各競馬場で必要なレンズ焦点距離【APS-C編】

競馬ファンがカメラを買って気になるのはやはりレンズの焦点距離だ。

競馬だけでなく、やはり望遠レンズの焦点距離というものは非常に重要で、「コレで足りるだろ!」と適当なレンズを購入していざ撮影に持ち出したら焦点距離が足りない……という事にはなりたくないはず。
かといって、大は小を兼ねる理論でとてつもなくデカいレンズを買ったら次は最短撮影距離が長すぎて近くのモノが撮れない……なんて事も。

非常に悩ましい選択である望遠レンズの焦点距離。今回は競馬場での撮影にフォーカスし、僕の通った経験のある競馬場において、どのくらいの焦点距離がベターかを個人的な感想と共に述べようと思う。

ちなみに、僕が使用するカメラはEOS 7D mark.Ⅱなので、センサーサイズがAPS-Cであることに注意して欲しい。


・参考にする競馬場

今回は僕の通ったことのある競馬場のみピックアップしようと思う。
まぁ、こんなの当然なのだが、行ったことのない競馬場の話をしたところで仕方ないし、全く参考にもならないのでね……

僕の通った経験のある競馬場は中央、地方合わせて6場ある

・東京競馬場
・中山競馬場
・福島競馬場
・船橋競馬場
・浦和競馬場
・大井競馬場

……ちょうど中央と地方が半々、といったところか?
上から順に競馬場の特徴や最適と思われる焦点距離を挙げていく。

1.東京競馬場

東京競馬場は国内でもトップクラスの広さを誇る競馬場。
とてつもなく広いので、撮影スポットを移動しているとヘトヘトになる。


こちらは600mmのレンズを使用した。


使用するレンズの焦点距離は望遠端500~600mmが望ましいと思う。

また、全ての競馬場に共通するのだが、基本的に最前列での撮影は不可能に近い。
特に、東京競馬場はスタンドに設けられている傾斜が緩いので、最前列以外での撮影が困難でもあり、東京競馬場で撮影を行うには前日や深夜帯に開門を待ち、開門と同時にダッシュで場所取りをする必要があるが……当然、これらは迷惑行為なのでやめておくべきだ。

と言っても、正直言うと東京競馬場で撮影を行うにはコレをやらざるを得ない状況であるのでやりたい方は自己責任で。
待機中のトラブルや開門ダッシュ時の負傷等についての責任は一切取りません。

一番ベターな方法は、指定席を確保しておくこと。
場所はスタンド2階の最前列がオススメ。
この位置から500~600mmのレンズを構えればキレイに被写体が収まるので東京競馬場ではこの焦点距離がオススメだ。

スタンド2階席から400mmで撮影。
これを見ると600mmが欲しくなるはず

2.中山競馬場

関東主場のうちの1つである中山競馬場。
東京と比べてコンパクトなコース形態で、スタンドも比較的狭い。

スタンドに設けられている傾斜は結構キツく、ゴール板付近は直線に急坂が設けられているコース形態上、最前列ではほとんどレースが見えないので、スタンド中段辺りからでも十分に撮影が行える稀有な競馬場だ。

必要な焦点距離は300mm程度。
最前列では200mmあれば事足りるだろう。ただし、ダートのレースも視野に入れると400~500mmは必要。

中山競馬場は400mmで十分だ。

中山競馬場は個人的には1番撮影がしやすい競馬場だと思う。
コースとスタンドの形態のおかげでどこからでも狙える気楽さがあるので初心者の方はまず中山競馬場で撮影してみるといいかもしれない。

3.福島競馬場

中央競馬のローカル開催場のうちの1つである福島競馬場。
小回りなコースで、非常にコンパクトな競馬場なので大きなレンズが必要ないというのが利点。

必要な焦点距離は最低200mm程度。400mmあれば余裕で対応可能だ。

かなり小さなコース形態で、スタンドも狭い。
また、スタンドの傾斜もキツいので、400mm程度のズームレンズがあればどこからでも撮れる。
また、ローカル開催という事も相まって最前争奪戦が比較的ラクなので最前列が取りやすい。

注意点を挙げると、屋外スタンド席はスタンドでの立ち見客でほとんどレースが見れず、2,3F席はガラス張りで撮影に向かないため指定席は不要である事。
基本的にはスタンドから立ち見で撮影に臨むのがベターだ。

SIGMA60-600mmを持っていったが、結局200mm固定で撮影していた……


また、他の競馬場で人気スポットとなるゴール板前はスタンド端ギリギリにある上、報道陣の方々が多いので撮影がかなり難しい。福島競馬場で撮影する場合は直線の追い比べを撮ると良いだろう。

4.船橋競馬場

ここから地方競馬場となる。
まずは船橋競馬場だ。地方競馬場は大抵どこもかなりコンパクトな競馬場なので、さほど大きなレンズは必要が無い。
ここでも、だいたい300mm程度のレンズがあれば十分だ。

……しかし、船橋は1度しか行ったことが無いので、特に言う事が無い……
地方交流重賞もさほど多く無いので、基本的には最前列で撮影が可能であり、場合によっては200mm程度でも事足りると思われる。

5.浦和競馬場

地方競馬場でもかなりの小回りコースで、スタンドもかなり小さな競馬場。
ここも200~300mmのレンズがあれば十分だ。

……正直、地方競馬場は中央に比べて当然小さな競馬場なので、500,600といった大きなレンズは必要が無い。
4角(最終コーナー)の馬群が撮りたいといった明確な目的が無い限り、200,300mm程度のレンズで十分だ。次に紹介する大井競馬場を除けば。

6.大井競馬場

地方競馬場でも最大級の規模を誇る競馬場。
直線の長さは地方競馬トップであり、さながらダートの東京競馬場のように長い。
また、G1級競走のJPN1競走が数多く開催されるので、客入りも地方トップクラスだ。

そのため、レンズも比較的大きなものが必要となり、400~600mmのレンズがオススメだ。

最前列の確保は地方交流重賞……特に、帝王賞や東京大賞典などのJPN1競走になると熾烈な争奪戦になるためかなり厳しい。だからこそスタンド中段辺りからも狙える大きなレンズが必要という事だ……

・まとめ

いかがだったでしょうか?
中央競馬はよく撮影に行くので参考画像をあげることができたが、地方競馬は滅多に行かないので参考画像が無い……申し訳ない。

個人的な使用感を元に最適と思われる焦点距離を挙げましたが、基本的には中央競馬は400~600mm、地方競馬は200~400mmのレンズを持っていけば間違いないでしょう。

また、これを言ったら元も子も無いのですが……迷ったらSIGMA 60-600mmを強くオススメします。
重いという欠点はあるものの、コレ1本で全ての競馬場に対応可能なのでとりあえずコレ買っておけば焦点距離で苦労する事は無くなります。
そして、実際撮影するうちに必要に応じて70-200mm F2.8のような大三元レンズや、300mm F2.8のようなサンニッパなどを買い揃えていくという方法が1番いいと思います。

結論、とりあえず迷ったら脳死でSIGMA 60-600mm買っておけ!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?