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[FC東京]アルベルトーキョー大展望[チーム解説]

史上最高のリーグ2位とルヴァンカップ優勝をもたらした長谷川監督がシーズン途中に辞任し、4年間の長谷川政権が終わりを迎えた2021シーズンのFC東京。2022シーズンからはアルビレックス新潟のアルベル・プッチ・オルトネダ氏の就任が決定しました。

今までとは全く異なるタイプの監督の下で2022シーズンのFC東京は大きな変化を迎えます。この記事ではアルベルトーキョーを大展望していきます。

(1)アルベル監督とは?

アルベルト・プッチ・オルトネダ

生年月日:1968年4月15日
国  籍:スペイン・カタルーニャ州

指導者としてのスタートは1984年。その後2003年までにスペインの4クラブでコーチを務めます。2003~2014年までバルセロナのスカウト、アカデミーコーチ、アカデミーディレクターを務め若手選手の育成に携わります。この期間には久保建英やアンス・ファティを発掘し下部組織に引き入れています。初めてトップチームの監督となったのが2020年のアルビレックス新潟です。新潟での1年目は10位、2年目は序盤は首位でしたが最終的には6位に終わりました。そして2022年からFC東京の監督に就任します。

(2)アルビレックス新潟データ分析

(2)では2021シーズンのデータからアルベル監督の新潟を分析していきます。なお、データはFootball labを参考にしています。各データ項目の定義は下のリンクからご覧ください。

まず攻撃面のデータを見ていきます。

アルビレックス新潟チームスタイル指標
左の数字→指数(リーグ内の偏差値)
%→該当の攻撃がシュートに至った割合
アルビレックス新潟スタッツ

画像1枚目の指数で高くなっているのが敵陣、自陣ポゼッションです。平均のボール支配率61.3%、パス数637.4本はリーグ1位、また平均クリア数17.3本は最下位となっています。これらからわかるように後方からパスを繋いでゲームを支配し、手数をかけて攻めるのが新潟のスタイルです。FC東京と新潟の最大の違いがこの速攻か遅攻かという点です。この点をショート・ロングカウンター指数、AGI(Approach Goal Index)のデータから見ていきます。

ショートカウンター→ミドルサードもしくはアタッキングサードの後方でのボール奪取から10秒以内にアタッキングサードを狙った攻撃
ロングカウンター→ディフェンシブサードでのボール奪取から15秒以内にアタッキングサードを狙った攻撃
https://www.football-lab.jp/pages/team_style/
AGIとは?
「攻撃の際にどれだけ相手ゴールに近づけたか」を表す指標
(1)攻撃時間のうち、相手ゴールに近い位置でボールを持っていた時間の割合が高い
(2)攻撃が始まってから、敵陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が短い
場合に高い評価となる
https://www.football-lab.jp/pages/kagi/

まずFC東京のショートカウンター指数は55、ロングカウンター指数は59でそれぞれリーグ9位と3位、AGI52.6は5位と高い数値となっています。AGIに関しては川崎の59.4や横浜FMの55.8のように相手ゴール近くでのボール保持でも高くなりますが、FC東京の敵陣ポゼッション指数は41(18位)と低い数値です。つまり「AGIとは?」の(2)により高い数値となっていると考えられ、この3つの数値からなるべく時間をかけずにゴールに迫る狙いがあると考えられます。

対して新潟のショートカウンター指数は39、ロングカウンター指数は41でそれぞれリーグ最下位と20位、AGIは47.1は18位と低い数値となっています。敵陣ポゼッション指数が高いにもかかわらずAGIが低いことから、最終ラインから繋いで手数をかけて相手を崩していく狙いがあると考えられます。これらのデータから両チームの最大の違いは根本的な攻撃の狙いにあることがわかります。

話を新潟のデータ分析に戻して次はシュートのデータを見ていきます。平均シュート数12.4はリーグ11位、また敵陣ポゼッションにおけるシュート率21.4%は14位であり、ボールを持ってもシュートまで行けていないことがわかります。ですが単純にシュート数といっても遠くから積極的に打つチームは多くなり、ゴール近くまで侵入するまで打たないチームは少なくなります。新潟のようにポゼッションスタイルだとボールを大事にするあまり、シュートの積極性が低いことも考えられます。そこでエリア別のシュート本数と割合を計測しました。それが下の表です。

エリア別シュート本数と割合
GA→ゴールエリア PA→ペナルティエリア

最上段が新潟、2段目からはJ2のシュート数上位3チームの京都、磐田、山形、最下段がFC東京です。この結果を見ると他のチームとPA外からのシュート割合はほとんど変わっていません。このことから新潟のPA外からのシュートの積極性は低くはないことがわかります。集計していて遠目から多くシュートを打っている試合もありましたし、実際に試合を見ていてもシュートを打たない印象はありませんでした。つまり遅攻になることで相手に守備ブロックを作られてゴール前を固められた結果、シュートまで行けていないと言えます。しかし総得点61、シュート成功率11.3%はともにリーグ6位であり、少ないシュートで効率よく点を取れているとも考えられます。

次に守備面のデータを見ていきます。

攻撃回数→ある特定の状況において例外はあるものの、ボールを保持してから相手チームに渡る、もしくはファウルやボールアウトで試合が止まるまでの間を1回の攻撃とする
被ゴール期待値TOP5

ボールを保持するスタイルであることもあって、被攻撃回数106.4と被シュート数8.9はリーグ1位であり、被チャンス構築率(シュート数÷攻撃回数)は4位となっています。また、被ゴール期待値0.933は2位、総失点40は6位と守備の数値は全体的に高くなっています。唯一低いのが被シュート成功率で10.2%は17位となっており、シュートは打たれないが打たれると高い確率で決められることがわかります。ですが、失点シーンを見てみるとGKとの1対1の場面が多く、新潟のGKのシュートストップの能力が低いという印象はありません。失点の内約を見ると、40失点の内15%の6失点がスルーパスからの失点です。この15%というのはJ2の中で最も高い割合であり、ディフェンスラインの背後を取られやすいと考えられます。

それ以外のデータとしてまず勝敗を支配率で分けて見ると下の表のようになります。このように成績は支配率が低い時の方が良くなっています。ポゼッションを志向するものの、持たされると勝率は下がり得点も取れなくなっています。

最後にアルベル体制1年目の2020シーズンと2年目の2021シーズンを比較して見ていきます。

まず大きく変わっているのがチームスタイルの部分です。1年目に対して2年目はポゼッションの指数が大きく伸びています。平均ポゼッション率は55.7%(5位)から61.3%(1位)、1試合当たりのパス数は542.6(6位)から637.4(1位)に上がっています。これによって攻撃回数、シュート数は減少していますがゴール数、シュート成功率は高くなっています。そして大きく向上しているのが守備面で失点数は55から40に減少し、被ゴール期待値も1.106から0.933に下がっています。
また、フォーメーションに関して1年目は4-2-3-1だけではなく3-4-2-1など5つのシステムを採用しましたが、2年目は42試合中40試合で4-2-3-1、2試合で4-4-2とシステムを固定しています。メンバー選好も1年目はスタメン出場数が30試合以上の選手が3人だったのに対して2年目は8人と増加しています。この8人という数字はリーグ最多です。

ポゼッションスタイルに関しては落とし込まなかったのか落とし込めなかったのかはわかりません。ですがFC東京でも1年目はスタイルを大きく落とし込まずに試行錯誤に充て、2年目からフォーメーションやメンバーを固定し、ポゼッションに大きく取り組む可能性が高いと考えられます。

(3)アルビレックス新潟試合分析

(3)では試合から新潟の攻撃、守備を分析していきます。39節愛媛戦~42節町田戦の4試合を見ての分析となります。

攻撃面

まずは攻撃面の分析です。フォーメーションは4-2-3-1、攻撃時にはここからボランチ1枚が下がり最終ラインを3枚、残りのボランチが中盤に1枚、そしてSHが内側に絞ってSBがサイドで幅を取る3-1-5-1の形を取ります。そして2列目とCFによる中央からの崩しが新潟の攻撃の中心となります。

ビルドアップ
中央から守備ブロックの中に侵入するために新潟のビルドアップには次の2つの注目点があります。

①SBが立ち位置の高さ
②相手が2トップの場合のボランチの1の立ち位置

まず①についてです。新潟のSB(正確にはサイドで幅を取る選手ですが長いのでSBと表記します)はサイドで相手SHを引き出せる高さに立ちます。SBがこの高さでサイドで幅を取り、相手SHを引き出すことでSH-ボランチ間のゲートを広げることができます。ゲートが広がることで3バックからハーフスペースに縦パスのコースができ、ここに内側に絞ったSHが顔を出してパスを受けることで守備ブロックの内部に侵入できます。この時のSBの高さが低すぎると相手SHとの距離が遠すぎるため、SHが出てこなくなり引き出すことができません。逆に高すぎると3バックとの距離が遠くなるため相手SHはパスが出てからの対応でも間に合うため引き出すことができなくなり、またカットされるリスクも高くなります。そのため、SBは高すぎず低すぎない最適な高さを取ることが意識づけられています。

次は②についてです。ボランチの1が相手の2トップの間に立つことで、2トップにマークを意識させて中央に寄せることができます。中央に寄れば3バックの左右のCBの前にはスペースができるため縦パスをライン間の2列目に通せたり、ボールを持ち運ぶことができるようになります。

新潟のビルドアップ①

もう1つのビルドアップのパターンとしてSHがボランチの脇に降りてボールを引き出す動きがあります。このSHに対して相手がついてこない場合、2トップのラインを超えてさらにボールを運ぶことができます。逆に相手ボランチなどがついてきた場合、それによってできたライン間のスペースにCFやトップ下が顔を出してボールを受けたり、相手を動かしてさらにギャップを作り出すことができます。このSHの動きは相手が1トップなどでボランチを消してきても、その脇で起点を作ることができるためより有効になります。

新潟のビルドアップ②

これらのパターンを使い、横方向へボールを動かしながら相手の守備ブロックを揺さぶりギャップを作り出すのが新潟のビルドアップの特徴です。

GKのビルドアップへの関わり
ビルドアップ時にGKはフィールドプレーヤーのようにビルドアップに大きく関わることはありません。そのため中盤の選手の足元へのパスや前線への長距離のフィードの正確性は必須ではなく、そのようなボールを蹴る場面もあまりありません。それよりもビルドアップのリセット地点としての役割がメインとなります。最終ラインでボールを回している間に相手のプレスがハマって来た時に、前線への長いボールよりも一度GKに下げてリセットしてからまたビルドアップを再開するのが新潟の戦い方です。そのためGKにとってはプレス耐性の高さが必要になります。低い位置でリセットした状況で相手が二度追いでGKまでプレスに来た時でも、落ち着いてフリーのCBやSBを見つけて近・中距離のパスを出せるかが非常に重要といえます。

中央からの攻撃
ビルドアップで作り出したギャップに顔を出すのが2列目とCFです。この4枚が近い距離感を取ることで1枚がギャップで縦パスを受け、それによって相手が動いてできたスペースに次の選手が顔を出すといった感じの連動性の高い攻撃が魅力の1つです。加えて新潟の中央攻撃においてはドリブルを使うことも多く、使用率はリーグ2位の高さです(下図)。個人と組織の両方で崩す形があるからこそ相手は対応が難しくなり、中央攻撃時のゴール率は3位となっています。

また、新潟の攻撃において意識づけられているのが選手の立ち位置です。例えば、基本的にサイドに張る役割はSBですがSHがサイドに開いたときにはSBが内側のレーンを取る、またはボランチがポジションを上げてSBが3バックの一角に入るなどポジションを入れ替えながらも全体のバランスは崩れないようになっています。

攻撃が機能しなくなる相手としては1つが中央を固められた場合です。(1)で書いたようにボールを持たされるとシュートまでたどり着けずに勝てない傾向にあります。もう1つが前から強くプレスをかけられた場合で、その例が最終節の町田戦です。この試合では町田(4-4-2)の2トップとSHで3バックを、ボランチの1を相手ボランチの縦スライドで抑えられるなど、縦にスライドして選択肢を消してくる守備に対応できずに攻撃が機能しませんでした。

町田ゼルビアの新潟対策

このようなアルベル対策にどう対応していくかが課題となりそうです。

守備面

続いて守備面の分析です。新潟の守備の特徴の1つがネガティブトランジション(攻→守の切り替え)の速さです。ボールを奪われたらまずは1枚がプレスをかけて相手が整う前に奪い返します。しかし何もかも前から奪いに行くことはなく、1度回避されたら全体で引いて守備ブロックを整えます。この行くときと行かないときの判断が全体で統一されていることが安定した守備に繋がっています。

次に敵陣での守備に関してです。相手のボール保持時に守備のスイッチとなるのがCBへのプレスです。ここにプレスをかけるのが2トップ(CFとトップ下)またはSHです。2トップはボランチのコースを消す内切り、SHはSBのコースを消す外切りでプレスをかけます。これに連動してボランチ以降も前に出て近い距離の相手を消して、選択肢を限定していきます。

また、自陣に引いたときのニアゾーンのケアに関して、新潟のCBは基本的にはPA内からは出ていかずにゴール前を固めます。そのためSBがサイドに引き付けられたときにはボランチとSHで役割を分担しながらニアゾーンをケアします。ニアゾーンを相手のFWや中盤が狙う場合にはボランチが下がって対応、SBがインナーラップをして狙う場合にはSHが戻って対応します。このようにSHには守備時にしっかり自陣に戻って守備をすることが求められます。

ニアゾーンのケア

(3)FC東京予想布陣

ここからはアルベルトーキョーの布陣を予想していきます。メンバーは12月27日時点の所属選手です。

赤字→新加入選手

ゴールキーパー
正GKとなるのは仙台から新加入のスウォビィク、2林が怪我から復帰できれば2番手となるでしょう。現状の4人が揃えばJリーグ屈指の強力なGK陣になります。

右サイドバック
アルベルサッカーではサイドに張る役割のほかに内側のレーンも取れるのが理想。その面で内外を取れる内田を1番手でしょうか。守備面では中村帆高が頭1つ抜けており、攻撃面が落とし込まれれば1段階上の選手となります。また鈴木、中村拓海もアルベルサッカーには合った選手であり、4つ巴のスタメン争いを誰が制するか注目です。

センターバック
中心となるのは来季も森重。配給力に優れておりアルベル監督の下でも絶対的な存在となります。相方となるのは名古屋から新加入の木本。この2枚でどれだけパスを配給できるかが来季のFC東京を左右しそうです。

左サイドバック
右SBでも起用された小川ですがSBがサイドに張ることを考えると左SBでの起用に戻ると予想。右SBに回るとしたら長友の方になりそうです。また今季デビューした佳史扶がどれだけ成長するかにも注目。

ボランチ
今季は安部と青木のコンビで固定されたボランチ。守備の強度を考えればこの2枚で申し分ないですが、配給力を考えるとどちらも優れているとは言えません。そのため、安部or青木+誰かとなるのが理想。現状のメンバーから考えると三田や品田あたり。特に三田がボランチに入った場合、SHがサイドに張ったときに、低い位置に小川、ハーフスペースに三田と適材適所を保ちながらスムーズにポジションを入れ替えることができます。守備の安定を考えれば青木ですが三田、品田にはそこを脅かすような活躍に期待したいところです。また、青森山田からの加入が内定している松木が1年目からどれだけ争いに食い込んでくるかも注目。

右サイドハーフ
右SHで最も注目なのが紺野。(3)で書いたように中央攻撃ではドリブルの使用率が高くドリブラーの紺野はアルベルサッカーに非常に合う選手であり覚醒が期待されます。控えとしては田川、三田、内田あたり。田川はCFの枚数が多いためSHとしても勝負したい。

左サイドハーフ
左SHは渡辺凌磨。サイドから中央へ絞ってのプレーが得意であり紺野と並んで覚醒を期待したい選手です。東は控えに置きましたが両SH、トップ下、ボランチと多くのポジションをカバーしてくれる存在。2021年はピッチ内外で批判されましたが2022年は巻き返してくれるでしょう。また、ブラジル人トリオを同時起用するとしたらSHに入るのはDオリヴェイラが適任だと考えます。3人の中では最も守備の貢献度が高く、SHの守備のタスクをこなせる選手です。

トップ下
攻撃面を考えればレアンドロが中心。3年目で周りとの連携が上がれば相手にとってさらに脅威となります。問題は守備面で素早い攻→守の切り替えなどアルベル監督が求めるタスクを施行できるかが不安な部分です。実行できないようであれば高萩がスタメンを奪う可能性も十分にあります。

センターフォワード
1番手はDオリヴェイラ。狭いエリアでの周りとの連携、守備でも期待できアルベル監督の下でもエースストライカーとして活躍するでしょう。注目なのがアダイウトンの起用法。今季はSHで大活躍を見せましたが、アルベルサッカーのSHの内側に絞って狭いエリアでのプレーはアダイウトンの得意なプレーとは言えず、SHの守備のタスクをこなせるかも不安があります。そのためCFでの起用となるかそれとも戦術を変えてSHで起用するかが注目点です。永井はスペースを消されスピードが活かせない状況でのプレーに適応できるかが序列を上げるためのポイント、守備面では攻撃陣で最も適応できるでしょう。鳥栖から新加入の山下は今季のFC東京にはいなかったタイプでありDオリヴェイラに次ぐ得点源として期待できます。

(4)補強ポジション

現状のメンバーを見ての補強ポジションが次の4つです。

FC東京補強ポジション

ゴールキーパー

今季31試合に出場した波多野は安定感を欠き失点は増加。またアルベルサッカーではGKにも足元の技術も求められますが波多野、児玉、林と全員その部分には不安が残ります。セーブの安定感、足元の技術に優れたGKが理想の補強となります。

Pick Up Player

獲得決定:ヤクブ・スウォビィク

所  属:ベガルタ仙台→FC東京
生年月日:1991年8月31日
出  身:ポーランド
成  績:37試合61失点

セービングに非常に優れたGKであり、セーブCBP(チャンスビルディングポイント)ではガンバ大阪の東口に次ぐ第2位です。体勢を立て直すのが非常に速いため、セーブした後のこぼれ球にもすぐに反応してはじき返すことができます。加えて足の運びも速くファーサイドへのクロスからのシュートにも正面に入りセーブできるのも特徴です。しかし、仙台が繋ぐサッカーをしないことを踏まえても足元は上手いとは言えず、プレス耐性を上げられるかがFC東京での課題となりそうです。

センターバック

今までのFC東京とは異なり高いビルドアップ能力が求められるCB。しかし、渡辺剛は海外移籍の噂、ウヴィニは外国人枠の問題があり、岡崎と蓮川は安定感の面でまだレギュラークラスとは言えません。森重の相方となる配給力に優れたCBを1~2枚補強したいところ。

Pick Up Player

獲得決定:木本恭生

所  属:名古屋グランパス→FC東京
生年月日:1993年8月6日
出  身:静岡県
成  績:32試合0ゴール0アシスト

最大の長所は競り合いの強さで自陣空中戦の偏差値はリーグ6位の78.4という高い数値です。また、FC東京の補強ポジションであるCBとボランチどちらもできるのもチームにとって大きなプラスになります。ビルドアップ能力に関して長短のパスの精度は高いですが、プレスにきた相手に対してボールを隠すように持ちがちという印象があります。この持ち方だと相手が追い込みたい方向に自ら行ってしまいます。その一例が浦和戦の57分40秒の場面です。(下図)まだDAZNで見れるのでぜひ。この部分がアルベル監督の下で改善されれば、憧れの森重真人と共に不動のレギュラーとなります。

コンバート:小川諒也

これは補強ではないですが選択肢の1つとして考えられるのが小川のCBへのコンバートです。守備の強度が高く、身長183㎝と空中戦も問題ありません。キックの精度も高く、FC東京にはいない左利きCBとして攻守両面で計算できます。長友のコンディション、佳史扶の成長次第では十分に考えられる起用法です。

ボランチ

CBと同様にパスの供給役としての役割が求められるボランチ。現状のメンバーではその役割を担えるのは三田や品田、また東や高萩を一列下げるなどですが絶対的な存在とは言えません。配給力・展開力に優れたボランチが必要になります。

Pick Up Player

噂:ジョアン・シミッチ

所  属:川崎フロンターレ
生年月日:1993年19日
出  身:ブラジル
成  績:25試合0ゴール1アシスト

まさに配給力・展開力を持ち合わせたボランチ。左足での正確なサイドチェンジ、楔のパスで試合をコントロールします。身体を左サイドに開いた状態から捻りを入れて縦・斜めに通す楔が特徴の1つです。また、ボール奪取の偏差値78.6はリーグ1位の数値であり守備面でも貢献できる選手です。

加入内定:松木玖生

所  属:青森山田高校→FC東京
生年月日:2003年4月30日
出  身:北海道

最大の武器は得点力。今回の高校サッカー選手権では5試合で4得点。3年間で15試合10得点をあげました。
心配な点は志向するサッカーの違い。青森山田のサッカーはロングボールをFWに当ててこぼれ球を松木が拾うというもの。なのでアルベルサッカーのライン間でパスを引き出すようなプレーはほとんどありません。この違いに適応できるかが注目です。

2列目

他のポジションと比べて若干層が薄い2列目。また、東や高萩などベテランも多くレアンドロも突然いなくなる可能性あり。狭いエリアでのプレーが可能な技術の高い選手が理想の補強となります。

Pick Up Player

噂:高木善朗

所  属:アルビレックス新潟
生年月日:1992年12月9日
出  身:神奈川県
成  績:42試合10ゴール14アシスト

J2アシスト王。ライン間でボールを引き出してから周りを活かしつつ時にはサイドに流れて精度の高いクロスで得点を演出します。データを見ても攻撃の数値は全てハイレベルであり、アルベルサッカーの中心人物です。

高木のチャンス ビルディング ポイント

噂:本間至恩

所  属:アルビレックス新潟
生年月日:2000年8月9日
出  身:新潟県
成  績:32試合5ゴール6アシスト

日本だけでなく世界が注目するドリブラー。右のアウトサイドを中心とした非常に細かいタッチのドリブルで相手に飛び込む隙を与えず、飛び込んできても素早い切り返しで左右どちらにもかわすことができます。シュートの振りも速く、周りを使うパスセンスも高い選手です。

センターフォワード

Dオリヴェイラは13得点を挙げたものの田川は5得点、永井は2得点という状況。そのDオリヴェイラも毎シーズン突然点が取れなくなることがあり、彼以外の得点源が欲しいところ。

Pick Up Player

獲得決定:山下敬大

所  属:サガン鳥栖→FC東京
生年月日:1996年3月13日
出  身:福岡県
成  績:32試合9ゴール0アシスト

ボックスストライカータイプのCF。184㎝の長身を活かしたポストプレーが持ち味。また、シュート部位を見ると右足・左足・頭と偏りなく使えるのも長所の1つです。右利きながら今季の公式戦10ゴールは左足6点、右足3点、頭1点と左足でのゴールが最も多くなっています。FC東京が苦手とする浦和レッズに対して2試合で3ゴール挙げているのも心強いポイントです。不安なのはリーグ戦9ゴールの内、後半戦に記録したのは1ゴールのみな点。来季は1シーズン通しての活躍に期待。

山下のシュート部位

(5)おわりに

FC東京にとって2022シーズンは大きな変化・挑戦となります。そのため来季は勝てない試合、上手くいかない試合は増えると思います。サポーターに必要なのは我慢です。結果でネガティブになるのではなく、試合の内容やチームの成長でポジティブになりましょう!

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