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~レアルマドリードから学ぶ~サッカーの参考書

レアルマドリードの試合を見ていると参考になる技術がたくさん見られます。そこでこの記事では今も選手として活動している方に参考になるような場面をレアルマドリードの21-22シーズン全試合から抜き出して解説していきます。試合分析のような「組織」よりも「個」に焦点を当てた解説です。

この記事は今シーズンが終了するまで2か月に1回更新されていきます。月末から月初め辺りで更新すると思いますので見にきていただければ幸いです。更新のお知らせはtwitterの方で行います。

選手のみなさんのプレーの向上に少しでも貢献できればと思います。ぜひサッカーの参考書として活用してください。

8、9月版

ラリーガ第4節 レアルマドリード対セルタ
72'カマヴィンガ(RMA)
〜味方のドリブルコースを作るランニング〜

中盤でボールを受けたモドリッチがそのままドリブルで持ち運びシュート。弾いたボールをカマヴィンガが押し込みます。
カマヴィンガ(25)の外側に開く動きで相手を引きつけたことで、モドリッチ(10)がドリブルで中央突破できるコースができました。

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映像で確認↓1分23秒〜

ラリーガ第6節 レアルマドリードvsマジョルカ
29'ミリトン(RMA)
〜相手を動かす持ち運び〜

ミリトンからの縦パスをベンゼマが落としてアセンシオへ。1対1を落ち着いて決めました。
ミリトン(3)は斜めにボールを持ち出してフェバス(6)を横へと動かすことで中央のベンゼマ(9)へのパスコースを作り出しました。この時、まっすぐ持ち出していたら、ベンゼマへのコースは切られたままでした。

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映像で確認↓ 3分12秒〜

ラリーガ第6節 レアルマドリードvsマジョルカ
55'カマヴィンガ(RMA)
〜味方のシュートコースを作るランニング〜

中央でボールを持ったアセンシオが相手を外してミドルシュートを決めました。
この時、カマヴィンガ(25)がアセンシオ(11)の後ろから上がってきて外へ走ったことでババ(12)を一歩引きつけシュートコースを作りました。この動きが無ければババにヴァリエント(24)との間を閉められてシュートコースは無かったでしょう。

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映像で確認↓ 5分00秒〜

ラリーガ第1節 アラベスvsレアルマドリード
56'モドリッチ(RMA)
〜相手にブロックさせないボールの置き方〜
ショートコーナーからモドリッチがクロスを入れてニアに飛び込んだナチョが合わせました。
ここで注目なのがクロスを上げる前のモドリッチのボールの置き所。大きめのタッチをいれて対峙している相手が足を出しても届かない位置にボールを置くことで、クロスをブロックされずにニアにボールを入れることができます。

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映像で確認↓ 3分22秒〜

ラリーガ第2節 レバンテvsレアルマドリード
73'ヴィニシウス(RMA)
〜視界から消える裏への抜け出し〜

自陣でボールを奪ったカルバハルからカゼミロ→ヴィニシウスと高速カウンター。抜け出したヴィニシウスがGKとの1対1を制しました。
ヴィニシウス(20)はまずミラモン(20)の背後にポジションを取り、斜めに走ってパスが出るタイミングでDFの前に入り裏に抜け出しました。ミラモンからは背後のヴィニシウスの動きが見えていません。そのためスタートが一瞬遅れ置き去りにすることができます。

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映像で確認↓ 3分50秒〜

ラリーガ第4節 レアルマドリードvsセルタ
24'ベンゼマ(RMA)
〜動かずにフリーになる〜

カゼミロから逆サイドのバルベルデへ。折り返しをベンゼマがボレーで決めます。
バルベルデ(15)へボールが渡った時、ベンゼマ(9)はゴール前に入らず、その場から動きませんでした。DFはDFとGKの間を埋めにいくため、マイナス方向にいたベンゼマは動かずにその場にいれば自動的にフリーになることができるのです。

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46'ベンゼマ(RMA)
〜ベンゼマの得意技〜

ミゲルのクロスからベンゼマがヘディングで決めます。
ベンゼマ(9)はクロスに対してDFの背後で合わせています。DFとしてはマークについているつもりですが、背後を取られているため競り合うことができていません。これに関してはそこにピタッと合うクロスの精度が要求されます。このポジショニングをベンゼマは得意としています。

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映像で確認↓1点目:0分28秒〜
      2点目:0分58秒〜

10、11月版

ラリーガ第8節 エスパニョール対レアルマドリード
83’ アザール
~マークにつかれない飛び出し~

ヨビッチ(16)とベンゼマ(9)の2トップが前線に張ることでエスパニョールの2CBがピン止めされています。それを見たアザール(7)が2CBの間に飛び出していくことで相手はマークにつききれずにフリーで落としを受けてシュートまで繋げました。

映像で確認↓ 1分42秒〜

ラリーガ第10節 バルセロナ対レアルマドリード
32’ ヴィニシウス
~目線を動かす展開~

カウンターからのアラバの先制点の場面。ヴィニシウス(20)は直接フリーのアラバ(4)へ渡すのではなく、一度右のロドリゴ(21)へ展開します。それによってピケ(3)とEガルシア(24)の目線を変えることでアラバがよりゴールに近い位置でよりフリーになりました。ここで直接アラバに渡していたらサイドでEガルシアとの1対1となっていました。

映像で確認↓ 25秒〜

ラリーガ第11節 レアルマドリード対オサスナ
49’ カルバハル
~カウンターへの対応~

コーナーキックから相手のカウンターでアビラ(9)が抜け出します。この時カルバハル(2)はアビラとゴールの角度、クルトワのシュートストップを考えてモンカヨラ(7)へのパスコースを切ることを優先しました。おそらく内側に入ってきたらボールホルダーに行く考えだったと思います。結局上手く通されましたが、、、

映像で確認↓ 1分33秒〜

ラリーガ第12節 エルチェ対レアルマドリード
73’ モドリッチ
~ライン間を取るポジショニング~

モドリッチがライン間で縦パスを受けた場面。メンディ(23)からカゼミロ(14)にパスが出て、そこにマスカレル(21)が出たタイミングで入れ替わるように右サイドから左のハーフスペースへ。早すぎず遅すぎずベストなタイミング。

ラリーガ第12節 エルチェ対レアルマドリード
73’ ヴィニシウス
~スピードを落として置き去りに~

1つ上と同じ場面。モドリッチ(10)のスルーパスに抜け出したヴィニシウス(20)。ボールをさわる前にスピードを落とすことで相手を引き付けます。十分に引き付けたところでスピードを上げて大きめのタッチを入れ、ワンタッチで相手を置き去りにしました。

映像で確認↓ 3分51秒〜

ラリーガ第14節 グラナダ対レアルマドリード
25’ クロース&モドリッチ
~2対1を作るコーナーキック~
グラナダはショートコーナーに対するマークを付けず。それを見てクロースは素早くリスタートしてモドリッチへ。出てきたネバ(15)に対して2対1を作りよりゴールに近い位置からクロスを上げることができます。クロースのオフサイドにならないような走りも重要。このコーナーキックは簡単に数的優位を作ることができ、チームで準備しておく価値あり!

ラリーガ第14節 グラナダ対レアルマドリード
25’ ナチョ
~ゴール前でのポジション取り~

1つ上と同じ場面。ショートコーナーからクロース(8)がPA内でボールを持ちます。この時ナチョはマークについていたゴナロン(4)に軽く体をぶつけてフリーになりニアサイドで合わせました。ゴール前でのFWのような駆け引き。これは画像では伝わらないのでぜひ映像で見てほしいです。

映像で確認↓ 1分07秒〜

ラリーガ第15節 レアルマドリード対セビージャ
57’ カルバハル
~味方をフリーにするポジショニング~

ミリトン(3)とモドリッチ(10)でパスを交換している場面。最初は低い位置にいたカルバハル(2)は高い位置までポジションを上げます。ここにSBのアクーニャ(19)を引き付けられSBーCB間が広がり、フリーになったアセンシオが抜け出すスペースができました。流石カルバハルという動きです。好き。

映像で確認↓ 3分03秒〜

おわりに

今回はここまでです。8、9月からいくつか変更点があるのでまとめます。

10、11月の変更点

  1. 毎月更新の予定でしたが、それでは1回の更新場面が少ないため2か月に1回に変更しました。

  2. 8、9月は得点場面のみでしたが、今回からyoutubeのDAZN、リーガ、WOWOWの公式チャンネルの中から抜き出しています。

  3. 並び方をポジション順から月順に変更しました。その方が途中から見やすいと思うので。完成したらポジション順に戻します。

今回は8場面を追加に全部で15場面となりました。自分はセビージャ戦のカルバハルのプレーが好きです。皆さんのお気に入りのプレーはどれですか?12月以降もお楽しみに!!

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