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FC東京vs東京ヴェルディ~気持ちがなければ勝てない 気持ちだけでは勝てない~[Jリーグ第27節]

東京ダービー第2ラウンド。第1ラウンドは引き分け、昨季の天皇杯も実質引き分け、2011年のJ2時代も2試合引き分け。最後に決着がついたのは2008年の8月。16年ぶりに決着をつけましょう。

メンバー

FC東京
前節からは安斎、岡、退団した徳元に代わり荒木、森重、長友がスタメン。ここにきて森重・長友が揃うの熱い。

東京ヴェルディ
前節から見木に代わり森田が2ヶ月ぶりにスタメン復帰。ヴェルディもダービーに合わせてキャプテンが戻ってきた。

前半

開始早々に木村と森重がマッチアップ。ダービーとは何たるかをファーストプレーで見せる森重真人。そしてボールキープしながらサポーターを煽る荒木。

結局このときが一番痺れたね。

FC東京がボールを持つ前半。ヴェルディはプレスに向かいながらも、高い位置で嵌めてやろうという気持ちはなく。ボールホルダーにフリーで蹴らせなければOK程度。ミドルサードでの撤退が基本の設定。

5-2-3かCHの齋藤か森田がビルド隊となる高-小泉を追いかけて5-3-2でミドルセット。ライン間をうろうろする荒木(とディエゴ)はCH(と3CB)が捕まえる。捕まえて荒木をブロックの外に追い出す。SBへはWBがジャンプ。

FC東京の保持はCBとCHがビルド隊。この試合では当社比割と明確にSBが大外でWGが内側の立ち位置。ディエゴと荒木がライン間をうろうろする。

ヴェルディの2-3ブロックと荒木が捕まえられたことでFC東京の前進はサイドから。まずは右から。

右サイドでは高と小泉が2人とも参加。ここに仲川か荒木も参加してきて、白井と共に人数をかけるオーバーロード。ただ、ヴェルディも翁長と谷口に加えて森田と齋藤のCH、染野も戻って守備に参加させてきたことで数的有利を作ることができず。人数をかけてサイドを突破するまでには至らなかった。

サイドで詰まったら一度戻してやり直し。右サイドに人数をかけているので上手く左サイドまで展開できれば広いスペースで勝負できる。しかし、CHが2人とも右サイドに参加しているため、中央を取る人がおらず左まで運ぶのに時間がかかりすぎてしまう。また、中央に人がいないことで、土肥と森重のCBは木村と山田に睨まれている状態。

18:20

CBが睨まれている状態でGKまで戻ってしまうなど、左サイドまで展開できない。展開できても相手から距離を取るためにポジションを下げてしまうため時間がかかる。その結果、長友まで渡ったときにはヴェルディの押し上げが間に合っている。

上手くサイドtoサイドでボールを動かせた場面で言うと26分。

左サイドに高と小泉が参加しているため、白井が中央に絞ることで染野を止めている。これにより土肥への染野のプレスが遅れるため、左サイドでのやり直しから森重→土肥と素早く繋がる。

26:20

結果的に土肥は十分に時間を貰うことができ、大外の仲川も前向きで受けることができる環境。この場面ではヴェルディの押し上げを裏切るようにWBの背後に走り込む白井へロングボール。

白井はけっこう中央取ってくれる印象。そのあとの裏抜けも良かった。

一方の左サイド。こちらは長友が低めの立ち位置。

9:40

長友がサイドの低い位置で張っているため、前線の遠藤とディエゴまでの距離が遠い。この距離でサポートに降りながら相手を背負ってプレーするのは、いくらディエゴでも難易度が高い。中央から斜めに降りてくるわけだから、ただレイオフで味方に落とすだけでも難しいだろう。

2試合前のG大阪戦でも長友の立ち位置から左サイドのビルドアップが機能不全になっていた。ここら辺の長友含めた左サイドの立ち位置は、チームとしてしっかり定めないといけない。遠藤が悩みながらプレーしていたというし。

右SBに入ったときの長友は割と起用にやっている印象なので、形を作ってあげればそれなりにはできるはず。

かたや被保持。FC東京もプレスに出る振る舞いを見せつつも基本は4-4-2でミドルセット。2トップの荒木とディエゴはCHの森田と齋藤を背中で監視。3バックには保持を許容する。

ヴェルディの保持はロングボール中心。保持を許された3CBから両サイドやハーフスペースへ長いボールを蹴り込んでいく。サイドから押し込んだヴェルディはファーへのクロスを擦り続ける。

41:40

ヴェルディから見て左サイドからのクロスが多かったが、FC東京から見ると右から左ファーへ、山田のクロスから白井のところに染野をぶつける方が怖かった感じはする。

ハーフタイム

0-0で前半終了。FC東京は多くボールを保持したが、そのほとんどがヴェルディが持たれることを許容するエリアでのもの。川崎戦で拘った右サイドの突破も不発。逆に人数をあまりかけずに長友-遠藤-ディエゴor荒木で完結する左の方がスムーズにボールも人も動いている。

後半

両チームとも交代なしで後半開始。

52分にFC東京はファーストチャンス。小泉の左落ちで3-1ビルドから。ヴェルディのプレス隊の背中を取りながら前進。長友のところで嵌りかけるが上手く荒木に繋いで遠藤が抜け出す。

52:10

前半の遠藤のミドルシュートなど、結局配置が整っている場面では、途中でごちゃっとなりながらも上手く前進させてゴールに迫れている。あとはどれだけ整備された配置を相手に合わせて作ることができるかである。

守備でも後半は2トップにWGも参加してヴェルディの3バックに同数でプレスを開始。圧力を高めるFC東京。しかし、55分の場面では林にプレスに出た荒木が簡単に背中の齋藤へ通されて回避。結局自陣まで撤退することに。

55:10

プレスをかけるときに一番優先するのは背中で消している選手(エリア)へ通されないことではないか。この場面では林へ勢いよく荒木が向かった結果、切り返しで逆を取られて齋藤へ通された。

簡単に背中を通されるのであればプレスにいく意味がないと思う。いかない方が良い。まずはしっかり背中で消してジリジリ詰めていった方が後ろの4-4ラインも守りやすくなる。この問題は開幕からずっと変わらずだから、いまさらどうにかなりそうにもないが。

お互い蹴り合いの様相になってきたところで選手交代へ。ヴェルディは65分に森田・山田に代えて見木・山見。FC東京は70分に遠藤・仲川に代えて俵積田・安斎。75分に高・荒木に代えて原川・小柏を投入。

俵積田が登場してからは左の大外に固定されて、ハーフスペースで荒木やディエゴが受けて反転して右まで展開して個人で打開するがシュートまでは繋がらない。一方、守備では野澤がビッグセーブを連発、森重が命がけで防いで望みをつなぐ。

倒れた森重に対するヴェルディのスタッフやサポーターの対応。普段歪み合うダービーだろうと関係ない。あれがJリーグの良いところ。俺は素直に感謝です。

森重の治療後、ヴェルディは5-4-1のブロックを自陣にセット。荒木がいなくなったFC東京はCBとCHで動かすが、穴を空けることができず。中盤4枚のラインを超えることもできない。

こういうときは俵積田に頼ることで誤魔化して過ごしてきた今季のFC東京。しかし最近は不調気味。この試合でも空回り気味。クロスは暴発。

両チームともネットを揺らせずに0-0で終了。決着はまた来年に。

おわりに

またも引き分け。ヴェルディを倒すのは来年にお預け。

ダービーということで試合を見返していて、いつも以上に選手の気持ちは感じた。ユニフォームを引っ張ってでも(ほんとはダメだけど)勝とうとする気合は見て取れた。気持ちがなければ勝てない。しかし、気持ち気合だけでは勝てない。選手たちの気持ちをゴール・勝利に結びつけるのが監督・コーチ陣の仕事である。

ダービーも終わり、順位的にも目指すところが見えにくいがピッチ内を見ればやることしかない。すぐに空転するハイプレスの整備・大志ありきのセットした守備の整備・ビルドアップの配置の整備・異様に右に偏った崩しは正しいのか。

サポーターも勝ちたい、選手たちも勝ちたい、ピーターだって勝ちたい。それはみんな一緒です。残りシーズン11試合。全員で戦っていきましょう!

💙❤️You’ll Never Walk Alone💙❤️

一生青赤!!!

試合結果
2024.8.17
Jリーグ第27節
FC東京 0-0 東京ヴェルディ
味の素スタジアム


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