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天気図の世界

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天気図に関する話題を取り上げ、Pythonを利用した天気図の作成方法についても紹介します。気象にある程度知識があり、事例解析などに興味がある方や、天気図を作成したい方々を対象とし…
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2021年10月の記事一覧

地上天気図解析とプロット図作成コード

地上天気図解析とプロット図作成コード

地上天気図解析の概要と、この解析のために地上観測をプロットした地図を作成するPythonのコードについて解説します。

この最後に、実行可能なサンプルコードを添付しています。説明用に示すコードは、わかりやすさ重視でそのままでは動作しません。ご留意ください。

地上天気図解析について地上天気図には、気象台や空港で観測された気圧や気温、風、雲量などの情報がプロットされています。これら観測データから等圧

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エマグラム

エマグラム

エマグラムは、対流圏の成層状況などを確認することができます。2012年につくば市で竜巻が発生した日のエマグラムを紹介し、MetPyを利用してエマグラムを作図していきます。

この記事の最後に、サンプルコードを用意しました。記事の中のコードは、わかりやすさを重視し、それだけでは動作しません。ご留意ください。

つくば市の竜巻2012年5月6日につくば市では竜巻(F3)が発生しました。軽自動車が宙を舞

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リンク集

リンク集

MetPyや天気図に関する情報入手のリンク集です。随時更新していきます。

MetPyなどの天気図作成に関するリンク集・本家本元のMetPyのページです。

・MetPyの開発者Blog。MetPy Mondays は動画で解説されています。

・xarrayのページです。データセットを作成する際に、お世話になってます。

・地図を表示する際にお世話になる、Matplotlibとcartopyのペ

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JRA-55を使った力学的圏界面の天気図

JRA-55を使った力学的圏界面の天気図

今回は、圏界面付近の気象状況を把握できる等渦位面天気図を作図します。

力学的圏界面について力学的圏界面(渦位1.5PVUや2PVU面)における温位や風、気圧を描画した天気図を作成します。この天気図からJETや力学的圏界面の高度や、圏界面の折り込みなどを確認することで、対流圏における中緯度の上層擾乱などの構造把握の参考となります。下層擾乱との相互作用としての温帯低気圧の発達においては、圏界面下降な

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JRA-55から天気図を作成する

JRA-55から天気図を作成する

これまでは、気象庁GSMのGRIB2形式のデータから天気図を作成してきました。今回は、JRA-55のデータを表示させるために、NetCDF形式のデータ読み込みについて説明します。描画のコードは前回までと変わらないため省いています。

京都大学のサイトでは、気象庁JRA-55のNetCDF形式のデータをユーザー申請するとダウンロードできるようになります。これを利用すると、1955年以降の天気図を描画

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大気の不安定の程度がわかる天気図

大気の不安定の程度がわかる天気図

今回は、大気の状態が不安定な領域を示す天気図をGSMのGPV(GRIB2形式)を利用し作図していきます。

最後に、実行可能なサンプルコードを添付します。コードの説明では、わかりやすくするために、コードの一部を切り出しています。そのままでは動作しまません。ご留意ください。

大気成層の不安定域についてこの不安定の程度を示す物理量(例えばSSIやCAPE)や、対流不安定など成層の大気の安定度の考え方

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前線など立体的に把握するための鉛直断面図

前線など立体的に把握するための鉛直断面図

今回は、鉛直断面図の作成についてです。

鉛直断面図を分析することで、ジェット気流から地上前線に連なる前線帯の構造や、大気安定度や鉛直シアに関わる空間的な変化などを読み取ることができ、平面図の天気図と合わせて活用することで、気象現象を立体的にイメージできます。

どのような現象を分析したいかで、この断面図に表示する物理量は変わります。例えば、雪なら温度が必須でしょう。前線帯の解析では温位や相当温位

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ジェット気流と上層発散を把握できる天気図

ジェット気流と上層発散を把握できる天気図

今回は、ジェット気流の簡単な説明と、ジェット気流の風速の状況などがわかる天気図の作図コードの紹介です。作成する天気図はMetPyを利用し、ジェット気流の位置と速さ、収束発散、非地衡風成分を図示します。記事の最後に、コード(Jupyter Notebook用)を添付しておきます。ご活用ください。

ジェット気流についてジェット気流ついては、気象庁ホームページに掲載されている教科書「総観気象学基礎編」

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上昇流励起を表現するQベクトル天気図

上昇流励起を表現するQベクトル天気図

今回はQベクトル の天気図について、この有用性と作図コードについてお話しします。作図する天気図は、高度と温度、Qベクトルの発散、Qベクトルを図示しています。このコードはMetPyを利用しています。記事の最後に、Jupyter Notebook用コードを添付しています。ご利用ください。

今回読み込むデータは、気象庁全球モデル(GSM)のGRIB2形式のファイルです。

Q ベクトルの天気図について

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GSMの500hPa面天気図作成 3

GSMの500hPa面天気図作成 3

今回は、天気図上に低気圧などのマークを表示する方法について紹介します。コードの説明は、図上の座標取得、GPVから極値とその位置の取得、マークの描画の3点となります。

これで気象庁が作成している500hPa面天気図と同じ内容のカラー版が作成できます。この記事の最後に、Jupyter Notebook用のコードをダウンロードできるようにしています。

図上の座標を取得する緯度経度で指定したポイントを

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