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イプスウィッチ×リヴァプール〜多彩な手札を見せつけて〜[プレミアリーグ第1節]

24-25シーズンのプレミアリーグが開幕。DAZNが手放して以来2シーズン追えていなかったのですが、今季からはU-NEXTで追っていきます。

ということで開幕は昇格組イプスウィッチ×新生リヴァプールからです。

メンバー

イプスウィッチ
チャンピオンシップ2位で23年ぶりのプレミアリーグ昇格を決めたイプスウィッチ。いきなりリヴァプール、マンチェスター・シティとの連戦で開幕。システムは4-2-3-1。知ってる選手は元ユナイテッドのトゥアンゼベくらい。あとベンチにカルヴィンフィリップスがいる。

リヴァプール
9年間指揮をとったクロップが退任。スロットの元で新たな船出となったリヴァプール。だが、新戦力は0。なので見慣れたメンバー。遠藤はベンチ。

前半

リヴァプールは4-2で保持。左SBのロバートソンはペナ幅でファンダイクの隣。右SBのアーノルドはボールの場所によって中盤と右SBを行き来する形。左右非対称気味。

スロットリヴァプールのビルドアップにおいて強く意識されていると感じたのが、中盤がボールホルダーにプレスに出ている相手の斜め後ろのポイントに立つこと。斜め後ろのポイントに立つことで相手のラインを超えて前進を図る。

ファンダイクやロバートソンが持ったときにはフラーフェンベルフとマクアリスターがポイントに現れて、イプスウィッチの1stプレスを超える。また、クアンサーが持ったとき、アーノルドはサイドに開けば内側のソボスライ、内に絞れば大外のサラーへと奥の選択肢を与える形も見せた。

13:00

ただイプスウィッチの迎撃により前線4枚は前を向かせてもらえない。また、縦パスに応じて列を上げるサポートが間に合わずに、結局ボールがビルド隊まで戻ってしまう場面が多かった。

対して高い位置から強気なハイプレスに出ていくイプスウィッチ。2トップのデラップとチャップリンがCBにCHを背中で消しながら向かう。

1:00

CHの監視に出るのはCHのルオンゴとモーシーではなく、WGのハッチンソンとバーンズ。2トップの中切りプレスとWGのCH監視で中央を封鎖。SBにボールを誘導してからWGがSBに出ていく。CHのマークはルオンゴとモーシーに受け渡し。

また、イプスウィッチのプレスも左右非対称気味。右はCHのマークをモーシーに受け渡し、バーンズがSBに出ていく形が基本。対して左はルオンゴがSBまで出ていくことも。ここら辺の理由は選手のカバー範囲に広さとか。もっと試合を見ないと分からない。

両WGがサイドを捨てて、CHのマークからにスタートすることで同サイドに圧縮してプレスをかけていくイプスウィッチ。ボールサイドとは逆のSBを捨てて、WGがCHのマークにつくことで相手の前線4枚に対して、4バック+余ったCHの5枚で守ることができる。

4:30

それ以外でもCHは後ろに待機する形となり、ライン間を閉じることができるため、相手のロングボールに対してバックラインとCHで挟み込んで回収ができやすくなるとか。そこら辺の狙いも考えられそう。

ミドルサードでは4-2-4の形でブロックを作るイプスウィッチ。2トップがCHを背中で消し、両WGも内側に立ち中央封鎖。前線4枚がコンパクトに並ぶ。

7:20

また、イプスウィッチのCHはバックラインとの距離が近め。そのため、リヴァプールからすると1stラインを超えれば、CHが反転できる環境。反転で前を向いたCHはWGのバーンズ、ハッチンソンの背中から進んでミドルシュートなり、サイドに展開するなりの形は確認できた。

ビルドアップで上手くいかないリヴァプールは24分辺りからアーノルドとフラーフェンベルフがCHとなる3-2ビルドに変更。2トップに対して後方3枚を作り、イプスウィッチのマーク設定をずらしにかかる。

この修正への対応が素晴らしかったのがイプスウィッチ。3-2ビルドを見たらプレスを一度ストップして、前線4枚をコンパクトに並べて中央封鎖。そしてルオンゴが5人目としてプレスに参加する形を確認。バーンズとハッチンソンのどちらかを押し上げて同数で再度プレス開始。

34:00

チームとしてやることの目線がめちゃくちゃ揃っているなと感じた場面。単独で突っ込むやつがいない。

守備からリズムを掴みんだイプスウィッチ。前半中盤辺りから徐々に保持の時間を増やしていく。リヴァプール相手でも臆せず繋ぎにチャレンジ。右サイドからの前進を中心に試みる。

イプスウィッチの保持

4-2+GKがビルド隊となり、リヴァプールのプレス隊を誘い込む。右WGのバーンズは高い位置でサイドに張りロバートソンをピン止め。WGーSB間を広げて、その間にトップ下のチャップリンが現れてボールを引き出す。

このとき、逆のWGのハッチンソンは絞ってきてトップ下役。CFのデラップは左ハーフスペース。左の大外はSBのデイヴィスが独占して上下動。そこにルオンゴとデラップが絡んで三角形を作る。

対してリヴァプールはジョタとソボスライが縦関係となり4-2-3-1で被保持。こちらも高い位置からプレスに出る。ジョタはCB間を切りながらプレスをかけてサイドを限定。トップ下のソボスライはCH間、サラーとルイスディアスがCHの脇に立つ初期配置。

34:30

ここからジョタの限定に合わせてスライド。形は違えど、イプスウィッチと同様に同サイド圧縮をかけていく。サイドに流れるチャップリンに対してはマクアリスターがついていき完璧に抑え込む。この辺りの強度は流石リヴァプール。イプスウィッチの誘引を上回り前進を許さない。

後半

昇格組のイプスウィッチが勇敢さを見せて0-0で前半終了。お互いに保持の局面で良さが出て、ビルドアップでは上手くいかなかった前半。ただ、リヴァプールは裏抜け一発でハイラインの背後や、多少強引にでもプレスをひっくり返すなど速攻で点は転がってきそうな雰囲気。

リヴァプールはクアンサーとコナテを交代して後半へ。クアンサー、ベンチであんな露骨に不貞腐れてる選手初めて見た。

頑張れ!!

47分に右サイドに流れたソボスライがフリーでパスを受けて、ルイスディアスまで大きな展開。カットインからのミドルシュートを豪快に外す。

47:00

58分には交代で入ったばかりのベンジョンソンに内側のマクアリスターと大外のロバートソンで2択を突き付けたところから左サイドを突破。ルイスディアスのマイナスの折り返しに遅れて入ってきたソボスライがシュート。

58:00

ソボスライはブロックされたが、こぼれ球をマクアリスターがシュート。これもブロックされたが、セカンドを拾ってアーノルドのクロスにフリーでジョタが合わせるがギリギリ枠の外。後半開始から決定機を連発する。

そして60分に先制点。アーノルドのスルーパスにサラーが抜け出して、ジョタが流し込む。

フラーフェンベルフがハッチンソンの背中で受けたことで2人を引き付けてアーノルドをフリーに。イプスウィッチのマークがずれ始めたところを突いた。

そして4分後に追加点。今度はファンダイクのロングボールにサラーが抜け出す。最後は自分の前に転がってきたボールを押し込んだ。

イプスウィッチは前半から危うかった裏ケアの甘さから2失点。ここは今後も擦られそう。

2点リードとしたリヴァプールはフラーフェンベルフをアンカーとした4-1-2-3で保持に変更。サイドから進んだときにサポートに入る枚数が増えたことで、イプスウィッチは人を捕まえきれなくなり、後ろ向きで受けたWGから並行サポートorレイオフを駆使してゴールに迫る。

70:00

リヴァプールが形を変えたことでアンカーのフラーフェンベルフが捕まらないイプスウィッチは2トップを縦関係にすることで対応。しかし、CB+GKをCFが1人で見張る形となり、ボールを奪えずサイドの限定もできず。同サイド圧縮をかけられなくなる。

ピッチ広くボールを動かしながら残り時間を過ごして試合終了。リヴァプールが24-25シーズン&新体制を白星スタートで飾った。

おわりに

リヴァプール、前半は苦労しながらも後半は圧倒して白星。初陣から保持では4-2、3-2、4-1といろいろな形を使えて手札は多そう。あとはハイプレスの完成度は監督が変わろうと継続。保持・被保持ともに仕込めそうな監督といった印象。
ちょっと気になったのはクアンサー。交代したあと明らかに納得してない顔がカメラに抜かれてたが、ビッグクラブに来て選手との向き合い方は難しい面があると思うので、そこから崩れないといいなといったところ。

イプスウィッチもいいチームでした。後半は息切れを起こしたけれど、前半の姿は勇猛果敢。個人的には10番のチャップリンが注目。プレスバックも欠かさず穴を空けない連続守備は見事でした。

試合結果
2024.8.17
イプスウィッチ 0-2 リヴァプール
ポートマン・ロード・スタジアム

【得点】
リヴァプール
60' ジョタ
64' サラー


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