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キプロスvsロシア~ロシアの多彩な攻撃と脳筋なキプロス~[W杯欧州予選グループH第5節]

今回はいつもとちょっと違う形でまとめてみます。

試合概要

メンバー

前半:修正合戦

キプロスの守備の狙いは前節のマルタ戦と同じ。中央をコンパクトにして相手をサイドに誘導し、サイドから侵入してきたところをWBが縦スライドで対応するというものでした。マルタ戦では1人いなくなるまではこの守備は機能していましたが、ロシア相手には通用せず、5分にいきなり閉じていたはずの中央を突破されて先制点を奪われます。

キプロスの守備の狙いはマルタ戦と同じでしたが、形は少し変化がありました。マルタ戦の守備ブロックは敵陣では5-2-3、自陣に引く時は5-4-1でした。対してロシア戦ではミドルサード辺りから5-4-1になっていました。それによってCFの脇のスペースでロシアのCBが持ち運べるようになりました。先制点はまさにそのCBの持ち運びから生まれています。

CBのディヴェイェフ(3)がCFの脇のスペースからドリブルで持ち運びライン間のスモロフ(9)へ縦パスを通します。この時、キプロスのカスタノス(20)がロシアのバリノフ(8)へのパスを予測し一歩寄ってしまったのでSHとボランチの間のゲートを通されてしまいました。パスを受けたスモロフはドリブルでCBパナイオトゥ(13)を引きつけ、上がってきたエロヒン(21)へスルーパス。エロヒンが豪快にゴール左上隅に叩き込みました。

先制点を奪われ、その後も中央を閉じきれなかったキプロスは17分頃から守備を修正します。ライン間で受けようとするロシアのIHに対してCBがマンツーマン気味について行くようになりました。これによってSHーボランチ間のゲートは封鎖。ロシアは縦パスを通せなくなりました。

ライン間に通せなくなったロシアはクーリングブレイク後に攻め方を変更します。それまであまり無かったディフェンスラインの背後へのロングボールを使い始めます。IHについてきたCBの背後のスペースに3トップが走り込みそこにロングボールを蹴るようになりました。

このような戦術的駆け引きも見られた前半は1ー0でロシアがリードして終了します。

後半:反撃は力任せ

後半もロングボールを使いながら攻めるロシアに対してキプロスはなかなかゴール前まで運べません。3バックと2ボランチでビルドアップするキプロスにロシアは3トップと中盤でプレスをはめこみます。SBにはWGが外切りでCBにプレスをかけることで対応します。キプロスがゴール前まで進めるかは選手が1対1に勝てるかに依存する形でした。どこかの島国みたい。

そして54分にロシアがまたも中央を突破して追加点を取ります。得点シーンで効果的だったのが後半頭から投入された左WGジェマレトジノフのポジショニングです。ジェマレトジノフ(19)がキプロスの右SBと右CBの間に立つことで2人をピン留めします。ライン間で受けるIHに対してはCBがマンツーマン気味で対応していましたが、右CBのカテラリス(5)はピン留めされたため出て行けずにライン間でゴロヴィン(17)がフリーになりました。

2ー0となった後もキプロスは攻め込めず。結局チャンスを作れないまま試合終了となりました。ただスタッツを見るとロシアのシュート9本に対してキプロスは16本。十分攻め込めているように見えます。しかし、この内ほとんどが遠目から無理やり打ったようなシュートであり、枠に入ったのも16本中わずか3本。守備は試合中に修正するなど対応できていましたが、攻撃は力任せなキプロスでした。

注目選手:フョードル・スモロフ

今回取り上げるのは注目選手はロシアのフョードル・スモロフです。ロコモティフ・モスクワに所属する31歳のCFです。この試合ではゴールはありませんでしたが2アシストで勝利に貢献しました。前線で起点を作るプレーに優れており、1点目のようなライン間で受ける動き、また自分が動くことで味方をフリーにする動きも見られました。キャプテンのジュバが呼ばれていない今回のロシアにおいて代わりに前線で起点を作ることができる選手となっています。

試合結果

2021.9.5
FIFAワールドカップ欧州予選グループH第5節

キプロス 0ー2 ロシア

【得点者】
ロシア
 5'エロヒン
 54'ジェマレトジノフ

最後までご覧いただきありがとうございました。9月の欧州予選も5/9が終了。半分を突破しました。残り4本もぜひよろしくお願いします。

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