りゅうちぇるさんの死と、りゅうちぇるさんが残してくれたもの

昨日、タレントのりゅうちぇるさんが事務所で亡くなっていたという衝撃的なニュースが報じられました。報道によれば自殺の可能性が高いとのことでした。



私がりゅうちぇるさんを知ったのは10年前、りゅうちぇるさんがpecoさんと交際開始した当時よりです。
私が当時交際していた女性が原宿でよく遊んでいた古着好きで、pecoちゃんとりゅうちぇるさんを「原宿界隈のカリスマのような存在」と評していたのが印象的で知りました。

当時の私にとっては「原宿=サブカルチャーの中心地」のようなイメージでしかなく、「ふーんそーなんだー」と聞き流していたのですが、当時よりりゅうちぇるさんは見る人が見れば「とてもお洒落で可愛い人」、私のように見る目がない並の人が見れば「なんか派手で変わってる人」という感じで目立っていたことを記憶しています。

原宿でカリスマ的人気を誇っていて雑誌でも引っ張りだこ、その界隈では知らない人はいなかったという人気を誇っていたりゅうちぇるさんとpecoちゃんは満を持して地上波にも登場するようになります。
私などは「この人テレビに出る前から知ってたけどね」なんてファンでもない癖に偉そうなことをよく言っていたものですが、その絶対に被りようのない唯一無二のキャラクターで原宿のみならず全国区でも確固たる人気を得ました。



その後りゅうちぇるさんとpecoちゃんは結婚、5年前には第一子のリンクくんが誕生します。

そして2022年夏に離婚。二人の話し合いの結果「夫婦でも男女でもない、新しいパートナーシップの形」を模索していくという表明をされました。

私はパートナーシップを専門に発信しているのですが、このりゅうちぇるさんとpecoさんの大きな決断がきっかけとなって生きやすくなるカップル、パートナー、夫婦も増えるんじゃないかということをほのかに期待しました。

離婚することにより、りゅうちぇるさんは確かに法律上は「夫」ではなくなり、遠巻きに見てる人たちからは「養育と扶養の義務を放棄しようとしている」ように見えたかもしれませんが、その後のお二人の発信を見る限りではりゅうちぇるさんはpecoちゃんの「パートナー」として最大限の努力をしているように見えましたし、「りゅうちぇるは勝手気ままに女になって妻子を捨てようとしている」なんて誹謗中傷をしている浅はかで愚かな人より物質的にも経済的にも、そして精神的にもよほど「妻子」を支えていたのではないかと思います。



この二人の感性や感覚は、私を含む普通の人の数歩先を進んでいます。

それはファッションだけでなく、人生観やパートナーシップの感覚においてもきっと同じです。
そしていつの時代も、この二人のような革命的な人が古い常識を打ち破って次代を創っていくのです。



ファッションについては私はよく分かりませんが、パートナーシップにおいてこの二人が果たした役割は非常に大きかったのだろうなと思います。

りゅうちぇるさんとpecoさんは、責任を放棄しようとしたのではなく既存のシステムにおいて、既存の「家族」というシステムにおいて、幸せを模索するのは難しいと判断した上で枠外に飛び出していったのです。悲しいかな、多くの人に理解されず誹謗中傷の嵐に巻き込まれましたが。

これだけ多様性が叫ばれてる現在、もうハッキリ言って「夫婦は男女でなければいけない」という法自体が時代遅れなのです。
あるいは「男はこう」「女はこう」という性の価値観や、「世の中には男と女以外存在してはいけない」とでも言うようなマイノリティ迫害的な考え方もあまりに古く、あまりに息苦しいものです。

そんな旧態依然とした価値観こそが、今回りゅうちぇるさんを悩ませ苦しませ死にまで追いやった大きな原因だと言っても過言ではないでしょう。



今回の悲しい出来事をきっかけに、再び「誹謗中傷うんぬん」について議論されています。
しかしながら人は愚かな生き物であり、匿名性を担保するのであれば誹謗中傷はなくなりません。
誹謗中傷を無くすためには「意見するなら顔出しの実名で」ということにならねばなりません。それは現実的に難しい。よって今後も、誹謗中傷がなくなることは無いでしょう。



一方で、私たちはりゅうちぇるさんが残していってくれた大きなものに目を向け、議論を深めていかなければなりません。

りゅうちぇるさんを死に追いやった「凝り固まった人たち」からの大きな批判を呼ぶことが予想されますので、ここからはメンバー限定です。


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