ACミランvsリヴァプール〜確定させて掴んだ流れ〜[UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ第1節]
新フォーマットとなった2024年のUEFAチャンピオンズリーグ。
リヴァプールは
という組み合わせ。試合多すぎ。長い戦いになりますが楽しんでいきましょう。
メンバー
・ACミラン
ミランは4節でユニフォームがカッコいいでお馴染みの昇格組ヴェネツィアに勝ってやっと今季初勝利。過密日程で週末にはミラノダービーの控える中でスタメンはエメルソン、ガッビア、エイブラハム→カラブリア、トモリ、モラタの3枚変更で初戦に挑む。
・リヴァプール
こちらは逆に直近のリーグ戦で新体制初黒星を喫したリヴァプール。メンバーを固定して戦ってきた中で、スタメンは2枚変更。ロバートソンとルイスディアスに変えてツィミカスとガクポが共に初のスタメン。
前半
3分でミランが先制点。GKからの配球から右サイドで数的不利に。1枚づつ対応がズレたところでプリシッチが抜け出した。
動画
早くも1歩前に出たミラン。先制点の場面と同様にGKから配球を探る。ミランは4-3-1-2で保持。CBとGKの3枚がビルド隊となり、SBはリヴァプールのWG裏に潜り込む。
中盤はフォファナがアンカーポジション。右WGのプリシッチが内側に絞って、ロフタスチークとIH、ラインデルスがトップ下でダイヤモンド。ラファエルレオンはモラタと2トップで配置。
対するリヴァプールはジョタとサラーがCBを監視。そこからジョタがフォファナをぼかしながらGKのメニャンへ向かっていく。
リヴァプールのプレスはCBのパブロヴィッチまで出るサラーの背中をフラーフェンベルフがカバーする設定。ただ、これだとプリシッチ-ラインデルス-テオエルナンデスをCHの2人で抑えることになる。
特にフラーフェンベルフは中央のラインデルスからサイドのテオエルナンデスまで監視することになるため、カバー範囲が広すぎ。抑えきれずに浮いた選手にメニャンから届けられて、マークがずれたところから前進される。
ただ、リヴァプールは後方4枚を揃えているので、プレスを掻い潜られても危ない感じはなく。このままでも守れますよ、という展開だったが、1点ビハインドの中でより流れを手繰り寄せるためにスロットが動く。
ということで20分辺りからこうなる。
中盤のダイヤモンドをソボスライ、ジョタの2トップとマクアリスター、フラーフェンベルフのCHで抑えることを確定させる。WGのガクポとサラーはSBを消しながら、CBまで届く中間ポジション。WGがCBまで出たら、SBのアーノルドとツィミカスが縦スライド。
メニャンは放置して配給先をしっかり抑え、CBにはWGやソボスライが制限に向かう。中盤のマークを確定させているので、受け渡しもスムーズになり、浮いた選手を作らせなかった。
25分にはトモリからプリシッチへの縦パスが通ったところをマクアリスターが掻っ攫ってジョタの決定機を用意。マークが定まったことで、ミランの保持を封じ込めて流れを掴んでいく。
自らの手で守備から流れを手繰り寄せ、徐々に保持の時間を増やしていくリヴァプール。ミランは立ち上がりこそは高い位置から制限に出ていきたそうな感じだったが、先制点を取ってからはミドルサードで構える設定。
4-2-4で被保持。モラタとラインデルスの2トップがフラーフェンベルフを背中で消して、コンパクトな前線4枚。
対してリヴァプールは4-1-2-3で保持。この日は後方4枚で配置する。ミランはビルド隊に保持を許容するため、ここからロングボールで配球。WGが大外に張り、SBが引き付けられればジョタやソボスライ、アーノルドやツィミカスが開いたゲートへ走り込こんで裏抜け。逆にSBがCBとの距離を詰めれば、逆サイドのWGまで飛ばす。
また、ミランのWG周辺はCHのプレスも届かず、ボールを持てるエリア。特にラファエルレオン周辺ではプレスが緩いため、このエリアからアーノルドやソボスライ、サラーが配球していく。逆サイドまで対角に飛ばせるソボスライやアーノルドはこのエリアからでもキック1本で一気にチャンスを作り出す。
そして23分に同点ゴール。ラファエルレオン周辺のエリアからアーノルドが対角フィードでガクポへ。FKをゲットしてコナテが空中を制した。
ミランのセットプレー、ゾーンで守っていたけれども。こんなに簡単にコナテに飛ばれるのはいかがなものか。
そして勝ち越しゴールもセットプレー。ツィミカスのCKにファンダイクのヘッド。
ファンダイクにはラインデルスがマークについているが、またしても簡単に飛ばれている。GKを壁にするファンダイクのマークの外し方もうまかったが、ミランのセットプレー守備の雑さから前半で試合をひっくり返した。
ハーフタイム
1-2で前半終了。
リヴァプールが守備を修正してからはミランは効果的な保持ができず。モラタが背負って起点になったり、レオンが大外でアーノルドをピン止めして、サイドで数的優位を作って進んだりと切り取れば良い形もあったが、そのときのノリでやってる感じ。
後半
両チームとも交代なしで後半へ。しかし、前半から何度も痛みを抱えながら好セーブを見せていたメニャンが接触で51分に交代。代わったトリアーノはこれが初出場。
ミランの保持は前半から大きく変わった様相はなく。サイド低い位置のSBに預けて出口を探っていく感じ。特に左サイドではラファエルレオンも大外から降りてきて、レイオフを使いながら前進を試みる。
対してリヴァプールはアーノルドがSBまで縦スライド、コナテがラファエルレオンを捕まえて起点を作らせない。また、マクアリスターがラインデルスのマークを引き継いで、フラーフェンベルフを解放することで、サイドで+1を作り、ミランの前進を堰き止めていく。
ミランはマークの受け渡しで浮いたプリシッチを使って逆サイドから進む形は一度見せた。ただ、テオエルナンデスからプリシッチまでは距離が遠いため、プレッシャーを受ける中で、このルートを選び続けるのは難しく、再現性は高くない。
何度かゴールに迫りつつも、フィニッシャーがツィミカスになることでネットを揺らすまでには至らなかったリヴァプールだが、67分に追加点。パブロヴィッチのパスを引っ掛けたところからガクポが抜け出してカウンター。ゴール前まで独走して、最後はソボスライがゴールへ流し込む。
3点目の起点となったジョタとガクポはここでヌニェスとルイスディアスと交代。ミランは負傷のカラブリアとロフタスチークに代えてエメルソンとエイブラハムの元プレミア勢。
2点ビハインドとなったミランはCH1人を中盤に残して、前線4人とCHの5人でボールを取り上げにいく。CHとトップ下に下がったモラタでフラーフェンベルフとマクアリスターを監視して、エイブラハムと両WGがプレス隊。
ミランが前に出てきたことで、アリソンと両CBからWG裏のSBやWGまで飛ばして広大なスペースがある中盤でソボスライが引き取り、プレスをひっくり返していくリヴァプール。
ミランのCBは迎撃に出てこなかったので、フォファナかラインデルスがスカスカの中盤を1人でカバーするという到底無理なタスク。
速攻でゴールに迫りつつ、ミランを撤退させて試合をコントロール。あとは選手交代で主力のプレータイムを管理しながら、キエーザをデビューさせて危なげなく逃げ切ったリヴァプールがCL白星スタートを飾った。
おわりに
早々に先制されたが、結果的には3つのゴールを奪い完勝。
五分五分の流れをチームとして動いて手繰り寄せたリヴァプール。対して、逆転された後も変えられなかったACミランという形で采配に差が出た試合でしたとさ。
試合結果
2024.9.18
UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ第1節
ACミラン 1-3 リヴァプール
サン・シーロ
【得点】
ACミラン
3' プリシッチ
リヴァプール
23' コナテ
41' ファンダイク
67' ソボスライ
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