#7怒りがフツフツと
「おーい。一寸来て、速く来て、おーい。」
トイレから母の声。
「どうかした?」
「出そうで出ない。えらい、助けてー。浣腸してもらおうか。」
「えっ、私が浣腸するの?」
(水分不足、味噌汁も食べず好き嫌いを言っているから、便秘になるんだわ。)
私は、心の中で叫んでいた。
(なってからでは、遅いの。自業自得。)
次々と、言葉がでてくる。
苦しんでいる母をほっておくわけにもいかず、初めての浣腸を行う。内科でもらっていたので、使い方を見ながら行う。横に向いて寝かせ、浣腸をするようになっているが、なかなか、うまくいかない。悪戦苦闘の末どうにか完了。その後トイレにて大量の排便。私も人生でしたことのない位の量だった。これは、母も苦しかったであろうと思い、ちょっと可哀想になった。
医師からも、水分、野菜等しっかりとるように言われ、母への水分呼びかけが始まった。一日中、水分水分水分。朝からコーヒーを飲んでいた母でしたが、珈琲からお茶に変更。数日間は、飲むように頑張っていたが、次第にコップに、7分くらい残して知らん顔。
「これでは、また便秘になって苦しくなるよ。」
「そんなに飲めないわ。」
先日の苦しみはもう忘れている。
また、浣腸なんてとんでもない。怒りがフツフツとわいてくる。
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