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大学2年の夏、バイト帰りに川でひろったヨルダン人を2泊3日家に泊めてやった話⑥

続き。これで最後です。



朝は来た。


サイードが朝早くから出入国管理局に行かなければならないので、自分も早起きをした。


2人で近くのコンビニに行く。


タバコが欲しいと言うので買ってやる。

コーヒーが飲みたいと言うのでそれも買ってやる。

「缶コーヒーよりも自分で入れるタイプの美味しいやつがいい」と言われた時はややイラッとしたが、これも、今日で終わりだ。


出入国管理局に行くにはどうしたらいいかと聞かれる。


知るか。携帯はお前も持ってるだろ。

いや、俺が調べてやればいいじゃないか。

ん?結構遠いな。

歩いて行くのは辛いんじゃないか?


「タクシー捕マエヨウカ」


OK OK。金出すのは俺だけどな。

タクシーが走っていそうな大通りまで歩く。

なかなか捕まらず苛立ち始めるサイード。

自分の感情は死んでいる。


やっと、タクシーを捕まえることができた。

これで終わるという気持ちが奥底から湧き上がってくる。

タクシーの運転手には2000円を渡した。

足りないことはないだろう。




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最後に自分たちは固い握手と熱いハグをして別れた。

サイードはタクシーが見えなくなるまでずっと窓から手を出してサムズアップを見せていた。








後日。









ラインに電話の着信が入る。サイードだ。

家からライン電話をしてくれたらしい。


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声が小さくて何を言ってるのか分からない。

だがもうそんなことはどうでも良かった。

無事に帰れたのならそれで十分じゃないか。

自分たちは少しだけ話した後、電話を終えた。









さらに後日。







ラインが来た。








Okanenai 

(お金無い)

Hontou ni okane naiyo

(本当にお金無いよ)


〇〇(←僕の名前) onaka hetta

(〇〇 お腹減った)

Tasukete  tabemono kaenai

(助けて 食べ物買えない)

Okane okutte kudasai

(お金 送ってください)


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Sumimasen 

(すみません)

mou iidesu

(もういいです)

imamadearigatou

(今までありがとう)

Wasurenai

(忘れない)











それからサイードからは何も送られてこない。

僕も連絡先を消した。










以上が川で拾ったヨルダン人を2泊3日家に泊めて起きた出来事の一連である。

是非、このような機会があったら参考にしていただきたい。















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