補助事業の概要を述べる、②補助事業を切り分ける、③５W1Hを用いて説明する、を挙げました。次回は「４．補助事業の効果」の記載ポイントを見ていきます。
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