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ソレは完璧な再現度【memory of heroez感想】

仮面ライダーのゲーム「KAMEN RIDER memory of heroez」
実はずっと前から存在だけ知っていた。しかしライダーゲーは玉石混交の無法地帯ゆえ、どうにも食指が伸びずこのタイミングでのプレイとなった。

怖すぎて今回は”そこそこ面白い”という情報を仕入れた上でのプレイだったのだが…オタク目線でとにかく楽しすぎる。さっそく感想を書いていこう。


坂本アクションばりの連続フォームチェンジ

仮面ライダーW、オーズ、ゼロワンを主役とする本作。その最大の魅力はなんといってもスムーズに繋がるフォームチェンジアクションだ。
フォームごとにハッキリとした個性があり、それぞれを場面ごとに使い分けることで効率よく、かつカッコよく戦うことができる。
仮面ライダーWを例として一連の流れを挙げてみよう。

  1. サイクロントリガーで遠距離牽制

  2. ルナジョーカーで腕を伸ばして急接近

  3. ヒートメタルで敵のダウン値を削る

  4. サイクロンジョーカーで崩れた敵に畳みかける

  5. ヒートトリガーの必殺技「トリガーエクスプロージョン」でフィニッシュ

これは坂本監督回のアクションではなく、ゲーム内で実際にできることだ。ヤバい。ちょっとこの時点で楽しさの次元が違う。

フォームチェンジの際には「チェンジアタック」という”チェンジしながら特殊攻撃”という連携が用意されているため、いちいちベルトを操作する演出ロスもない。
ライダー好きとしてはこの連続フォームチェンジがゲームで好きなだけ楽しめる時点で既に100点をあげたいくらいだ。

執着心感じる原作再現

メダルをクジャク羽根の模様の意匠にしてるのすき

アクションもさることながらモーションや必殺技の演出もすごい。原作で実際にやった動きをたくさん挟んでくれているので、ライダー好きであるほど細かいこだわりに気付けてめちゃくちゃ楽しい。

上記画像は仮面ライダーオーズ タジャドルコンボのホーミング射撃技。
実はこの”クジャクの羽を広げる”演出は本編20話にて同フォームが初登場した際の攻撃なのだ。こんなのオタクしかわかんねぇよ…

本編では大人の事情で出番を削られたシャウタくんも楽しそうです

液状化しながら泳ぐシャウタコンボ、1話再現でキック後に両足でゆっくり着地するサイクロンジョーカー、初披露回と全く同じ動きでアルティメットストラッシュを放つメタルクラスタホッパー…
「当然全話見てるでしょ?」のノリで動いてくれるので、絵面での説得力の高さから来る満足度がとても高い。

終盤のとあるシーン、原作設定を活かして逆境を打ち破るシーンで敵よりもライダーよりも先に自分が気付いてしまったときはさすがにオタクすぎて泣いてしまった。どうしてこんな人間に成長してしまったのか。

挿入歌無限リピートバトル

ゲーム内で操作できるオーズの新フォーム「ムカチリコンボ」

そしてやはり語らずにはいられないのが「Premium Sound Edition」だ。原作曲を60曲以上収録したこの特別版では、フォームチェンジごとに流れる曲を切り替えられる。これがマジでおかしくなりそうなほど最高(おかしくなってる)。

タトバコンボでは「Regret nothing ~Tighten Up~」を聴きながら基本コンボで相手を削り、隙ができたところでラトラーターコンボにチェンジ。「Ride on Right time」を聴きつつ一気に必殺技まで繋げる。

いや、これ仮面ライダーオーズじゃん。坂本アクションでよく見るやつじゃん。MOVIE大戦memory of heroezじゃん。
フォームごとに挿入歌が用意されているWとオーズだからこそ、本作のフォームチェンジアクションの面白さが楽曲面でも盛り上がる。めちゃくちゃ天才。

アイデアと人選のどちらが先行したかは”卵が先か鶏が先か”となってしまうのでどうとも言えないのだが、その両面において高い親和性を発揮していることだけは確かだ。

一つだけ欠点を挙げるとするなら「Premium sound Edition」一択すぎて通常版を買うメリットが何一つない=定価13,000円を払う勇気が必要になるところだろうか。
自身はセールで奇跡的に半額で買えたが、さすがにこれは高い…
利用料とか大人の事情が絡んだ値段なのは容易に想像がつくが。

原作感溢れるテキスト

誰がわかんねんその2

メインシステムもさることながら、キャラクターのセリフにも原作を思い起こさせるテキストや言い回しが多い。

上記画像の「風の佐平次」とは、仮面ライダーW作中にて話題の時代劇のことだ。
変身者の左 翔太郎が”こんなのにハマるわけねぇだろ”と見始め、ドハマりしてそのまま目にくまが出るほどぶっ続けで見てしまう…というくだりがある。
いや、だからこれオタクしかわかんねぇって…

このように原作要素はテキストにも仕込まれており、いかにも”話しそう”な会話が展開される。もちろんゼロワンこと飛電或人の爆笑ギャグも満載(大人の事情が重なって初期或人に近いのが逆にいい)。

ただ確かにテキスト面では因縁の相手との会話も上手く組まれるが、実際に戦うのは別のライダー、という構図が頻発するので妙な消化不良感があるのは否めない。

推測でしかないが原作でやったカードの繰り返しではない新鮮味のあるカードを、ということだろう。
どちらを取ってもどちらかを指摘されるのは目に見えるので正解がないのは仕方ないが、自分は原作カードをなぞるカタチも嫌いではない。

拭いきれぬのっぺりフィールド

アクセルブースターで飛ぶのは楽しかった

ここまで本作のいいところをひたすら挙げてきたが、無視できないポイントも当然ある。それがフィールドの単調さだ。
当然Switch、かつライダーのド派手なエフェクトを成立させるためかフィールドはかなりのぺのぺしている。アクション中は楽しすぎて気にならない分、ふとした時に目につきやすいシンプルさがある。

エリアはそれぞれ”セクター”という設定なのでその点である程度説得力は保たれているのだが、こだわりの詰まったライダーや怪人のモデルが並ぶとどうしても違和感が拭いきれない。
まぁこの辺は折り合いというヤツなので、自分は嫌になるほどのモノではなかった。

つまるところ

ゼロツーの必殺技もしっかりと

本作は原作顔負けの流れるような連携アクション、知っているほどニヤつく数々の演出、豊富な原作楽曲が存分に楽しめる作品だった。
ライダー好きなら通って損なしのいいゲームだ。

どんなにやりこんでもプレイ時間は10時間ほどと構成自体は短いが、アクションの細かい作りこみにより密度、満足度ともに高い。
オタクにはぜひとも本作で挿入歌に溺れながら必殺技をぶっぱなしてほしい。

Over Againだけで買う価値、あるよな?

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