電車の中で電話が禁止な理由を社会学的に考えてみる。
電車の中での電話は禁止されている。
色々調べてみても他のお客さんへの配慮だとか迷惑だとかいう理由しか書いてない。
けど、迷惑っていう理由なら電車の中でお喋りしてる方が集団であればあるほど音量的な効果は大きいはずだ。
じゃあ、なんで電話はダメなんだろうか?
これの答えは、完結に言えば不快に思うレベルが違うからだ。迷惑の度合いは関係なく、人間にとっての社会的なタブーを無意識下で実感してしまうから。
電車の中という空間を1つの社会として見るとわかりやすいかもしれない。
電車の中でのお喋りというのは、電車の中という、ある意味で1つの社会の中で完結している出来事。
だけど、電話というのは電車の中ではなく外の世界の住人と繋がる行為で、電車という社会の集団から脱出しているかのように感じてしまう。
そのような集団的離脱は、周りにいる人のことを考えなくなると見られるから嫌がられる。
集団という意識について一つ例を挙げてみる。
電車の中で学生たちを見る時。
何人かいる学生のグループは結構うるさい。だけど仲間たちが次々と降りると、残った人が静かになる。
もちろん、それは電車のマナーだからだけど、仲間がいたらそのマナーを破り、話したりするのはどうしてか?
人間はたった一つの組織に所属するわけではなく、この学生たちの場合、まずは社会に所属している。
そして、電車の「社会」と学生グループに所属している。
彼らは学生グループの組織をより大切にしているから、学生グループのルールに従う。
つまり、皆と楽しく付き合うことだよね。
そして友達が降りると学生グループは破壊し、最後はなくなる。
この時点から学生は電車という組織を最優先とし、電車のルールに従うことになるということ。
まとめると、電車の中で電話をしてはいけない理由は集団的離脱が忌避感を与えるからだよって話。
けど今どきスマートフォンがあって、いつでもどこでも集団的離脱なんて発生してるから、電車の中での電話がタブーだと感じる人が少なくなってきてるんじゃないかなと思う。
そうなってくると残されたルールだけが形骸化してしまって、その意味がわからないってことが増えてきそう。電車の中での電話に限った話じゃないけど……おわり。
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