2022/12/25

地味に体調を崩している。ここ数週間、目の充血と痒みが止まらない。アレルギー性結膜炎か、細菌性結膜炎の可能性が高いらしい。これはいつもの事だが、身体も何処となく怠い。眼医者に診てもらったが、原因不明なので、体調が変わらないようであれば再受診するように言われた。年の瀬に限って最悪である。終わり悪ければ全て最悪。このように身体の統制が取れていない状況に陥ると、自分の身体を構成する各パーツが固有のリズムでガチャガチャと騒めき立てるような不快感が全身に纏わりついたような気持ちになる。健康は諧調にあり。いっその事、『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する「目玉のおやじ」のように、私の両目が私の顔面から飛び出して自由にその辺を跳ね回ってくれればいいのに。

さて、この身体の乱調が、私の筆の乱調さにスパイスを加えてくれる事を祈り、備忘も兼ねて今年1年を振り返ってみたいと思う。雑駁ではあるが、以下の4項目に分けて簡単に思う所を書き綴ってみたい。

  1. 仕事

  2. 購入して良かったもの

  3. 生活全般

1. 仕事

良くも悪くも喧嘩慣れした。殴られたら殴り返さなければ更に殴られるという事がようやく身に染みてきたため、主張すべき所は主張する意志を持って仕事をこなす精神性が自分の中に生じてきたように感じる。新卒で今の部署に配属されてから間もなく4年を迎えるが、新卒の頃の自分と比較すると格段に仕事の処理速度が向上したし、良くも悪くも布石の打ち方が上手くなったが、その分、組織風土全体に対して諦観を覚える機会も増えたように思われる。

ここに長居しても特段自分にメリットがあるようにも感じられないし、20代の内の方がある程度の市場価値も見込めるので、来年こそは仕事の忙しさを言い訳にせず、転職活動を見据えて情報収集を始めていきたい。とはいえ、本当はいつまでも草原に羊と一緒に寝っ転がっていたい気分である。真面目に社会人のフリを続けることにも飽きが来ている事は、誰よりも私自身が知っている。

2. 購入して良かったもの

ずばり、Kindle Fire HDである。

疲れて活字を追う気力が無くなったせいで、通勤時にスマホで資格勉強用のコンテンツを視聴する機会がやたらと増えたのだが、視聴する内にどうも画面が小さくてストレスが溜まり出した。また、通勤バッグに書籍を持ち運ぶ際の重量感も気になり始めたため、試しに購入してみた。

片手でも辛うじて操作出来るぐらいのサイズ感が欲しかったので、8インチを購入してみたのだが、通勤バックに放り込んでも全く気になる重さではないし、バッテリーも一度充電すれば3日程度は持つ。また、ブラウザもサクサク動いてくれるので、たまにAlexaの反応が悪い事以外、特段気になる点は見当たらない。そして何よりもいざ使用してみると、当初の目的である動画視聴以上に、電子書籍の利便性に今更ながら驚いた。参考書の電子版に関しては、マーキングが出来なかったりする部分に時折不便さを感じることもあるが、結局の所、重さを感じることなくタブレット一つで何十冊もの本を持ち歩ける快楽が全てに勝ってしまう気がしている。

年々、読書量が減っている気がするが、タブレットを導入する事で少しでも活字に触れる時間を取り戻せていければいいなと考えている。

3. 性

相変わらずフリーだ。婚活も恋愛もピンと来なくて、クラゲのように規範の間を浮遊している。本来は梢に止まる鳥みたいな感じで、リズミカルに枝を飛び移って最終的に夕方になったら塒に帰るような精神性でいたいのだが、どうも梢にすら止まる事が出来ない状態が続いている。長らく関係を持っているセックスフレンド以外に2人と寝てはみたが、総じてマンネリ化してきたので、思い切って性風俗を利用してみた。俗に言う男性用M性感をセックスフレンドと一緒に利用して、セックスフレンドがアナル開発されている様子を鑑賞したり、私自身も試しに女性用風俗を利用して緊縛されたり軽く首を絞められたりしてみた程度なので、その部類の中ではそこまで倒錯した行為に走った方ではないと思う。

性風俗を利用するにあたっての一番のネックは、他人の性を金銭で買う事への自分自身の中にある心理的抵抗感だったのだが、実際に踏み出してみると、そこに存在していたのはあくまで「対価を支払ってサービスを受ける」という基本形だけであって、心理的抵抗感を生み出していたのは、むしろ勝手に余計な意味付けを付していた私の方だったのかもしれないという清々しくあっけらかんとした感情が後に残った。

あくまで金銭を介するという条件付きであれば、自分の性的欲望を包摂可能な場に辿り着くことは難しくないのかもしれないという予感以上に、身体を対価に金銭を得る構図自体はどんな労働形態に就く者にも相通ずるものであるにも関わらず、性風俗従事者を大文字の構造の埒外に置いているものは一体何なのか、という問いが改めて身に染みている。もう少し何かしらの形で考え続けてみたいと思う。

4.生活全般

昨年に比べて仕事は忙しかったが、仕事の合間を縫って、わりとフットワーク軽く行動出来た1年だったと思う。長年ヘヴィメタルのコンサートはご無沙汰だったが、今年は人間椅子の公演にも参戦したし、地方まで遠征して具体美術協会(具体)の回顧展やらイヴ・クライン展やら、気になる美術展にも定期的に足を運ぶ事が出来た。フルタイム勤務に支配される緩慢かつ退屈な時間軸に潰されまいと、自分にとってのハレの時間を捻出しようとする意識を持つ事が出来たお陰なのかもしれない。

漠然とではあるが、身体がケに浸食され過ぎているせいか、生活の中にハレの瞬間を持ち込まないと心身のバランスが取れなくなってきたように思う。白状すると、酒量も増えている。もう少し、酒やサプリメントのようなツールに頼る事なく、ケの中にハレを見出す解像度を上げていく必要があるように思う。ちょうど擦れ違った散歩中の犬と目を合わせて微笑むとか、そういった偶然の蓄積でハレ成分を効率的に脳に沁み込ませていきたい。

以上、私なりに2022年を4点のキーワードで振り返ってみた。
来年も闘っていきたい。色んな意味で。おわり。

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