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しょうがない、ヒールキャラなのだから

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(以下スマブラSP)は、自分が初めて本格的にやりこんだ格闘ゲーム。
任天堂や他社のゲームキャラクターが勢ぞろいし、互いに個性的な技をぶつけ合うというゲーム。ゲーマーならさすがに知らない人はいないだろうという超有名タイトルだ。

長年待ち望んでいたシリーズ最新作ということで、自分も当然購入。今までのシリーズ作品は深くやりこむことはなく、友人と遊びで適当にガチャプレイ(ボタンを適当に入力し、暴れるようにやたらな動きをすること)をしていた程度だった。

サムス(メトロイド)

今作は本腰を入れよう、ということで選んだキャラクターは、「メトロイド」のサムスだ。
原作がとにかく大好きで、使うならもうコイツしかいないというほどだった。技の性能も妙に自分の性に合っていて、使っていて不満を感じたことがない。もはや奇跡とも呼べるベストマッチだったのだ。

コミュニティに属し、何百試合も対戦を重ねていくうちに練度も向上して上手く立ち回れるようになっていく。自分ならではの独特な使い方を信じ続け、何段も上の相手を倒すことだってあった。

しかしこのキャラには重大な欠点があった。応援されないのだ。
サムスの圧倒的な火力と制圧力を持つ飛び道具で作り出す弾幕は、読み合いにおいて半ば対話を拒否しているような状況も作り出せてしまった。
それ故にオンライン対戦では忌み嫌われる存在に。

それは当然自身が属していたコミュニティでもそうであって、こちらがどれだけ独学で練りこんだ飛び道具に頼りすぎない立ち回りでも応援されることは少なかった。
それもそうだ。こちらが使っているのはオンライン対戦で猛威を振るう凶悪極まりないキャラで、相手は全体で見れば使用率の落ち着いたキャラ(弱いというわけではない)だからだ。

7割のプレイヤーに嫌われているキャラvs特段嫌われず黙々と開拓が進められているキャラなら、自分も間違いなく後者を応援するだろう。
しかし自分は前者に回ってしまった。

それでもサムスを使うことはやめなかった。様々なキャラをかじったが、使っているうちにどうしてもサムスと比較し不満点が湧いてきてしまう。「サムスであれば」「サムスならば」そうした感情が募るからだ。

そして「応援されない」ということを受け入れた。自身の愛がこもったキャラクターがヒールに立つというのなら、自分がコイツを愛して使い、全員返り討ちにしてやればいい。
とは言いつつそれでも負けるときはちゃんと負けたが、応援されない立ち位置でも相手を圧倒した瞬間の爽快さは確かだった。

VIPに入った証拠写真

そうして数年間が過ぎ、上位数%のプレイヤーしかたどり着けない”VIP”というラインに立つことができた。
応援されず悪とされても勝利は実力の証明だ。持ちキャラを愛して自分に素直に戦い続けるのが最も健康なゲームでの戦い方だと自分は思う。

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