ひかる@サッカー分析
サンフレッチェ広島vsFC東京~再び進化するアルベル東京~[Jリーグ第23節]
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サンフレッチェ広島vsFC東京~再び進化するアルベル東京~[Jリーグ第23節]

ひかる@サッカー分析

まず移籍情報から。代表ウィーク期間にFC東京は3名が新加入。

1人目は木村誠二がモンティディオ山形から復帰。木本の森重2人で回しているCBの3人目は必須。プレーは見たことないけどFC東京サポの反応見るとけっこう期待値高そうなので楽しみ。3クラブでプレーした経験が活きるといいね。

2人目は塚川孝輝が川崎フロンターレから完全移籍。こちらもプレーは見たことないけどIH、アンカー、SBと複数ポジションこなせるとか。FC東京で複数ポジションできる選手は渡邊くらいなのでその面でも大きいと思う。怪我人も多いし。あと強度高い系IHらしいので安部、松木を交代できるようになるのも良き。川崎からと言うこともあり個人的には1番期待。

3人目はルイス・フェリッピがスポルティングからレンタル移籍。全員じゃねえか!って話だけどこの選手も見たことない。プレー集を見た感じはボックス内で勝負する感じの山下に近いタイプっぽい。このタイプのCFが今のFC東京でどれだけ活躍できるかは正直心配。ただ本人は日本でプレーしたかったらしいので10点取って完全移籍を勝ち取ってもらいましょう。

アウトの方だと岡庭が大宮アルディージャへレンタル移籍。今季リーグ戦ではベンチ入りもなかった。なのでなのでこの移籍は選手、クラブともにwin-winかな。あとは大宮で活躍してwin-win-winにしてもらいたい。

日本代表の話をするとJリーグ組で挑んだE-1選手権だがFC東京からの招集はなし。まあ怪我人続出とかチーム状況を考えれば全員でトレーニングを詰めたのは良かったか。悔しくはありません。一方で広島は6名も招集。別に羨ましくなんかありません。

やっとこさ試合の話。代表ウィーク明け1発目はアウェイでのサンフレッチェ広島戦。勝ち点差3の重要な試合。

広島は3試合勝ち無で少し足踏み状態。前節京都戦は追いつかれて1-1の引き分け。他の記事書いてたので試合はチェックしてないから詳しくはわからん。

FC東京は6,7月はかなり苦しんだが、中断前は磐田相手に2-0で勝利。早い時間で2点取ってその後落ち着いて、後半は殴り合うみたいな試合。リードした後の進め方がちょっと課題に感じた試合。

前回対戦は3月12日の第4節。コロナで活動停止になったこともあり、ホーム開幕戦となった試合。広島のマンツーマン守備に苦しめられた。好調だった序盤の中では1番苦戦した試合。

詳しい試合内容はこちらから ↓

試合概要

メンバー

・サンフレッチェ広島
前節は3CH+2トップだったが、2CH+3トップに変更。代表に招集されていた野津田がメンバー外。CHはスタメン出場2試合目の川村と7試合目の松本というコンビ。エゼキエウが怪我から2節以来の復帰。

・FC東京
コロナなどもありスウォビィク、渡邊、レアンドロが不在。そのため、波多野と三田が初先発。アダイウトンが復帰し、新戦力3人は早速みんなベンチ入り。

(1)3人目を作るビルドアップ

7月最終戦となるこの一戦。6,7月のFC東京はとにかくビルドアップに苦しんだ。この代表ウィークの2週間でどのように改善してきたのか。広島の守備と共に振り返っていく。

まず広島の守備から。立ち上がりの広島の守備は前線3枚でプレス!というよりもCFと片方のシャドーの2枚でプレスをかける様相。特にベンカリファと満田が前2枚で森島は後ろに残って中盤3枚の様になることが多かった。 

今季のFC東京のビルドアップは2CB+アンカーの3枚で行う。この3枚に対して、2枚でアンカーを切りながらCBにプレスをかけられて前進できなくなる展開がここ数試合続いていた。そのため、広島もCF+2シャドーの3枚ではなく、1枚少ない2枚でのプレスとした感じかな。横浜FM戦では3枚でプレスをかけていたし。この辺は広島を継続して見ていないと何とも言えない部分もある。

とにかく広島は前2枚がプレス役となる。ベンカリファと満田でCBの木本と森重に対してアンカーの東を切りながらプレス。森島は後ろで松木のマーク、川村がライン間を埋めたり、東まで出て行ったりとバランスを取る感じ。中央を抑えてFC東京のビルドアップをサイドに誘導。SBにはWBが縦スライドで出てきてプレスに行く。広島のWBは守備時もかなり高い位置を取っていたのでSBのところで奪おう!という意識は強かったと思う。

中断前のFC東京であればこのプレスによってSBのところで詰まって引っ掛けたり蹴らされたりしていただろう。だがこの試合では3人目を上手く作りながら中央から前進できていた。

FC東京のボール保持時には右WGの紺野と左SBの佳史扶がそれぞれサイドに張る。そして右SBの長友と左WGの三田が内側に絞る。これまでも渡邊がWGに入り内側に絞ることはあったが、長友がこのような内側の立ち位置を取るのは中断期間で変えてきた点だ。

長友や三田が内側に絞ることで中盤の枚数を増やし、広島に対して各所で数的優位。三田が内側に絞ったり、ディエゴが降りてくることでマークを外して縦パスを引き出す。この縦パスに対して3人目が絡んで落としのパスを受けて前向きを作り出すことができた。戦術用語でいうところのレイオフの形。

このように上手く3人目の関係、三角形を作りながら前進できたFC東京。ディエゴが降りてきた時には安部や松木が入れ替わるように飛び出して行くことで中盤で数的優位を作り出しながらゴールまで迫ることができていた。

20分の安部の決定機に繋がったのもこの形から。木本からディエゴに縦パスが入る。その縦パスに対して三田が3人目のサポートで落としを受けて前向き。降りてきたディエゴに入れ替わるように松木が飛び出した。

安部も決めてほしかったけどニアでディフェンスに当たってたっぽいし。まあ合わせるのが難しいボールになったかな。それよりあそこに入っていけるのが流石!って感じ。

広島が前2枚でのプレスにしたことで木本へのプレッシャーが弱まったのもFC東京には好転した形。これによって木本から得意の縦パスがバシバシ通ってたからね。

(2)圧力を強めた広島

上手くボールを保持しながら前進できていたFC東京。これを受けて広島は20分前後くらいに守備を修正。CBの木本と森重、アンカーの東に対してCFと2シャドーの3枚を当てるようになった。より明確にマンツーマンでの守備になった形。

この広島のマンツーマン守備で中盤各所で作っていた数的優位が作りにくくなったFC東京。それでも長友や三田が上手くポジションを変えてマークを変えながらボールを保持。中断前に比べたら明らかに改善されていた。

そんな中で森島のゴラッソで広島が先制。天皇杯に続いて波多野が被ゴラッソ製造機になってる気がするけど大丈夫そう?

アウェイの鳥栖戦でも同じような距離からシュートを決められている。中盤がバイタルエリアでプレスに行けない状況になった時にはどう対応するのかが上手く定まっていない印象。今回は佳史扶が出ていこうとしたけれど遠すぎて無理だった。J1レベルだとあの距離からもシュートを突き刺してくるし、この対応は今後の課題の1つかな。

(3)ひっくり返して真向勝負

60分にFC東京は紺野と三田を下げてアダイウトンとフェリッピを投入。フェリッピがCF、ディエゴが左WG、アダイウトンが右WGの3トップとなる。自分がずっと見たかったアダイウトンの右サイドだ!と思ったけどすぐディエゴと左右を入れ替えた。残念。多分できないんだろうな。アダイウトンが右もできるようになってくれればすごいありがたいんだけど。

それはいいとして。新ブラジルトリオの強度増し増し3トップにしたことでターゲットが3枚に。よりシンプルにロングボールを3トップ目掛けて蹴る形の攻撃に変更。前半途中から広島がマンツーマンに変えたことでより前に出てくるようになったため、ローグボールで一気にひっくり返して3トップvs3バックの3対3で勝負する。

72分30秒。波多野からロングボールで一気にフェリッピまで飛ばしてひっくり返す。ここからスペース大好きアダイウトンが広いスペースで勝負できる形を作り出した。

塚川と安部を入れ替えたのもこの部分に理由があるのかなと。前に出ていく安部よりも低めの位置でプレーに関わる塚川を入れることで、広島をより前におびき出す狙いがあったとも考えられる。

この交代後からは広島陣地でボールを保持しながら、3トップのカウンターも使いながら上手く試合を進めることができた印象。そして終了間際にはアダイウトンの独走で決勝点。その前の山下のプレスバックもすごい良かった。

おわりに

2回目の逆転勝利。今季は前半に先制されて、後半立ち上がりに追加点を許し、そのまま負けるという試合が多かった。そういう意味では後半立ち上がりの押し込まれた時間に波多野を中心としてしっかり耐え切ったのが非常に大きかった。

また、新戦力3人も全員使ってFC東京のペースで試合を進めることができた。アルベルさんの交代策がバッチリはまった。

中断前からビルドアップもしっかり修正。以前のレビューでは後ろ3枚のビルドアップにした方が良いとも書いたが、この修正を見ると2CB+アンカーの路線で行くよう、ただこの試合では状況をみて東がCB間に降りることもあったし2週間を非常に上手く使ってトレーニングできたのだろう。

FC東京のプレー割合(今季)

こっちは今季全体でのプレー割合。このように中央を使えず、サイドに誘導させられている。

FC東京のプレー割合(vs広島の前半)

これはFC東京の前半のプレー割合。中央を上手く使えているのが一目でわかる。このデータだけでも中断期間で上手くビルドアップの修正がされたのがわかる。

ただ、FC東京が進化すれば、それに対して相手チームは対策してくる。そしたらその対策を上回る進化が必要になる。この繰り返しでチームは成長していくわけだから、波があるのも当然。いい感じに進んでいると思う。

新戦力について。

フェリッピはとにかく腕が強いなっていうのが最初の印象。強度の高い荒木を片腕で抑えてボールを収めることもあったし、その面は期待できそう。あとはFC東京はあまりクロスボールが入ってこないのでどう得点を取っていくか。この辺りは連携やコンディションが上がってくればって感じ。

次に塚川。IHでの出場だったが、動き回るよりもバランスをしっかりとることができるタイプなのかなと。安部より松木に近いタイプ。足元はあんまりって聞いてたけれどFC東京の中では普通に技術は高い。それだけ川崎とFC東京には差があるってことなんだけど。

木村は時間が短かったのでまだよくわからない。左足もそれなりに使えそうなのかなってくらい。この加入で3バックもオプションとなれば来季以降を考えても大きいね。

試合結果
2022.7.30
サンフレッチェ広島 1-2 FC東京
エディオンスタジアム広島

【得点者】
サンフレッチェ広島
 40' 森島司

FC東京
 67' ディエゴオリヴェイラ
 90+3' アダイウトン

参考

https://www.football-lab.jp/fctk/report/?year=2022&month=07&date=30


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