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ライダー映画の劇伴を話そう

ライダーのサントラって、いいよな…刺さるメインテーマは年間リプレイに入るくらいリピートしちゃうよな…
でも本編サントラの話なんてせずとも、その作品が好きなら全員通っているから言葉は不要だし………俺が好きな劇場版のサントラの話をしよう!!!!!


劇場版 仮面ライダーファイズ パラダイス・ロスト

ライダー映画の劇伴を語るなら絶対に外せない「劇場版 仮面ライダーファイズ パラダイス・ロスト」のサントラ。最大の特徴はAからGまで7分割もされた最終カットの楽曲「クライマックスA~G」だ。

最終盤にてさいたまスーパーアリーナでファイズとサイガ・オーガが激闘を繰り広げたのが印象的な映画だが、劇伴の盛り上がりもそれを加速させている。特に真理の声によって立ち上がった巧=ファイズがオーガの巨撃を前に超巨大クリムゾンスマッシュでアリーナごと打ち砕くシーンで使われる「クライマックスE」は曲単体からでも

  1. 奮起するファイズ

  2. 互いに譲らぬ攻防

  3. 必殺技の衝突

  4. ド派手に貫くファイズ

  5. 激戦の末に勝利

聴いてもらうと分かりやすいがこのようにパートに分けて盛り上がりが組まれているのが分かりやすく、本編ではまず聴けない変遷ぶりが魅力的だ。
映画の劇伴最大の魅力は”長尺のカットに合わせて次々に雰囲気が変わる”ことであり、パラダイス・ロストの劇伴は特にその面白みが分かりやすいのではないだろうか。

これは余談だが、この映画用にミックスされた「JustiΦ's-Accel Mix-」も原曲の爽快感をそのままに壮大さがより強まった一曲なのでぜひ聴いてほしい。スタッフロールに入る直前に真理と巧が未来を語るパートで流れる「クライマックスG」から続けて聴くと、さらに入りがカッコよく突き刺さる。

劇場版 仮面ライダービルド Be The One

本編でも重厚かつ鋭いクールさがあったビルドの劇伴だが、映画「Be The One」のラストバトルで流れる「決戦 仮面ライダービルド2」はその集大成のような魅力に溢れている。

仮面ライダーブラッドとの地下決戦で流れる前半パートは、互いに拮抗したパワーバランスを表すかのような重く陰惨な雰囲気が漂う。しかし愛と平和を語るビルドが過去を思い出す中間パートでは、そこに割って入るかのように優しく落ち着きを見せる。
そしてそこから前半、中間の空気をまるごとすっ飛ばすかのように勇猛な後半パートに移る。じんわりと曲調を明るくしながら、ラストのライダーキックで盛り上がりがピークに達していく。

映画のクライマックスに向けて本編の楽曲群を振り返るかのように流れていくサウンドは、映画というより作品そのものに最終編を打つかのように感じられて特に好きだ。

劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME

ライダーの劇伴に好きな楽曲はごまんとあるが、特にリピートが止まらないのがゼロワンの映画「REAL×TIME」のサントラだ。
題にもある通り場面転換ごとに刻々と破滅が近づくリアルタイム展開が特徴の映画で、劇伴という”移り変わり”を楽しめる楽曲が映画のテーマと上手くマッチした独特のカッコよさがある。

仮面ライダーエデンのテーマ」は冒頭のエデン対ゼロツーのカットから流れており、暗がりから蛍光レッドで怪しく光るエデンに合わせた恐怖を煽るようなサウンドが特徴だ。映画のボスとしての威厳を曲からも漂わせながら、クールなタイトルバックに向けてそのままスムーズに切り替わるのも独特。

一方で終盤のゼロワン&ゼロツーの戦闘パートで流れる2曲は、映画の劇伴らしい変遷ではなく”ゼロワンとゼロツーのメインテーマのミックス”を前面に出している。
同時変身からの戦闘で使われた「仮面ライダーゼロワン&ゼロツー」はゼロワンのメインテーマ「ゼロワン、それが俺の名だ!」を軸に、フレーズにゼロツーのテーマ「変身!ゼロツー - Now is the right time」が使われている。

一方でラストキックに向けて流れる「変身!ゼロワン&ゼロツー」では逆にゼロツーのテーマが軸となり、ゼロワンのフォームチェンジテーマ「ハイブリッドライズ!ゼロワン - Rising sun」がフレーズとして重なっている。
この互いのテーマが交差しながら一つの曲になっているのが、映画で実現した待望の並び立ちをさらにカッコよく引き立てている。

場面転換からもそのまま一曲で繋がる面白さがやはり映画劇伴の一番面白いところだが、映画だからこそできる”メインライダー同士のクロスオーバー”チックな楽曲があるのも聴いていて楽しいポイントだ。

仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦

まさに直近の映画の劇伴もとてもよかったので、そちらにも触れておこう。マジでタイトル長いなこの映画
重厚感のあるタイトルバックからそのままスパッとロングアクションに転換する「ガッチャ大作戦」がかなり印象的だ。両陣営の邂逅を描きながら相当なロングカットに繋がることもあって、アクションシーンの劇伴にしてはゆったりしたパートも多い。

そして仮面ライダーマジェードの登場シーンで流れる「私がいる限り」の絶大なインパクトが記憶に新しい。ガッチャードのメインテーマのイントロフレーズをなぞりながら一瞬で別の楽曲に変わる様は、まさに”誰も知らない仮面ライダー”が現れた衝撃を表している。
ガッチャードのサントラ自体も今までにないようなフレーズが多いので聴きごたえがあって面白いのだが、この一曲でさらに別方面からのアプローチが来たようでますますテンションが上がった。

先ほど触れた”クロスオーバーチックな楽曲”でいえばラストキックで流れる「ガッチャード&ギーツ」も良さが詰まっている。イントロ以降からガッチャードのキックテーマ「必殺キック!」のフレーズが流れたと思えばギーツのメインテーマ「さあ、ここからがハイライトだ」が割り込む。
そのままラストで再び互いのフレーズを挟み合ってフィニッシュする流れは別々のライダーが出会う映画劇伴ならではであり、それぞれ主張しながらも一曲に収まるのはなんともカッコいい。

つまるところ

ガッチャード&ギーツの戦利品(超A級錬金術師わくわくセットつき)

本編の楽曲が最高なのはもちろん、公式がそんなにアピールしない映画の劇伴にも、アツくてカッコいい楽曲が山ほどある。映画用にほんのりフレーバーの加わったメインテーマなども、いつもと違う雰囲気があって新鮮な気持ちになる。

近年の劇場版サントラは特に何も告知されず映画公開日にしれっとサブスクに出ていることがほとんどなので、映画を見て帰ってきた熱を帯びたままにサントラを聴き直してみるのも一興だ。
目に焼き付けた記憶が新しいうちに楽曲と合わせてさらにテンションを保つのもいいし、昔見た映画を振り返る気持ちで触れてみるのもオススメだ。

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