見出し画像

空撮:布施川の幅広谷を越える北陸新幹線と北陸自動車道(富山県魚津市、黒部市)

片貝川の支流の布施川。元は別々の河川だったが片貝川が布施川の河口を奪うようにして、布施川は片貝川の支流となった。海(河口)から5km程の場所でもう両側に段丘を伴っている。このような、扇状地がそのまま海に入り込むような地勢は富山県東部に特徴的だ。
東側の阿古屋野、西側の天神山(野)との間の布施川の幅広谷を、北陸自動車道(高速道路)と北陸新幹線が横切っている。前者は土盛りと高架橋の併用だが、後者は全て高架橋になっている。

写真手前側の新幹線の高架橋をよく見ると、南側の天神山(写真左)に向かって登っているのがわかる。
布施川と南側段丘の先にある片貝川には大きな高低差があり、この付近の布施川の標高は約25m、片貝川の標高は約65mで、その差は40mにもなる。この高低差を克服するために新幹線の線路は100m進んで3m登る30‰の勾配になっている。
この30‰の数字は新幹線の線形としては急な勾配で、北陸新幹線では高崎から軽井沢に至る碓氷峠の区間に匹敵する勾配である。

この標高差は県道の天神山トンネルの設計にも影響を与えていて、片貝川側の地面を掘り下げて坑口を設けて、トンネル内の勾配を緩和している(赤丸の場所)。

ちなみに、この地点から東側(山側)を向くと長引野丘陵が控えている。布施川左岸の4段の河岸段丘だ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?