190927 呼吸しているだけで褒めて欲しい

 人生が100年間あるとして、その第1クオーターが終了して燃え尽きている。
今の気分を包み隠さず、表現するとそんな感じ。
誰の役にも立たないだろうけど、あとあと振り返った時の自分の糧になるように、今感じている事を長々と書いておく。

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 私は数ヶ月前に転職した。そして、それとほぼ同時に妊娠し、いわゆる妊娠初期の最中にいる。入院するほどではないけれど人並みにつわりはあり、試用期間にもかかわらず有給は既に使い切ってしまった。

 安定期前だけれど、体調不良が続いたため、ごく限られた職場の方には妊娠について報告した。全く経験のない業界に転職した私は、仮に妊娠してなかったとしても即戦力人材からはほど遠く、お荷物にしかなっていないので罪悪感でいっぱいだった。しかし「クビになるか、嫌味で済めば良い方だな…」なんていう私の不安とは裏腹に新しい職場の方々の反応はとても暖かく、私の連日の欠勤連絡に対して、体調優先で良いと声をかけてくれる。
人によっては、いい大人なんだから妊娠のタイミングくらいコントロールしろや、と思うだろうなあ。

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 2年半前(当時26歳)に結婚した。その時はちょうど新卒で入社した前の会社で希望していた分野の仕事を海外でさせてもらえるかも!というタイミングだったので、まあ色々と葛藤はあったものの(ここでは割愛)、夫と家庭のリズムを築く事を優先するために総合職(国内外転勤あり)から、地域限定職(転勤なし)にコース転換した。
 コース転換をした頃から、海外経験無しでその会社でキャリアを積み続けた場合の労働市場での自分の価値の低さに危機感を覚えて、転職を考えるようになった。しかし、近い将来頭を悩ませるであろう仕事と子育ての両立問題を考慮して、結局慣れた仕事・環境に居続ける事にした。

 それから2年弱が経ち、必要な治療もしているが一向に子供が出来なかった。普通、夫婦共に20代なら半年くらいで妊娠できるらしいのに…。先の見えない治療や、人の無邪気な妊娠報告に卑屈になり、気分はどんどん落ち込んだ。また、将来的な子育て前提で当時の仕事を続けていたが、飼い殺されているようなフラストレーションを抱くようになった。そして、現状維持派の夫との度重なる意見交換の末、「子供もキャリアも手に入らない可能性があるなら、せめて今コントローラブルなキャリアは何とかしよう」という事で、満を持して転勤がなく将来役立ちそうなスキルのつく現職に転職した次第である。

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 転職先では人に恵まれ、大いに成長できる環境で、ここで精一杯頑張ろうと張り切っていた。一方で、不妊治療の一環で行った血液検査では、私の卵子の在庫数量が20代平均の半分以下しかない(=妊娠のタイムリミットが限られている)という結果を付きつけられている。なので、転職直後ではあるけれど不妊治療は継続していた。
 そのような経過を経て、今回ようやく初めて妊娠することができた。妊娠が判明した瞬間は安堵もあったが、それよりも仕事の不安(今は入社直後だから手厚いフォローを得られているのに、復帰したら自分はどうなってしまうのだろう…とか)の方が大きかったのが正直なところだった。

 仕事に関する上記の不安が今は全くないかと言われれば嘘になるし、ほかの人との実力の差がどんどん開いていく事に焦りは感じるけれど、それ以上に先々の事を想定して悩み、走り続けることに少し疲れてしまった。
 いくら必死になって先回りしようとしたって、自分の想像の範囲を超えたことはどんどん起こっていくだろう。直近では、心配事に囚われて毎日鬱々と過ごすよりも、変化に身を任せて今確実に見えている新たな命を育むという役割を楽しく全うする事に意識を切り替えようと試みているところ。

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 このタイミングで転職したことへの後悔は全く無い。新しい職場の方々には本当にご迷惑をかけてしまっているけれど、人生の第1クオーターの最後に、優秀な方々の人徳(具体例は書けないけど)に触れることができたのは、私にとってかなり衝撃的な学びだった。仕事でお返しできるのは随分先になりそうだけど、このご恩は必ず何かで返したいし、私も損得勘定抜きで人に与えられる人になりたいと思う。

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