「親密で近い関係を築くのが怖い」そんな怖れを乗り越えて幸せなパートナーシップを目指す~親の機嫌に振り回されてきた人の深い傷~
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当記事は2記事の連作となっています。
第一部では相談者さんの「付き合って5年の彼の前で自分の意見を言えない」という彼軸心理と、
「彼と親密になることへの怖れ」について回答解説しました。
第二部は、第一部での私の回答に対して、相談者さんが再びご相談をくれてそれに返答しました。
第二部では特に、相談者さんの傷の背景にある「親子関係」について深く切り込みました。
連作のため「16000文字」とかなり長くなってしまいましたが全体を通して、
パートナーシップ、自分軸と他人軸、深層心理の傷、親密感への怖れ、親子関係など、深いテーマを徹底的に解説しています。
とても良い記事になりましたので、ぜひゆっくりとお読みください。
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■第一部:付き合って5年の彼とのパートナーシップを先に進めることを怖れる心理と、背景にある傷について
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【ご相談ここから】
送信者:さやかさん
いつも心の奥に染み渡る記事、ありがとうございます。
お付き合いしている彼との関係を継続するか、悩んでいます。
もし可能でしたら、ご回答いただけたら嬉しいです。
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共に20代後輩で、彼とは遠距離で5年目になります。
付き合ってから、彼へ自分の考えや今後どうしていきたいかの話をするのがとても苦手でした。
自分のことを話そうとすると言葉が詰まって泣きそうになったり、自分の考えが何も分からない(出てこない)からです。
親密感への恐れ、親との関係性が理由ではないかと思います。
最近は、自分と向き合い、自己開示を意識して、徐々に彼へ自分の気持ちを伝えられるようになりました。
そんな中、彼から結婚の話が本格的に出てきました。
自分の両親を見ていると、いつしか結婚に憧れを持てず、もし結婚して子どもがいえも、自分の理想を子どもへ押し付けてしまいそうな気がして、育てていく自信もありません。
そして、遠距離の彼と結婚するには、引越し、転職と私が全て環境を変えるしかないため
言葉に表せないプレッシャーを感じ、前向きに捉えられず、年月だけが過ぎています。
将来はこうしたいね、という話を同じテンションで話せない自分に、彼への申し訳なさを感じます。
私が彼をそこまで好きじゃないのでは、、
本当に彼で良いのだろうか、、、
ただ、これは私自身の問題で、例え相手が変わってもまた同じ悩みを抱えてしまうのでは、、などと考えてしまいます。
解決の糸口がありましたら、ご教示いただけると幸いです。
【ご相談ここまで】
さやかさん、ご送信ありがとうございます!
遠距離の彼との関係性の悩み、
そして彼と結婚についての温度感が異なるご自身への罪悪感ということですね。
一緒に考えていきましょう。
ーー付き合ってから、彼へ自分の考えや今後どうしていきたいかの話をするのがとても苦手でした。ーー
「彼に気持ちを打ち明けるのが苦手」「彼に本音を話すのが苦手」「自分の考えを言うのが苦手」というご相談は誠にたくさんいただいておりまして、彼との関係性が近づいていかない大きな要因のひとつだよねーということでたびたび記事にも書いたりしています。
「自分の考えを話すのが苦手」というのにはいくつかパターンがありまして、
ひとつは「考えがあるんだけど言語化が苦手」というもの。
要は口下手さんということですね。色々と考えてることはあるんだけれど瞬時に出てこないというか、言葉が繋がっていかないというか、そういうタイプです。
このタイプの人はそもそも「考えてること」自体はあって、しかもそれがけっこう深めで複雑だったりもするので、口ではなく、lineだとか手紙で思いを伝えたりする方が得意だったりします。
ふたつ目は「考えがあるんだけど他人軸」「考えがあるんだけど相手軸」というタイプですね。
色々と言いたいことはある、色々と意見したいことはある、伝えたいことはある、でも「悪く思われたらどうしよう」「恥をかいたらどうしよう」「嫌われたらどうしよう」等々の感情から自分の意見をセーブしてしまうことになります。
このタイプの人は決して考え無しだったり口下手だったりというわけではなく、究極原因は「他人軸」になってきますので、自分軸をつくっていく方面でのアプローチが効果的でしょう。
みっつめのパターンは「そもそも考えてることがない」というパターンですね。
彼との結婚について、ほんとうに何も意見がなかったり、何も考えていなかったり、良くも悪くも「考えてもしょうがない」「なるようになるさ」と、のんびりマイペースに構えているパターンです。
このタイプの人はそもそも「考えが何もないんです」「何も思い浮かばないんです」という悩みや罪悪感を抱えることはないですから、さやかさんはおそらくこのタイプでは無かったのだと思います笑
ーー自分のことを話そうとすると言葉が詰まって泣きそうになったり、自分の考えが何も分からない(出てこない)からです。ーー
さやかさんのパターンは多分「ひとつめ」と「ふたつめ」のミックスだったのでしょうね。おそらく。
言葉にするのが得意ではなく、泣きそうになってしまうのは「言葉にできなくて申し訳ない」という優しさだったりとか、「私には言葉にする能力がない」という自分責めだったりとか、「彼のことを想えてないから言葉にできないんだ」という無力感や罪悪感が大きかったのだと思います。
そこにはきっと単に言語化が苦手という問題もあったでしょうし、「これを言ったらどう思われる?」「これを言っても大丈夫?」「こんな発言は受け入れてもらえる?」という他人軸の問題も深かったのでしょう。
でも、
ーー最近は、自分と向き合い、自己開示を意識して、徐々に彼へ自分の気持ちを伝えられるようになりました。ーー
ということで、めちゃくちゃ素晴らしいと思います。
自分の「ほんとうはどうしたい?」という部分と向き合って考え、スモール・ステップでできる部分から彼に伝える努力をすることで少しずつ解決に向かっていってるんですね。
「言いたいことを言う」「本音を言う」というのはパートナーシップを上手くいかせるための神髄と言っても過言ではなく、よく言われる「意見のすり合わせ」や「価値観の譲り合い」みたいな話は、その先の話なのであります。
まずは他人軸を乗り越え、彼軸から卒業して、本音と向き合って「本音を相手にシェアする」というところがスタートです。
さやかさんは、ここに至るまで本当に努力されてきたのだと思います。
もしかしたら我がnoteも少しはお役に立てましたでしょうか笑
もしそうであれば、ぜひご友人や周囲の人に私Ryutaのフォローや、深刻な恋愛などの悩みを抱えてる人にはRKサロン参加をおすすめいただけましたら幸いです。
とまぁ、直球ストレートの宣伝をぶちかましたところでもっと深いところに入っていきたいと思います。
5年付き合い、「もうそろそろかな」ということで、結婚の話が出てきたは良いものの、イマイチ乗り気になれないというか、
彼と同じテンション・温度感で結婚について話せない罪悪感のようなものについてですね。
さやかさんの年齢は分かりませんが、5年のお付き合いを経ているということで「頭では結婚した方が良いと思ってるけど、心がついてこない」という問題だとも言えると思います。
背景にはドロドロしたものや、さやかさん自身の傷が見え隠れするようですが、一緒にゆっくりヒントを探していきましょう。
ーー親密感への恐れ、親との関係性が理由ではないかと思います。ーー
さやかさんの分析のとおりだと思います。
さやかさんの今回のお悩み2点。
①彼に本音を打ち明けられない
②彼との結婚に躊躇してしまう
この両者ともに、「親密感への怖れ」が深い影響を与えていると言って良いと思います。
ここは丁寧に解説していきますね。
「親密感への怖れ」とはその言葉通り、相手と親密になることを怖れる心理、あるいは、相手と深い関係になることを怖れる心理のことを言います。
「親密感への怖れ」の細かい定義の部分は今回は割愛して、今回はさやかさんの個別の事例を見ていきたいと思います。
親密感への怖れという言葉を初めて聞いた方は、こちらの記事なども並行して読んでいただくとかなり理解が深まると思います!
とりあえず、「親密感への怖れ」は、読んで字のごとく「相手と関係が近づいていくのを怖れる心理なんだよ〜」ということで、さやかさんのお悩みの解決・解説を進めていきましょう!
まず「①本音を打ち明けられない」ということと親密感への怖れの関係ですが、本音を打ち明けられない背景には親密感への怖れがあるという風に考えてます。
「彼と近づきたいけど、心の奥底ではどこか拒絶心理がある」「彼ともっと深まりたいけど、心の奥底ではそれを回避している」「彼に愛されたいけど、心の奥底では愛されるのが怖い」
そんな「両価性」で本人はとても苦しむことになります。
さやかさんの頭の中、つまり「意識上」では、「本音を打ち明けたい」「自分の考えを言いたい」「心の繋がりが欲しい」「深い関係になりたい」と望んでいるのに、
さやかさんの心、つまり「無意識」では彼と親密になることを回避しようとしているということですね。
両価性とは、頭と心の矛盾。
頭と心がバラバラになってしまっているということなんです。
「②彼との結婚に躊躇してしまう」というのも同様の原理ですが、さやかさんはここについてより具体的に自己分析してくれていますね。
いやぁ、さすがRKメンバーと言いますか、言語化力が素晴らしいです。
「自分の考えを言うのが苦手」と書いてくれていますが、「嘘やん」と思ってしまいたくなります笑
だから、さやかさんの場合はさっきも書いたように「考えが無い」とか「考えが浅い」とかではなく、
「考えが複雑で深いゆえに会話では言葉にするのが追い付かない」と言う方がきっと適切なのでしょう。
人同士の会話って想像以上に速いテンポで進みますから、深く思考していて、思考が複雑な人って会話が苦手なことがよくあります。
逆に言えば、某論破王みたいにポンスカポンスカ言語化してる(ように見える)人って、そこまで深く物事を考えていないだけだったりします。だから、某論破王みたいな人ってよくよく言葉を追ってみるとけっこう筋違いなこと言ってますし、論理破綻してますし、議論相手を人格攻撃してるだけだったり、声と身振りが大きいだけだったり、早口で主題のすり替えをしているだけだったりします。それで「論破」しているように見えてしまうのですから、それはそれで大したものです。
失礼。めっちゃ脱線しました。
「彼との結婚を躊躇してしまう」という心理の背景にある、
「親密感への怖れ」についてのさやかさんの自己分析の話でしたね。
ーー親との関係性が理由ではないかと思います。ーー
ーー自分の両親を見ていると、いつしか結婚に憧れを持てず、もし結婚して子どもがいえも、自分の理想を子どもへ押し付けてしまいそうな気がして、育てていく自信もありません。ーー
この部分です。
理屈が錯綜しててこんがらがってしまう人も多いと思いますのでシンプルに言うと、
「親との関係で苦すぎる記憶があるから、結婚して家庭を持っても上手くいかないに違いない」とさやかさんは感じているということですね。
パートナーと段階を踏んで親密になっていくごとに、そのパートナーとの関係をぶち壊したくなってしまうというケース。
当note、通称RK相談所では大変多くの類似のご相談が寄せられています。
さやかさんはこれまで、段階を踏んで彼とのパートナーシップを築き上げてきました。
遠距離ですが、5年もの歳月を彼とともに過ごしてきたわけですし、
その間多くのトラブルを乗り越えてきたのは間違いありませんし、
たくさん喧嘩もしたでしょうし、
幸せなことも悲しいことも楽しいことも、色々なことがあったと思います。
共に信頼しあっている関係だと思いますし、彼も結婚に向けて意思を固めてきています。
つまり、彼はさやかさんと一生を過ごすコミットメントをしているということです。
ーー私が彼をそこまで好きじゃないのでは、、
本当に彼で良いのだろうか、、、ーー
これについてはさやかさんご自身が、ご自身によーく聞いてみるしかありません。
でも、きっと「彼をあんま好きじゃないけど惰性でズルズル付き合ってきた」というわけではないでしょうし、好きだからこそ5年も一緒にいるのでしょうし、彼の方もさやかさんの思いにある程度共鳴しているからこそ「結婚」というワードを出してきたのではないでしょうか。
情報が足りないので断言はしませんが、私から見える印象を言えば、さやかさんは「彼を好きじゃない」のではなく、
ただひたすら「親密な関係を築くのが怖い」「彼と近づいていくのが怖い」「彼との関係が深まっていくのが怖い」ということなのだと思います。
つまり、
ーーただ、これは私自身の問題で、例え相手が変わってもまた同じ悩みを抱えてしまうのでは、、などと考えてしまいます。ーー
この想像は正解な気がします。
例えば今、彼と別れたとして、その後に出会った誰かとスルっと上手くいって、結婚して、深い関係を築いて、彼以外の誰かである夫と子どもと幸せな家庭を築いている…そんな未来を想像できるでしょうか。
その未来のさやかさんは果たして幸せでしょうか。
私の意見では、また今と同じ悩みが出てくるような気がします。
つまり、彼以外の他の誰か出会ってもきっと親密感への怖れは出てくるし、年齢やその他のあれこれでその人と結婚したとしても今の彼以上に本心を通わせるのはできないかもしれませんし、子どもができたとしてさやかさんの理想としている「押し付けない子育て」はできないような気がするんですね。
めちゃくちゃ厳しいこと言いますが、さやかさん自身がコミットをしなければ、例え相手が変わったからって、さやかさん自身は変わらないということですね。
逆に言えば、さやかさん自身が傷を癒していけば今の5年付き合ってる彼と幸せな未来を描くこともできると思いますし、それはさやかさん自身も、
ーー最近は、自分と向き合い、自己開示を意識して、徐々に彼へ自分の気持ちを伝えられるようになりました。ーー
このように、「小さな一歩」として経験済みだと思います。
もちろん、今の彼に問題があるからこそ、さやかさんの「親密感への怖れ」が深刻になってしまっているというケースも考えられ、そのあたりはもう少し色々とお聞きできればなと思うのですが、
原則論としては「彼のせい」ではなく、「自分と向き合う」を優先していった方が幸せな未来を掴みやすいのではないかと思います。
さやかさんはすでに「自分と向き合い、自己開示を意識する」という成功体験を持っていますので、その路線を強化していくということですね。
言い換えれば毎度お馴染みの自分軸というやつです、
自分軸で自分と向き合っていくなかで特に意識したいポイントは…
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