見出し画像

【海外の鉄道】インドネシアの鉄道名所・ササクサートトンネルとチクバン橋に行ってきた

2015.09.22
バンドン滞在中に1日使って、郊外のササクサートトンネルとチクバン橋を見に行った。いずれもインドネシア屈指の鉄道の名所だ。
最近は鉄道趣味も裾野が広がっているようで、ガイドブックの2015年~16年版『地球の歩き方 インドネシア』でも紹介されていた。

バンドンからササクサート駅へ

行き方は鉄道でバンドン駅からササクサート駅まで行ってそこから歩くつもりなのだが、バンドンからササクサートへ行く列車は1日にたった1本しかない。
朝8時15分バンドン発、9時38分ササクサート着の423列車。
時間帯としてはベストだが、これを逃してしまうと後がない。もしそうなった場合にはタクシーを手配してでも行くのだろうけれども、お金も手間もかかってしまう。今日のミッションの成功の鍵は朝の列車に確実に乗ることだ。

バンドンからササクサートまでの乗車券。6,000ルピアということは日本円だと60円。普通車だが座席指定がしてある。

列車はCIBATUが始発駅で、時刻通りにバンドン駅にやってきた。

普通列車だけどエアコンが効いているのはありがたかった。

1時間20分程でササクサート駅に到着。

ササクサートトンネル

Terowongan Sasaksaat
ササクサート駅から、乗ってきた列車の進行方向に向かって線路沿いを歩いていく。線路沿いを地元の人々が普通に歩いていて、踏み固められた小径ができている。なんなら、そこをバイクが通り過ぎていく。

振り返ると423列車がまだ駅に停まっていた。この列車はササクサート駅で12分停車するダイヤになっている。今列車が停まっているのが待避線で、向かって右側はホームのない通過線になっている。

トンネルの手前に警手小屋がある。

坑口にたどり着いて程なく、先程まで駅に停まっていた423列車がやってきて、ササクサートトンネルに吸い込まれていった。
この列車はプルワカルタ Purwakarta まで行く。

日本だと最後尾には尾灯(テールライト)が赤く灯っているのだが、インドネシアではそういう規則にはなっていないようだ。
トンネルの扁額には1902-1903という建設年が記してある。
ササクサートトンネルは長さ950mあり、今は高速鉄道のトンネルでいくらでも長いトンネルができているが、それまではインドネシアで一番長い鉄道トンネルだった。

トンネルはこれで終わり。引き返して、ここからは橋のターンになる。
ササクサートトンネルまでは地元の人々が行き交う「通路」を通って行ったが、橋があるということは、線路沿いを歩いていくと橋も歩いて渡ることになる。地元の人は慣れているから平気だろうけれども、さすがにそれはやめて、遠回りだけれどもちゃんとした道路を歩いていく。

チランラン橋

Jembatan Kereta Cirangrang
チクバン橋の西側(ジャカルタ側)にある橋。構造はチクバン橋と同じで、鋼製のトレッスルに、ランガー補剛が施してあるプラットトラス桁だ。

橋を眺めていたら、バンドン方面から列車がやって来た。

チランラン橋を見終えて次はチクバン橋を目指して歩いていたつもりが、道に迷ってチラホン橋の足元の谷に入り込んでしまっていた。
足元から見上げるトレッスルは迫力がある。

チクバン橋

Jembatan Kereta Cikubang
チクバン橋の東側(バンドン側)の袂にたどり着いた。
長さ300m、谷底からの高さ80mのトレッスル橋。11本の橋脚が12本の橋桁を支えている(12径間)。橋桁はジャカルタ側(西側)3径間とバンドン側3径間は上路プラットトラスだが、中央の6径間は上路ワーレントラスとなっている。

バンドン方面から列車がやって来たので、見送る。
単線区間ではあるがジャカルタとバンドンを結ぶ幹線なので、少し待っていると列車がやってくる。

まだまだあるランガー補剛の橋

高橋脚のチランラン橋とチクバン橋は見終えたが、この区間にはほかにもランガー補剛の鉄橋があるので、時間が許す限りそれらの橋を見に行くとする。
橋の名前はgoogle mapに登録してあるものを参照している。

バツカルト橋

Jembatan Kereta Batukarut

シロア・ニャリンドゥン橋(仮称)

Jembatan Kereta Ciloa Nyalindung (仮称)

レバクルンシル橋

Jembatan Kereta Lebakleungsir
この先の集落へ通じる道が橋の下を通っている。

真上を列車が通り過ぎていく。

あと2橋が見えているところで引き返し

さて、この先、山の中に橋が2本白く輝いているが、地図を見たところ道路が続いてなくて、そう簡単には行けなさそうだ。一番早いのは線路を歩いていくことだがそこまで危険を冒すまでもない。
それに帰りの列車の時刻もだんだん迫ってきている。ここで写真を撮って、引き返すことにする。

チラメ駅

Stasiun Cilame
駅に着いたけどゲートが閉まっていた。勝手がわからずに駅の周りをうろうろしていたら、ジャカルタ方面から列車がやって来て通り過ぎて行った(それでも写真は撮っていた笑)。

今あらためて写真のタイムスタンプを確認してみたら、乗る予定の列車の時刻より前に撮影していたので元々チラメ駅には停まる予定のなかった特急列車か何かだったと思う。だけれども、その時は、乗る予定だった列車が通過して行ってしまったとなぜか勘違いしてしまって、列車で帰ることを諦めてしまった。1日に1本しか列車がないということが頭の中にあって、焦ってしまったのだと思う。

1km程歩いて県道にまで戻った。実は、途中でバス停があることを確認していたので、バスでバンドンに戻ることにした。
路線図とかよくわからないが、とにかくバンドン方面にさえ行けば、路線は自然と中心部に集まっていくだろう。ターミナルにたどり着いた時は、そこからタクシーでもベチャでも利用すればいい。郊外に出かける時は乗るバスを間違えてしまうとどこに連れられて行くかわかったものではないが、都市の中心部に戻る時は気が楽だ。

バンドン郊外、幹線道路沿いの風景

そういうわけでバスの中。一日中郊外を歩き回って、あまり意識していなかったけど軽い脱水症状になっていたみたいで、バスの中はぐったりしていた記憶がある。

1度乗り換えた記憶がある。
その後はどうしたのだったかな。覚えていないけど、迷子になって泣きそうになったという強烈な記憶もないし、夕方になって土砂降りのスコールで濡れたという記憶もないし、途中でタクシーを捕まえたはいいけれどもボッたくられたという記憶もない。なんだかんだで無事平穏にホテルに戻れたのだろう。

※情報はすべて取材時のもの


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?