見出し画像

[試合分析]ロシアvsスロバキア~ロシアの新たな挑戦~[W杯欧州予選グループH第7節]

ジュバってもしかして代表引退した?

スタメン

(1)忙しいIH

ロシアは敵陣での守備時は4-3-3の形を取ります。スロバキアのCBに対してはWGのザハリャンとバカエフが対応。SBへボールが出た時にはIHのエロヒンとクジヤエフが出て対応します。IHがSBに引き出されると中盤の枚数が減ってしまうので、ロシアとしてはなるべく避けたいところ。そのためにはWGがCBに外のコースを切りながらプレスをかけることが必要になります。しかし、この試合のロシアの両WGは外のコースを切りきれず、(外を切る約束事がないようにも見える)簡単にSBへと通させてしまいました。

こうなると忙しくなるのはIH。中盤→SBという動きを繰り返さなければなりません。特にロシアの前半のボール支配率は27%。ほとんど休みのない中でこの動きを繰り返すのは余計苦しくなります。

さらにロシアのプレスを苦しめたのがスロバキアのハムシクとクツカの2ボランチ。ここに対してロシアはCFのスモロフがつく役割になっていたと思いますが、2人の動きによってほとんど対応できていませんでした。

ハムシクとクツカは基本的には斜めの関係になっていましたが、その上下を固定せず入れ替えることでスモロフはマークに着ききれず。また、SB裏に降りて行ったり、スモロフを挟むような立ち位置を取ったりなど揺さぶりを続けたことでビルドアップの出口となっていました。

(2)4-3-3、5-4-1可変

この試合の1番の注目ポイントはロシアの可変を使った守備。敵陣ではそのまま4-3-3の形でプレスをかけに行きますが、自陣に引いて守る時にはアンカーのバリノフがCB間に下がって5-4-1の形になりました。これは9月の試合では使っていなかった形なので今月からの新たな戦い方だと思います。しかし、前半はこの可変式の守備は上手くいっていたとは言えませんでした。

その原因の1つとしてあるのがバリノフがCB間に下がるかどうかの判断の部分。基本的にはスロバキアがロシア陣内に入ってきたらCB間に下がっていましたが、そのような状況でも前に出て行く場面も何度かありました。その1つの例が42分20秒の場面。この直前でバリノフが前に出てプレスをかけに行きその後戻りきれず、CB間に一瞬スペースができて、そこに侵入したドゥダ(8)にクロスを通されました。

後半からロシアは戦い方を変更。前半よりも前に出て行かなくなり5-4-1で引いて守るようになりました。まさにゴール前にバスを停める戦い方でした。バリノフも出て行かずにCB間に留まることが徹底されるようになりました。

自陣に引きこもるようになってさらに効果が増したのが前半から見せていたカウンター攻撃。ちなみにロシアの得点は自陣からのカウンターからでした。ボールを奪ったら3トップが一気に前線へ。そこにIHも絡んでスロバキアの脅威となりました。後半だけで自陣でボールを引っ掛けてから相手のゴール前まで運んだロングカウンターが7回。あと1点2点入ってもおかしくない内容でした。

注目選手:ドミトリ・バリノフ

今回取り上げる注目選手はロシアのドミトリ・バリノフです。ロシアの可変守備の最重要ポジションであるアンカーを務める選手です。敵陣での守備ではIHと同じ高さで中盤の役割。自陣ではCB間に下がってCBの役割。ビルドアップ時にもCB間に降りてサポート。さらに試合途中からは選手交代でIHへとポジションチェンジ。1人で何役こなすのかという活躍でした。可変守備はまだ未完成だと言えます。完成度を上げて行くにはバリノフが最も重要な選手なので、今後の活躍が非常に楽しみになる選手です。

試合結果

FIFAワールドカップ欧州予選グループH第7節

ロシア 1ー0 スロバキア

【得点者】
ロシア
 24'オウンゴール

最後までご覧いただきありがとうございました。DAZNさん視聴期限もっと長くして下さい🙇🏻

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?