~日本人マルタサポーター第1号がマルタ代表を分析する記事~[W杯欧州予選グループH]
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~日本人マルタサポーター第1号がマルタ代表を分析する記事~[W杯欧州予選グループH]

日本人マルタサポーター第1号です。俺の方が先だ!って人いたらすいません。

第7節 マルタvsスロベニア

スタメン

(1)ビルドアップを封じるスロベニア

マルタの低い位置でのビルドアップにはGKも参加します。左右のCBがサイドに開き、中央にGKと中CBで最終ラインは4枚。中盤はボランチの2枚で、前線が3トップ+両WBの5枚。4-2-5のような形になります。(WBは3トップよりも低めの位置にいることが多い。)

このビルドアップをスロベニアはほぼ完璧に封じてきました。サイドに開いたCBには両SHが対応、ボランチ2枚にはトップ下とボランチ1枚がつきます。GKと中CBにはCFがその中間に立ってコースを遮断します。ここでCFが1枚でGKと中CBの2枚に対応できるため、後ろは5(3トップ+WB)対5(4バック+ボランチ1枚)の数的同数で守ることができました。

(2)マルタの華麗なプレス回避

スロベニアの守備によってビルドアップが上手くいかない展開が続いたマルタですが、何度か華麗なプレス回避を見せてくれました。

まずは3分の場面。CBのぺぺが前を向いてボールを持った時にCFのモンテベッロが選手間に顔を出して縦パスを受けます。そのタイミングで右WBのJムボングが内側に絞ってきて落としをもらい敵陣までボールを運びました。

次に39分の場面。サイドに開いていた左CBのマスカットが中盤までポジションを変えてマークをズラしてボールを受けました。マスカットのマークについていたのは右SHのイリチッチですが、中盤までついて行くとスロベニアの右サイドが空き、マルタの左WBへのパスコースができてしまうためついて行くことができず、マークにズレが生じました。

このように華麗なプレス回避を見せることもありますが、これらはその場面ごとの選手のアイデアで出来ているものが多いように感じます。組織として色々な形を持っていればよりビルドアップがスムーズになると思います。

注目選手:ムボング兄弟

マルタの注目は兄ジョセフと弟ポールのムボング兄弟です。ジョセフの方は、9月の記事で紹介しているので一言でまとめると、マルタの中でダントツで上手いです。Jリーグで見てみたい。ポールの方は、この次のキプロス戦で触れる内容ですがビルドアップに対する前線からのサポートが一番だと思います。下がりすぎてしまうことも多々ありますが。しかし、簡単なパスやトラップのミスが結構見られるので、そこの精度をもっと上げて欲しい!

試合結果

2021.10.9
FIFAワールドカップ欧州予選グループH第7節

マルタ 0ー4 スロベニア

【得点者】
スロベニア
 27'イリチッチ
 49'スポラル
 60'イリチッチ
 67'シェスコ

第8節 キプロスvsマルタ

スタメン

(1)マルタの苦手な展開

第8節のキプロス戦は両チームとも3-4-3のシステムのミラーゲーム。キプロスは前線から人について守備をしてきます。人につかれると弱いのがマルタ。この試合も6分に自陣でパスがズレたところからボールを奪われて先制点を与えてしまいます。マルタが人につかれると弱い理由として、1つは単純に選手の質が高くないこと、もう1つは前線のサポートの距離と位置があげられます。

マルタのビルドアップで多く見られるのが、最終ラインから前の選手へ中近距離の浮き球のパスです。このような浮き球のパスになってしまう原因は、サポートに降りてくる前線の選手が相手選手の間に顔を出せていないことがあります。降りてきても相手の背後に隠れているため、グラウンダーでは繋げず、浮き球になってしまうのです。また、サポートの距離も遠いことが多いように感じます。浮き球のパスを収めて攻撃に繋げるというのは当然難易度が高いです。これができるのはこの世界でルカクぐらいです。まずはここを改善しないと、繋げずに自陣で奪われる場面は減らないと思います。

(2)繋ぐために蹴る

この試合でマルタに足りなかったのは最終ラインから繋ぐ技術だけではなく、ロングボールを蹴ることでした。キプロスは人についてくるため、WBは高い位置を取ってマルタのWBにつきます。そうすると裏にスペースができます。ここにもっとロングボールを蹴ってもよかったと思います。13分に一度サイドに開いた右WGのグレックがキプロスの左WBの裏に抜け出してゴール前まで侵入する場面がありました。(下の図)

この場面はわずかにオフサイドになってしまいましたが、キプロスの守備陣はヒヤリとしたはずです。しかし、ここ以外に裏を取る場面はほぼありませんでした。

裏を取る展開を何度も作ると、キプロスはそれを警戒してWBは高い位置を取りづらくなります。WBがWGにピン留めされる状態になるのです。そうするとマルタのWBがフリーになる場面が増え、パスを繋ぎやすくなります。

ロングボールを蹴るのはマルタの戦い方には反していることかもしれません。しかし、自分たちのやりたいプレー、つまり後方から繋いでのビルドアップをしやすくするためにも、ロングボールを蹴ることは必要だったと思います。

注目選手:ザック・マスカット

今回取り上げる注目選手はマルタのCB、ザック・マスカットです。モヒカンでゴツい体というパワー系の見た目ですが、ライン間に正確な縦パスを通したりと意外と器用な選手です。かと思えば相手選手2人の間に突進していくドリブルのような見た目通りのプレーも見せてくれます。

試合結果

2021.10.12

FIFAワールドカップ欧州予選グループH第8節

キプロス 2ー2 マルタ

【得点者】
キプロス
 6' パプリス
 80' P.ソティリウ

マルタ
 53' マスカット
 90+8' デガブリエレ!!

最後までご覧いただきありがとうございました。マルタは上手くいかないことの方が多いですが、それでも辞めずに繋いでいこうという姿勢が良いですね。みなさんもマルタ代表の試合ぜひ見てください!

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