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冬の寒さに思うこと

一、「腹が立つ」

 冬の朝と夕方、ひどいときには日中にも吹き付けてくる風に、苛々させられることがある。それも、冬季に関東地方または太平洋側の地域で吹く「からっ風」ではなく、やや弱めにちょろちょろとしている冷風のほうが私の神経を逆撫でする。

 何だかこう、プラスチックの下敷きや薄い紙束のようなもので顔の表面をぴしぴしと叩かれているかのように感じるからだ。しかも、それがまるで刺すように冷たく、ついでにしつこいから、そのしつこさにも腹が立ってくる。これなら、容赦なしに殴打してくるからっ風のほうがまだ潔いというものだ。

 ただ、そのからっ風についても、しばらくその殴打に耐えていると、「自分はなぜこんな目に遭わなければならないのか」という小さな憤りが湧いてくる。


二、「血管の中を氷が流れる」

 冬の日には手の先がよく冷える。どちらかというと左のほうが深刻で、指先から肘までが痛むこともある。冷えた部分を温水に浸けたり、冷えが多少はましな右手で擦ったりしてみてもあまり良くならず、依然として痛い。

 こうも打つ手がないと、私の左手の指先の毛細血管には氷でも流れているのか、などと想像したくなってきてしまう。冷凍庫の製氷機で作られたかのような、四角く尖ってゴツゴツした氷のキューブが、毛細血管の中をどんぶらこどんぶらこと下っているのだろうか。そして、氷たちはその後どこに流れ着くのだろうか。


三、「寒すぎて、白湯どころか熱湯を飲んでいる」
毎年恒例、自由律俳句のつもり。

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