長野県道77号旧道 半過隧道 (6)
今回より後半戦です。
いよいよ連載の題名である「半過隧道」が登場します。
旧道は数百メートルだけ、現役道路の一部となります。
ただしこの道路は県道には指定されておらず、ショートカット路として
地元の人に使用され続けている道路です。
それゆえに交通量の多い市道の内側に、
かつての県道77号の姿がありました。
嗚呼、美しいセンターライン!!
そして満開の桜!
桜の木の麓には、数々の石碑がありました。
道路の開通を讃える石碑も。
石碑を直接読解するには難しい故、わかりやすく翻訳された標識がありました。ありがたい…!
すぐ脇に悠々と車が走り抜けられる市道があるのに
何故山にへばりつくように道が作られたのか?
理解することができました。
「いったん千曲川が氾濫すると、交通が全く途絶えてしまい
その不便さと危険度は言葉では言い尽くせないほどである。」
長大なトンネルを建設する技術がなかった時代、
洪水で流されない道を作るため、幾度も難関に阻まれ、改良を重ねながらも、昭和7年に開通しました。
開通後は、中小の洪水が発生した後でも、
交通が維持され、多くの人に感謝された道路でした。
現在は山を貫く新たなトンネルが作られ、
それが幹線道路としての国道18号、兼県道77号となりました。
隣の市道は今も現役ですが、昨年の台風では千曲川の氾濫に飲まれてしまいました。
現道のトンネルと、脆い市道との間に、
もう車が走ることがなくなった旧道があります。
アスファルトの路面は木を干すことに利用されたりして
生活の一部として余生を過ごしています。
そんな静かな空間が……
一瞬で、重厚なイメージに支配されてしまいました。
強烈なインパクト!
ついに、半過隧道が目の前に!
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