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弁当作りは修羅の道

人は生きるために何が必要か。答えは「人による」。そりゃそうだ。
という超つまんねークイズはさておいて、少なくとも「食べること」はほぼ全人類に該当する解答であることは間違いないだろう。

一方で、飽食時代の今日においては、食事に対する価値観が多様化していることも事実である。食べることに生き甲斐を感じる人もいれば、最低限の栄養さえ摂取できればそれで良いと考える人もいる。かく言う僕も、どちらかと言えば後者に当てはまる。極論、健康に害がなければ食べなくて良いのだ。

とは言え、飲まず食わずでは当然生きてはいけない。悲しい哉、仙豆が実在しないこの世界線では、たとえスーパーサイヤ人だったとしても定期的に食事をする必要がある。
そして言わずもがな、食べ物を手に入れるためにはお金がいる。お金を手に入れるためには働く。しかし、働けど働けどお金は減っていく。文化人として生きていくには、食べる以外にもお金はかかるのだ。ましてや、僕のようにお仕事だけでなく推し事もする者にとっては。

かくして、窮地に追い込まれた僕は、4月半ばから節約を始めた。その手段の一つが、弁当作りである。
これがまた面倒くさいのだ。自分のためだけに料理をすることが、こうもモチベーションの上がらないものだとは。

だが、御託を並べたところで弁当が天から降ってくるわけではない。とりあえず作るかと、カビゴンよりも重たい腰を上げて取り掛かった。
そこで一つの考えがよぎる。
「せっかく作るなら、キャラ弁でも作るか」
これが悲劇の始まりだった。

頭の中で考える。栄養価、色合い、使う食材、そして何より作りたいキャラクターを何にしようか。なんだ、意外と楽しいじゃないか。
「最初だし、簡単そうなピカチュウにしよう!」
そう言って男はキッチンに立った。

数分後、悲劇は起こる。

拭いきれないコレジャナイ感

完全に舐めていた。26年もの間この双眸に焼き付けてきたはずの電気ネズミは、あられもない姿になってしまった。
いや、まぁ、これが何かと問われれば「ピカチュウ」ってわかるけど、違うんだ、こんなはずじゃなかったんだ。こんな著作権侵害したみたいな結果になるなんて、思ってもみなかった。

こうして弁当作りのデビュー戦は幕を閉じたわけだが、案外と楽しいものである。その後も何度かキャラ弁に挑戦しては、一人台所でにやにやしている。

なかなか上手くできたコダック
カブトプスは破壊力が凄い
ちいかわのキャラ弁…ってコト!?
ポケモントレーナーなら誰もが通る、ディグダとダグトリオのウインナー弁当
推しの飼ってるお犬様の誕生日記念に
だいぶ疲れてる時に作ったミミッキュ

とまぁ、こんな感じで楽しく作ってきたが、だんだんとアイディアにも限界を感じており、最近は普通の弁当になっている。
不思議なもので、キャラ弁から普通の弁当にシフトすると、弁当作り自体のハードルはぐんっっっと下がる。これならもうしばらくは続けられそうだ。

今後は、栄養とビジュアルをバランス良く取り入れた上で、キャラ弁のクオリティーを上げていきたい。技術向上のために勉強をしたり、道具を充実させたりすることも考えている。こいつぁ楽しみだぜ。

この修羅の道を行く勇者に幸あれ。

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