見出し画像

Dream Guest 『九人目』



「他にはどんな楽しみ方があるのかしら」




早いもので2021年が始まってから二人目のゲストです。

今回ご紹介するゲストは、インタビューの回答を見ただけでは前回の方とそれほどの違いはないかのように見える。
そんなゲストさんでした。

つまり『九人目』のゲストさんも王道を求めていて、そしてそんなディズニーの王道とは何なのかは前回ぼくなりの答えを導き出しましたね(気になる方はぜひ読んでみてください)

もしかしたら今回のマガジンを楽しむためには、質問と回答を先に見た方が楽しめるかもしれません。

なぜなら一見するとそれほど大差がないように見える回答の中にも、はっきりと違いを見出すことができるからです!

同じように王道を求め楽しんでいるのは確かなのですが、そこにぼくが見出した違いとは何なのでしょうか!?
それでは見ていきましょう!



・女性
・10代
・2〜3回/年 (ランド:シー=9:1)





「ゲートをくぐれば」_2021-02-26


今回のゲストのことを紹介する前に、前回Dream Guest 『八人目』の記事でぼくなりに導き出したディズニーの王道をおさらいしましょう!


まず一つ目は”耳と目に魔法をかけてもらう”です。

『九人目』のゲストさんも、「好きなディズニーの曲はなんですか?」という質問にディズニーランドのメインエントランスで流れているBGMだと答えてくださいました。

夢の国へ入場する前からすでに魔法に掛けられ、そのまま四季折々の装飾が施されたワールドバザールを抜ける。
この時すでにその圧倒的なクオリティとこだわりが一目でわかり、バザールを抜けた頃には目にも魔法が掛かっているんですね。

こうして、夢の国の住人となるのがディズニーを楽しむ王道の一つです。


そして二つ目が、”ショーを楽しむ”です。


こちらも前回のゲストさんの時に書きましたが、ディズニーのショーというのはパレードやショーと名のつくものだけじゃありませんでしたよね。

言ってしまえば一度夢の国へ足を踏み入れると、目に映るもの聴こえるもの感じるもの味わうものそれら全てが一つ一つショーなのです!


「好きなイベントはありますか?」

「わたしはハロウィンが好きですね。あの、パーク内のHappy!な雰囲気が好きで、あとお化けも好きなんです!」

「今まで見てきたショーで好きだった題材のショーはありますか?」

「スプーキー・Boo!・パレードが好きです。」


さらに付け足すと、彼女はそんな「スプーキー・Boo!・パレード」のダンサーさんが着ていたかぼちゃの衣装が可愛くて好きなんだそうです。


しかし、彼女は今まで紹介してきたゲストとは違う初めての観点でディズニーランドを楽しまれているのです。


それが”食事”です!


意外とこれまでのゲストのインタビューには出てこなかった視点からのこの答えに、聴いていて「ふむふむ。なるほどやっぱり食事も一つの楽しみとしていらっしゃる方もいるんだな」と感じたことを覚えてます。


あれだけ素晴らしいものづくしならば仕方がないですが、どうしてもパレードなどのショーやアトラクションに気を取られてしまって、食事は休憩の時に腹ごしらえとして食べるという感覚になりがちですが、彼女にとっては食事だって立派なショーの一つなのです!

奥深い!
奥深いですぞディズニー!!



そして最後三つ目の王道は”童心に返る”です。


これはもうあえて言う必要もないほど、誰もがこれを求めてあの夢の国へ足を運んでいるということはこのマガジンでも再三に渡って紹介してきました。

もちろん今回のゲストもそうです。

お気に入りのぬいぐるみを持参し、「ディズニーリゾートに何を求めていますか?」という質問には、

「感情を解放する場所だと思っているので、それが自然にできる場所としてって思いがあります。」

というお答えでした。


やはり夢の国へ行ったのならば、日常を忘れどこか取り繕っていたような”大人としての自分”という仮面を取り、内に秘めていたそのままの自分を解放して楽しまないとですよね。

そしてそれが許される場所だから。



さあ、ここまでは前回のゲストさんと同じように王道を楽しみ、ディズニーに王道を求めている彼女を紹介してきました。


次の章では、そんな彼女のインタビューの回答から見え隠れしている、彼女の内面に少しフォーカスを当てていこうと思います。


ぼくには彼女がこう見えた。

さあ、行ってみましょう!



スプーキー2

ギリギリ左に見えているダンサーさん。
かぼちゃの衣装はこれかな?笑


ブルーバイユーレストラン

これはもうショーですよね。
雰囲気も相まって美味しさも2倍!3倍に!


プラズマ・レイズ・ダイナーの牛カルビボウル

センターストリートハウスのハンバーグとサラダ

これらの画像は今回のゲストさんにお借りしてますが、やはり食事の写真がたくさん!
彼女がごはんを楽しみにしているのは間違いありませんね。




スウィートハートカフェ


「まずは王道を楽しむわ!」


「みんなはどんな楽しみ方をしているのか教えて教えて」




「ドラマ」_2021-02-26


めしゃさんが描いてくださった4コマにもあるように、今回のゲストの「好きな景色はありますか?」という質問への回答が、

「お昼時に、ワールドバザールの先にあるスウィートハートカフェというパン屋さんのテラス席に座って見るゲストの人たちですね。」


という内容でした。

余談ですが、このスウィートハートカフェに並んでいるパンはどれもこれもめちゃくちゃ美味しそうだったのでぼくも次行く機会があったら必ず立ち寄ると決めてます。
あくまでも余談です。


さらに続けて尋ねた「では、わたしだけかもしれないマニアックな好みはありますか?」という問いには、

「マニアック・・・あー、他のゲストの顔を見るのが好きです。」と。


さらにですよ。

「ショーなどを見る時何を考えながら見ていますか?」という質問に対して、

「周囲の人とその場の雰囲気を共有している感を感じながら見てます。」
と回答されたんです。



これらの回答を受けて何か感じるものがありますでしょうか?


もちろんぼくはあります。


そして恐らくですが、このマガジンを今読んでくださっている方の頭の中にも同じ内容が浮かんでいるのではないでしょうか?



「この方は、人を観察するのが好きなのかな?」ってまず思いますよね?

それをさらに深掘りして何か思われますか?



何を隠そうぼくが前回のゲストさんとの差を感じたのは、これらの回答が大きく関係しているのです。
そしてそこを自分なりに紐解いていくと、残った回答全てが彼女を表す回答に見えてきたんです。


それこそが今回の大きなテーマにもなっている、”他のゲストはどう楽しんでいるのか?”ということなのではないかなと思ったんです。


もう少し噛み砕いて言うとすれば、これはあくまでもぼくの推測ですが、彼女は確かに夢の国へ王道を求め、そして彼女なりにそれらを確かに楽しんでおられます。

だけどそれはこう考えることもできますよね。


”彼女はまだ、王道しか知らない”と。


そうです!
彼女はまだ10代。物心ついた頃からディズニーと触れ合っていたとはいえ、あれだけ楽しみ方が用意されている夢の国です。
月に何度も、一年に何十回と行けるのならばまだしも、年に2〜3回の頻度だとしたら、まだまだ自分だけの楽しみ方というものを完全に発掘できていなくてもおかしくありません。


つまり彼女が美味しいパンを頬張りながら見ていた視線の先にいるゲストが夢の国でどんな楽しみ方をしているのか、まだ見ぬその人だけの楽しみ方を観察していたとしたらどうでしょうか?

経験がありませんか?
あまり馴染みのない場所でどのような立ち位置でいればいいのかわからず周囲を見回すのを。

他にも例えばようやく馴染めた一つのグループや組織の中で、改めて周りの人がどんなことをしているのかを観察するというのを。



彼女は夢の国の中でそういった感覚に近い状態で、周りのゲストを見ているような気がします。

自分はこのショーを楽しんでいる。
だけど他の人は楽しんでいるのかな?
それとか、自分はここを楽しんでいるけれど、もしかして他にも見逃している楽しみ方がある?


そういう思いで周りの雰囲気を感じることはぼくもよくあります。


もっとわかりやすく言うと、「イエーイ!」って言いたいけれど「あれ?これ言っていい雰囲気だよね?」的な時に周りを見渡すのに似ている気がします。


彼女の好きなキャラクターは、『ヘラクレス』に出てくる「メガラ(メグ)」とヒロイン全般なんだそうです。

理由は”人間らしく誰もが完璧ではないところに共感ができるから”だそうですが、たくさんの解釈ができるこの回答をこれまでの話とだけ照らし合わせてみると、王道というヒロイン足る道を駆け抜けているわたしがいるけれど、だけどもっといろんな世界が見てみたい、もっともっと知りたい!という各ヒロインと彼女に共通する部分を見出すことができます。



まだまだこれから自分というものを知り、無限の可能性がある今回のゲスト。

そんな彼女の初々しいような、そしてどこか危なっかしい内面を少し垣間見れたような気がします。

その姿はもうプリンセスそのものですよね。


これから彼女がどのような自分だけの楽しみ方や感性を見つけるのかが気になって仕方がありません。

またもう一度どこかでインタビューをさせていただく機会があれば、きっと驚くほど全ての回答が違ってくるんじゃないかと思います。


さあそして最後に、彼女が最も心惹かれているあるショーについて語っていきたいと思います!



プリンセス1

プリンセス2

プリンセスグリーティングやパレード中のプリンセスたち。
ああ、お美しい。




ジップン・ズーム・ガイドツアー1


「一番忘れられない出来事です!」



「大好きなショーでした」




「花占い」_2021-02-26


みなさんは「ジップン・ズーム・ガイドツアー」というアトモスショーをご存知でしょうか?


MC・ヴァイオリン・パフォーマーの三人一組で、ディズニーランドの名所やアトラクションの説明をするだけでなく、その日訪れたゲストを非現実の世界へと誘う、文字通り”非現実へのガイドツアー”をしてくれるショーのことです。

今はもうショーは終わってしまっていますが、その時期同時に行われていた各アトモスショーの中でも一、二を争うほど人気のショーだったのです。


なぜ突然このアトモスショーのことを話しているのかと言うと、何を隠そうこの「ジップン・ズーム・ガイドツアー」こそが、今回『九人目』となる彼女の大好きなショーだったからです。


「今までで一番忘れられない出来事はなんですか?」

「『ジップン・ズーム・ガイドツアー』というアトモスショーに出ていた、会いたかったキャストさんに生で会えた時ですね。」


これまでにディズニーの王道をお伝えし、そして彼女がその王道以外の楽しみ方を探しているのではないか、というお話をしてきましたね。

そんな彼女が今見出している一番の楽しみ方というのが、このアトモスショーを見に行くことだったのです!


それもある特定のキャストさんを求めて、というところに「むふふ」と思わず微笑ましく感じてしまいますね。

ぼくの周りにも月に何度も同じショーを見に夢の国へと足を運ばれている方がいらっしゃいまして、その方に「どうして同じショーを何度も見るんですか?」と尋ねたところ、「わたしの推しているキャストさんが出るの。ショー自体も素晴らしくて何度も見たくなるんだけど、その方を見に行っているのもあるかな。」と教えてくださいました。


ディズニーリゾートと言うと、ミッキーやミニーなどの世界中で愛されているキャラクターに加え、大規模で幻想的なパレードやショーが行われ、一度乗ると何度でも乗りたくなるアトラクションがたくさんあります。

そして誰もがその中の何かを求めて足を運んでいるのだとぼくもこのインタビューを実施するまでずーっと思い込んでいました。


しかし、これまで紹介してきたゲストの中にもいらっしゃったように、本当に多種多様な思いや目的を持って夢の国へ足を運ばれていて、こうして記事を書く度にディズニーの奥深さを目の当たりにしてきたのです。

そんなディズニーでは、ある一人のキャストさんを求めて訪れるゲストというのも実はそれほど珍しくはないようで、今回の彼女もそうですしぼくの知り合いの方もそう。

確かに考えてみれば夢の国の中では誰もが主人公になれて、それはミッキーもキャストさんもゲストさんも分け隔てなく同じですよね。


その中である人はミッキーを求め、ある人はドナルドを求める。
タワー・オブ・テラーを求めている人もいれば、マーメイドラグーンを求めている人だっていました。
大規模なショーを見に行っている人もいれば、彼女のようにある特定のショーを見に行っている人だっていても何も不思議ではない。


彼女にとってはそれくらい大きな存在だということですね。



どうして彼女がそこまでこのアトモスショーに惹かれるのかというのは、もっともっとお話をして(またそういった機会があればですが)ぼくもショーについて学ばないといけませんので、今回の記事の中ではこれ以上はお話しすることが難しい。

ですが、インタビューの中にそのヒントなる回答がありましたので、最後にそちらを紹介しようと思います。



「あなたがショーに求めているものはなんですか?」

「求めているものですか?そうですね、アドリブなんかを交えてくださるその場の一体感と、そういうのを見ている時に感じるワクワクする気持ちを味わせて欲しいとは思ってますね。」


ディズニーには接客に対する教科書がないと聞きます。

それは、キャスト一人ひとりに対して、「あなたの思う理想の接客をして欲しいから」だといつか見たことがあります。


教科書のない接客や、その場に応じた対応というのはまさにアドリブの連続です。
そしてそれは、新鮮味を提供できる代わりに大きなトラブルにもなりやすいという構造にあります。

それがこちらにも伝わるからこそワクワクする。

決まりきったものじゃないというのは、どこか冒険にも似た感覚を覚えることができますが、そんなどこかスリリングな感覚を求めているのも、彼女が新しい楽しみを探しているからかもしれませんね。


まるでどこかの映画のプリンセスみたいに・・・




ということで、新年明けて二人目のゲスト紹介も間もなく終わりが近づいてきました。

もはやお決まりになりました二つの質問への回答を載せて終わろうと思います。




Q「もし関われるとしたら何をしてみたいですか?」

「アトモスショーなどに帯同するゲストコントローラーをやってみたいですね。」


Q「ではこちらが最後の質問になります。あなたにとってディズニーとはなんですか?」

「”感情の解放”です!」





彼女はまだまだ発展途上です。

今後ますます魅力的に、そして自分らしさを見出し輝くでしょう。


王道を王道として求め楽しみ、そしていつかその枠を飛び出し自分だけの楽しさを見つけ出していくというのは、人生という大きな括りの中でも同じことを言うことができます。

それは常識や社会の歯車として染まれというものではなく、その時代に沿った生き方というものを察知して踏み出し、そしてその中で自分らしく生きるという方法を模索するといった感じでしょうか。



彼女が赤いパラソルの下、焼き立てのパンを頬張り相手を眺めているように、その相手も優雅に食事を楽しむあなたの姿を見ているかもしれない。

そしてこう思うのです。


「ちょっ、優雅!!いいなあ!なるほど、ああいう楽しみ方もあるのか!」って笑



あなたはあなたらしくでいい。

そんな気持ちになりますね。





ディズニーに関わるすべての方へ感謝。
これまでも、そしてこれからも夢の国を夢の国にし続けてくれているすべてのキャストさんへ感謝と声援を込めて。



ありがとうございます。




そして素敵なお話をしてくださったこちらのゲストにも拍手をお願いします。
ありがとうございました。








この記事が素敵な体験になりますように・・・









写真:あんどうみく(6〜10枚目)、『九人目』のゲスト提供
文 :前田亮
4コマイラスト:めしゃ


ゲストコントロール


あとがきと質問と回答と



こんにちは。
勝手に”フリーライター”と名乗っている前田亮です。


ここから先は

3,763字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?