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Dream Guest 『五人目』


「わたしはディズニーの魅力に取り憑かれました!」



よーうこそ『五人目』のDream Guest Magazineの世界へ。
様々なゴーストたちが目覚めるハロウィンの夜。
何やら不穏な空気が漂いはじめていますねえ。

今宵ご紹介するゲストは、”ディズニー”の魅力に取り憑かれてしまったある一人の女性。
一度ディズニーに取り憑かれてしまうともう後戻りはできない。
みなさまもそんな彼女がなぜ取り憑かれてしまったのか、これから一緒に見ていきましょう。

だけど・・・決してふざけてはいけない。
ゴーストたちはいつもわたしたちを見ているからね。
ほら、噂をすればもうすぐそこに・・・




・女性
・二十代
・1〜2回/年 (ランド:シー=5:5)



「ミリョクノトリコ」




「わたし元々絶叫系って苦手だったんですけど、飛行機経験してから平気になったんですよ。」

「付き合っている人の影響で『ミッキーのフィルハーマジック』が好きなんです。」

「好きになったきっかけは、専門学校時代に年パスを持っていた友達がいて。その友達と話していくうちにわたしも好きになったんですよね。」



50近くの質問に答えていただいた中で、このようなお話を聞かせてくださった今回のゲスト。

話を聞いている段階で「あー、彼女は割と外部からの影響を受けやすい人なのかな?」と思っていました。


そんなことを考えながらさらにインタビューは続いたのですが、何を隠そう彼女とのインタビューが10人以上いたゲストの中で最長だったんです笑

それまでは平均して2時間いくかいかないかくらいの時間だったのですが、彼女とはなんと気づけば3時間を超えていました。


これは理由が面白くてですね、もう止まらないんですよ彼女のディズニートリビアが笑
後々取り上げる彼女の一番好きなアトラクション「タワー・オブ・テラー」から始まり、各テーマポートのお話。さらにパレードやショーにその引き出しの多さにぼくは終始「ええっ、うわー知らなかったー」しか言ってなかった気がします。
(ここだけの話、彼女はなんと・・・インディー・ジョーンズが探し求めていた”若さの泉”のありかを知っているんです!・・・内緒ですよ。)



そしてそんな彼女は、

「世界観が好きで、あとここの夜景が好きなんですよ」


と、「あなたの好きな場所はどこですか?」
という質問に、

「マーメイドラグーン」と「アラビアンコースト」をあげてくださいました。



なるほどと思いませんか?

彼女って恐らくとってもピュアで良い意味で子供心というものを失っていないんじゃないかって思うと納得できるんですよね。


人の好きなものやおすすめを「へーそうなんだー」って素直に自分に取り入れられる人って、経験や感性が豊かだったりするものです。

子供が何にだって興味や関心を持ち、真似したり実際に口に運んだりするじゃないですか。
その結果痛い目にあったり怒られたりする。
そうやって子供って「あっ、これってこうなるんだー」って学習していくんですよ。

そしてぼくらは大きくなりそういった実験と失敗を繰り返していく中で、次第に実験をする前に「あれ?これってこうすると危ないかもしれないな」って予測ができるようになっていきます。


こうして事前に危険を察知できる能力ってとってもとっても大切なんです。

だけど、

この能力がぼくらの挑戦を阻んでしまうという側面があるのもこれまた事実なんです。



「もしかしたら失敗するかもしれない」
「もしかしたら笑われるかもしれない」
「もしかしたら損をするかもしれない」


て具合にね。



だけど彼女はその危険予知よりも好奇心やワクワクの方が勝ってしまうんじゃないかなって思うんです。


飛行機だって初めて乗ると誰だって「これ本当に大丈夫かな。落ちないかなあ」って不安になりますよね。

絶叫系が苦手なのだとしたらそうでない方よりもその恐怖は大きいはずです。


ですが彼女は「あれ?飛行機って落ちないんだ。ていうか・・・なんか楽しいじゃん!」って、その浮遊感やドキドキが好きになった。

「今回はたまたま落ちなかっただけかもしれない」

と考えようと思えば考えられるけど、そんなことよりもワクワクやドキドキが心に残る人なんです。


そんな彼女が、これもまた友達の影響で”ディズニー”の魅力に徐々に気づいてしまいます。


さあ大変笑


夢と冒険とイマジネーションで溢れている夢の国。

そこで彼女が何を思うのか、一体どんな世界を見ているのか、この文章を読むだけで聞いてみたくなりませんか?


夜景が好きだからと「マーメイドラグーン」と「アラビアンコースト」をあげてくださいましたが、なんだか彼女が言うと、


「夜ってワクワクするじゃない!海底と砂漠の宮殿だよ?クラーケンだろうと盗賊だろうとかかって来なさーい!」

って聞こえちゃう笑



そんな今回のゲストに、ぼくは質問をしました。


「それでは、あなたの一番好きなアトラクションを教えてください。」


「アトラクション・・・わたしは『タワー・オブ・テラー』が大好きなんですよ!」




・・・ん?
『タワー・オブ・テラー』?



まずい!
あそこには彼女は近づいちゃいけない!

だってあそこには、呪いと災いのあの偶像が!
ちょっと止めて来ますー!




アラビアンコーストの夜

アラビアンコーストの夜2

ゲストの好きなアラビアンコーストの夜。
写真を提供していただいたあんどうさんに教えていただいたのですが、アラビアンコーストってこうした外灯の装飾がものすごく凝ってて見応えがあるそうです。
みなさんも行かれた際にはちょっと注目してみてください。


マーメイドラグーン2

マーメイドラグーン3

こちらは同じくマーメイドラグーンの夜。
こうして見るだけでもワクワクしてきますよね。




タワー・オブ・テラー5

「楽しむことに全力で何も考えていません!」


「シリキ・ウトゥンドゥが大好きなんです!」




「隠れシリキ」




遅かったかー!!


彼女はすでにディズニーの魅力に取り憑かれていますが、もしやそれはこの呪いの偶像「シリキ・ウトゥンドゥ」の仕業かもしれません。


「わたしだけかもしれないマニアックな好みとかってありますか?」

「知ってました?シリキって実は『タワー・オブ・テラー』以外の場所にもいるんですよ。だからその隠れシリキを探すことですね!」


こっ、これはもう完全にシリキに魅せられてますね笑


そんな彼女を虜にして止まない「シリキ・ウトゥンドゥ」
そしてそのシリキが登場するディズニーシーの大人気アトラクションが、
『タワー・オブ・テラー』です。


同じようなフリーフォール型のアトラクションは東京ディズニーシー以外にも、フロリダ・カリフォルニア・パリにあるそうで、それぞれ同じフリーフォール型のアトラクションという共通点はありますが、そのアトラクション自体の題材や内容は異なっていて、ディズニーシーの「ハリソン・ハイタワー三世と呪いの偶像シリキ・ウトゥンドゥ」という物語は完全なるオリジナルだそうです。


特にこちらの『タワー・オブ・テラー』というアトラクションは、パーク内のどのアトラクションよりも強くバックグラウンドストーリーに力を入れているようで、その完成度は「これ本当にフィクションか?」と思わず疑ってしまうほど高く、そして緻密に構成されているんですね。


知る人ぞ知る

ニューヨークグローブ通信

こちらの「ニューヨーク・グローブ通信」という新聞社や

ユナイテッド・スチームシップ・カンパニー

「ハリソン・ハイタワー三世」のライバルである「コーネリアス・エンディコット三世」が社長を務める「U.S.スチームシップカンパニー」という会社など、


そのアトラクションだけにとどまらず、実際に関係する建物や小道具などが随所に散りばめられています。
(ちなみに上の二つは本当に探そうと思わないと見つからないほどひっそりと存在しているみたいです。物語には外せない両建物が違和感なく街に馴染んでいるって、恐ろしいほどの作り込みです。)


そんなディズニーの”徹底的なこだわり”って、知れば知るほど見つければ見つけるほど楽しみが増していくという魔法か掛けられていて、知的好奇心や探究心などぼくたち誰もが生まれ持ってやがて忘れていってしまう部分を思い出させてくれる。


「楽しむことに全力で何も考えていません!」という彼女の言葉は、

「ショーなどを見る時何を考えながら見ていますか?ここに注目しているなどあれば教えてください」

という質問への答えでした。


これって絶対ショーだけに限ったことではなく、彼女の物事への取り組み方の一つなんだろうなと思うんですよ。


公園の砂場で服が汚れようが泥だらけになろうがその時は気にならない。
木に上るのは少し危ないけれど試さずにはいられない。

子供の頃ってみんなそうでしたよね。


さらに、

「あなたがショーに求めているものはなんですか?初めてのショーを見る時に何を待っているかなどあれば教えてください」

「あなたが求めるショーにあるべき要素はなんですか?勧善懲悪の物語や振り付けなどがあると思いますが、それ以外であれば教えてください」


という質問を投げかけると、


「ショーに求めているものですか?うーん・・・フロートとか、キャラクターとか・・あと、音楽ですかね。」

「ショーにあるべき要素。難しいですね・・・うーん、やっぱり小道具とかあればわたしたちも一緒に楽しめますし、盛り上げ役の方がいた方が楽しいじゃないですか。あとは、パイロ(花火)とか装飾も見ていて楽しいし、レーザーとかあるとワクワクしますね・・・あっ!あとあれです、わたしカイトが大好きなんですよ。見たことあります?5連カイトってのがあってですね・・・」


という返答が。


ご覧ください!
もう全部です!笑

ここでも彼女が全身でショーを楽しもうとしていることや、さらに楽しめるように好奇心を満たす知識を仕入れている感じが見てとれますね。

きっとあっちこっちと視線を動かし音楽に乗り♫
口角はずっと上がっている。


彼女は「カリブの海賊」や大好きな「ミッキーのフィルハーマジック」というアトラクションの演出の一部である銃撃音や爆撃音が苦手で、リニューアルされる前の「シンドバッド・ストーリー・ブック・ヴォヤッジ」の人形たちやコンセプトが怖すぎたそうです。

そしてゲスト同士の派閥やそれに類する言動などが、いくらディズニーと言えども嫌いだと教えてくださいました。



やはり夢も冒険もイマジネーションもそれぞれで楽しんでいいものですよね。
それを強制され限定されるのは誰だって気持ちよくないし、そんなことは元々不可能なんですから。

一人ひとりのゲストがそれぞれの楽しみ方で楽しんで、そしてそれぞれの夢と冒険とイマジネーションを広げていくんです。


彼女のように「シリキ・ウトゥンドゥ」に魅せられ、ディズニーの魅力に取り憑かれていたとしても・・・ってあれ?


「シリキ・ウトゥンドゥ」もビジュアルは相当恐怖心を煽る見た目をしていますよね?
しかも『タワー・オブ・テラー』の演出でも、笑い声だったり大きな音って出てくるはずなのに、これは大好きなのか・・・。


謎ですね。
ちょっと「ニューヨーク市保存協会」の方にお話を聞いてきます。


「すいませーん。あれ?誰もいないぞ。仕方がない勝手に入るか。大体何が『シリキ・ウトゥンドゥ』スワヒリ語で”災いを信じよ”だ。そんなもん嘘っぱちに決まってるじゃんか。ハイタワー三世だって、金持ちが何もかも投げ出して隠居生活に憧れるのもよくあることだし、どうせそういった類だろ。呪いの偶像だってさ。あははは。信じる方がどうかしてる。あれ?本当に誰もいないのか?すいませーん。あっ、痛っ。ん?何か蹴ったか?」

「げヒヒ、ギャハハハハー」

「うわっ!シリキ・ウトゥンドゥがなんでこんなところに!助けて、誰か助けてくれー!来るな!こっちに来るなー!・・・本物だ、呪いは本物だったんだ!みんな来てはいけない。シリキ・ウトゥンドゥと今回のゲストの謎を知ろうとしてはいけない!うわーーー!!!!!!」

「ギャハハハハー」

「・・・あなたが知ろうとしたからよ。」



タワー・オブ・テラー1

まずこの建物がかっこいいですよね。
この「ホテルハイタワー」には、世界中の建築様式が使われているとかいないとか・・・。


クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー2

ゲストの好きなショーの一つ「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」
『愛』と『友情』と『元気』の願いが込められたクリスタルを胸に、
”未来”へと旅立とう!というストーリーです。



舞浜からランドへの景色

「永遠に未完成だからこれからも広がっていって欲しい」


「もっとわたしをワクワクさせて!」




「夢を乗せて」




今回のゲストも夢の国へは、非現実や現実逃避を求めていました。

100年に一度と言われるほど猛威を振るったコロナウイルスの影響は、今なお世界中に広がり続けています。

これからの世界のあり方についての課題を提示し、そしてわたしたちに新たな思考を求めている。


テレビやSNSでは目を背けたくなるような悲しいニュースばかりが報じられ、暗い不安な気持ちにさせられてきましたよね。


「国家試験の勉強のためにディズニーを我慢していたのに、受かった今何のためにがんばっていたんだろうって思います。」


当たり前だったものはこうも容易く当たり前じゃなくなっていきます。


ピュアな心は、悪いものだって同じように吸い込んでしまう。



だから彼女はそれを言わば浄化するために、夢の国へと足を運んでいたんだと思います。

あそこに行けば、またわたしは人を世界をそして自分自身を信じることができるって。


これまでも様々なゲストがそういったことを求めて足を運んでいた。
だけどそれができなくなった。

彼女だけじゃない。
ディズニーの魅力に取り憑かれたすべてのゲストは、一体今何を思っているのでしょうか。


きっと「早く行きたい!」って、「コロナに負けずにまたたくさんの笑顔を見たい!」って思っているんじゃないかな。



だけどほら、そんなゲストの想いを受け止めてくれるのが夢の国の仲間たちだよ。

パッと笑顔が花開く嬉しいニュースを届けてくれましたよね。

そう、新しい仲間が増えました。


美女と野獣2

美女と野獣1

ビッグポップ

ベイマックスライド

ミニーのスタイルスタジオ



ディズニーの生みの親「ウォルト・ディズニー」の有名な言葉がありますね。


「ディズニーランドが完成することはない。世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう。」


この度仲間になった新エリアは、わたしたちに新たな希望を届けてくれました。
それは「絶対見に行きたい!」という生きる希望でもあるし、
「そのために辛いことだってがんばるんだ!」という明日への希望でもあります。


何のためにがんばればいいのか。


これまでの人生計画が狂ってしまった人だって大勢います。
誰もが今、心の糧になるものを探し求めている。

「このためにがんばるんだ!」という対象を。



実はあまり知られていない「ウォルト」の残したこんな言葉を知っていますか?


「逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい」


世界中の誰もが戸惑い苦しんでいる今、この言葉が彼女の元へと届いて欲しいとぼくは願っています。

「レジェンド・オブ・ミシカ」の衣装が好きだと教えてくださったので、ぼくもそのショーを見ました。


本当に最高のショーで、夢と冒険とイマジネーションを体現しているとグッとくるものを感じられるほどです。

そんな中ミッキーが仕切りにこう言います。


「世界を一つに」って。


今こそ世界中の人々で手と手を取り合って協力していかないといけない時です。

そしてそのためには、今回のゲストである彼女のような純心で損得ではない心の動きを大切にしないといけない。



彼女は本当に楽しそうにぼくにいろんなことを教えてくれました。

そんな彼女にもぼくは同じことを聞きます。


Q「もし関われるとしたら何をしてみたいですか?」

「『タワー・オブ・テラー』で働きたいですね。シリキのお手伝いがしたいです笑」


Q「ではこちらが最後の質問になります。あなたにとってディズニーとはなんですか?」

「夢を与えてくれる場所。現実を忘れさせてくれる場所です。」



わたしたちにイマジネーションがある限り、夢の国だけでなく自分たちだってどこまでも進化し続けることができます。

歴史や時代が変わる分岐点に立たされている今こそ、一緒にがんばっていきましょう。


「『ヴェネツィアン・ゴンドラ』っていうアトラクションの途中に、”願いの叶う橋”って呼ばれている場所があるんですけど、初めてシーに行った時にわたしそこで『姉弟が欲しい』って願ったんですよ。そしたら本当にできて、亮さんも行った時は何か願った方がいいですよ。」



ヴェネツィアンゴンドラの願いの叶う橋

こちらがその”願いの叶う橋”ですね。


今ならぼくはこう願います。
(億万長者にしてください)

なんてね笑



ディズニーに関わるすべての方へ感謝。
これまでも、そしてこれからも夢の国を夢の国にし続けてくれているすべてのキャストさんへ感謝と声援を込めて。

ありがとうございます。


そして素敵なお話をしてくださったこちらのゲストにも拍手をお願いします。
ありがとうございました。





この記事が素敵な体験になりますように・・・






写真:あんどうみく
文 :前田亮
4コマイラスト:めしゃ


メディテレーニアンハーバーの夕方


あとがきと質問と回答と


こんにちは。
勝手に”フリーライター”と名乗っている前田亮です。



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