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ラファエル・ヴァランがどんな選手か分かる記事[選手解説]

レアルマドリードのラファエル・ヴァランはイングランドのマンチェスターユナイテッドへの移籍が濃厚となっています。この移籍が実現すればユナイテッドにとっては非常に大きな戦力アップとなるでしょう。

この記事ではヴァランがどんな選手なのか、その経歴とプレーの特徴について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

選手経歴

ヴァランは1993年4月25日にフランス北部のリールで産まれました。ユース時代はRCランスの下部組織でプレーをしました。

2010年11月7日のモンペリエ戦でトップチームデビューをし、このシーズンは23試合に出場しました。そして2011-12シーズンに移籍金約1000万ユーロでスペインのレアルマドリードへと移籍。その後10シーズンで360試合に出場し、17得点をあげています。フランスのA代表デビューをしたのが2013年3月22日に行われた2014FIFAワールドカップ欧州予選のジョージア戦。現在は通算46試合に出場しています。

ヴァランの凄さは何と言っても獲得タイトルの多さ。レアルマドリードでは10年間でリーガエスパニョーラ3回、コパデルレイ1回、スペインスーパーカップ3回、チャンピオンズリーグ4回、UEFAスーパーカップ3回、クラブワールドカップ4回。そしてフランス代表で2018FIFAワールドカップも優勝し、キャリアで通算19個ものタイトルを獲得しています。ちなみにフランスが優勝したユーロ2016ではヴァランは怪我で欠場となっています。

ここからはそんなヴァランのプレーの特徴について解説していきます。

(1)守備面の特徴

ヴァランの守備は身体能力の高さを活かしたプレーが特徴です。スピードは全CBの中でトップクラスであり、それを活かしたカバーリング範囲の広さが最大の武器です。足の速いFW相手でも簡単には走り負けず、カウンター攻撃も1人で処理することもできます。また、191cmと長身であり、空中戦の強さも持っています。特に前からのボールには滅法強く、相手のロングボールは確実に跳ね返します。

もう1つの特徴は前で潰す意識の高さです。ライン間で楔を受ける選手に対して素早く寄せることができます。また、降りて行くFWにポジションを外してついて行く場面も見られます。しかし、前に出た時の対人の強さは飛び抜けて強いとは言えません。ヴァランが前に出た時に外されたり、ひっくり返されてそこからピンチになる場面は時々あります。下の画像は昨シーズンのCLアタランタ戦2ndlegの後半21分30秒の場面です。ここでは、ライン間にいる選手の意識が強すぎて背後のFWをフリーにしてしまいました。
前に出て裏のスペースを使われることもありますが、足が速いため高い位置でひっくり返されても大抵は追いつきます。

また、この前に出る守備はコンビを組む相手によって使い分けている印象があります。S.ラモスはより積極的に前に出て潰しに行くため、ヴァランがカバーに回ることが多くなります。対して、ミリトンは前に出るよりもカバー役の方が得意なため、ヴァランが潰し役になることが増えます。このようにカバーと潰しのどちらの役も担えることも特徴です。

(2)ビルドアップ面の課題

ここからは、現代のCBには欠かせないビルドアップの解説です。ヴァランのビルドアップ面の特徴は両足を偏りなく使えることです。メインは右CBですが、両足を使えるため左CBもこなせます。また、3バックでも右左真ん中の全てで起用できます。

両足を使えますが、ヴァランのビルドアップ能力は高いとは言えません。低くはないですが、より能力が高いCBはたくさんいます。ヴァランは前線へのロングボールや楔のパスよりも、安全に近くのSBやCBへのパスを選択することが多いです。時折、精度の高いロングボールを蹴ることもありますが、安定感はなく、そのままラインを割ることも少なくはありません。また、簡単なパスミスからカウンターをくらう場面もあります。

最大の課題は判断力です。プレス耐性があまり高くなく、強くプレスをかけられると、マークにつかれ厳しい状況のSBにパスを出してしまったり、プレスをかけにきた相手を外そうとしてタッチが大きくなりボールを奪われることがあります。下の画像は(1)と同じアタランタ戦の5分50秒の場面です。ここではアタランタはレアルマドリードの右サイドに圧縮して守備をしています。GKからパスを貰ったヴァラン(5)は相手のプレスが来るまで少し余裕がありました。この時、左に持ち出していればスペースのある逆サイドに展開できました。ヴァランは左足も使えるため左足でサイドを変えられたはずです。しかし、右に持ち出したため相手の狙い通りにサイドに追い込まれ、右WBのL.バスケス(17)への厳しいパスになり、ボールを奪われました。この場面はヴァランにとっても少し厳しい状況ではありましたが、このような状況判断力が最大の課題となります。

また、コンビを組む相手によってパフォーマンスにムラがでます。レアルマドリードではS.ラモスやナチョと組むと安定しますが、ミリトンと組むと比較的不安定になることが多いです。自分がディフェンスリーダーになるよりも、脇役になる方が良いのかもしれません。ユナイテッドではマグワイアと組むことになると思います。おそらくディフェンスリーダーとなるのはマグワイアの方なのでS.ラモスと同じような良いコンビとなると思います。

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