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わたしの背中に翼は生えない

こどものころ、空を飛びたくて
本気で願えば、いつか背中に
翼が生えてくるんじゃないかと
一生懸命祈っていた

祈りつづける小さなわたしを連れたまま
わたしは歳を重ね
こどものころ想像したのとはまるで違う
なんてことない日常をあくせく生きてる

なんてことない日常のなかにすら
どうにもならないことがたくさんあって
がんばっても、祈っても
あきらめるしかない

でも
あきらめることは悪いことばかりではなく
あきらめて、手放すことで
手が空いて、別の何かをつかみに行ける

わたしの背中に翼は生えないし
手は2本しかないから

何をつかんで、どこへ行きたいか
わからないなりにやってみて
失敗を繰り返しながら
ちょっとずつ進んでいく

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