見出し画像

自分の幸せを許せない「罪悪感」について掘り下げる~パートナーとの関係が深くなるほど上手くいかなくなり、心が弱る人へ~

【初めての方へ】ご挨拶とご案内。

「公式Instagram」

【RKサロン】「全有料記事」読み放題。




先日、心の深い部分の傷ということで「罪悪感」についての記事を書いてみました。


今日はさらに細かいところまで解説のうえ、癒しに向かうワークまでご紹介したいと思います。

昨日の記事を引用しつつ進めていきましょう。



ーー心理学で言う「罪悪感」は深めかつ根本的な概念になりまして、
「私は幸せになるべきではない」「私は幸せになる資格がない」「私は満たされてはいけない」という深層心理(ふだん意識できない心理)にある傷や、思い込みのことを言います。ーー



罪悪感が強いと「私は幸せになるべきではない」「私は幸せになってはいけない」「私には幸せになる資格がない」というように、自分を罰するような思い込みが強くなります。

一方で、これがとても厄介なのですが、こういった思い込みは無意識上のものですので自覚したり意識することが非常に難しいという特徴があります。

カウンセラーと対話したり、こうしてRyutaの記事を読んだりして初めて「そういった思い込みが自分のなかにあったんだ」「私は実は自分を責めてたんだ」「私は実は自分のことを”穢れた存在”だと思っていたんだ」と把握できることもしばしばです。

よくご相談いただく例で「私はポジティブな方なのですが時にとても苦しくなります」「私はコミュ力はたぶんある方で、友人も多いほうなのですがなぜか幸せを感じられません」「彼との関係は上手くいってるのですが漠然としたモヤモヤがあり、さらに前に進める気がしません」というようなケースがあるのですが、こういった、「一見幸せに向かえていそうなのに何かがストッパーになっていてモヤモヤを抱えている例」では、深層心理上の罪悪感が原因になっていることがあります。



「普段はポジティブだけど急に苦しくなることがある」という場合、もしかしたらその「ポジティブ」は、あるいは「仮面のポジティブ」だということもあるでしょう。

成長環境や思春期の環境などで、自分のネガティブ思考な部分を誰かに強く批判されたり、「もっとポジティブになりなよ」と彼氏に言われたり、「愚痴ばっかり言ってるんじゃないわよ」なんて親に言われたりなどして、ネガティブ思考でいることについて罪悪感を抱えるようになった場合、この「仮面ポジティブ」をまとうことになります。

「ネガティブな自分でいてはいけないんだ」「マイナス思考だと責められるんだ」「ありのままの自分だと嫌われてしまうんだ」という思いから、友人にはもちろん、関係が近い人に対しても自分の弱みや、後ろ向きな性格を見せることに抵抗を感じるようになるのですね。

あるいは、幼少環境で負った何らかの傷が原因で自分を罰しすぎていて、「自分を不幸にし続けるために、ずっとポジティブ仮面を被り続けている」というより深いケースの場合もあります。

もともと思考が後ろ向きな人や、もともと全くポジティブでない人にとって、無理なポジティブ思考は「拷問も同然の苦行」になります。

ゆえに、何らかのとても強い罪悪感から、その「拷問も同然の苦行」を自分に課している。「お前は幸せになってはいけないから、ずっとポジティブでいる必要があるんだぞ」と、内なる自分が自分を脅迫している。カウンセリングではそういった事例も少なくありません。

こういった内的メカニズムから「ポジティブ」になっている場合、そのポジティブさは「ありのままの自分」からはかけ離れているわけですから、そのポジティブさゆえに人間関係や恋愛関係を上手くやれていて職場で活躍するなどしても、どこかいつもモヤモヤを抱えることになりますし、時に息苦しさを抱えるようになりますし、客観的にどんなに上手くいっていてもその実感を持てず「私は全然幸せじゃない」を感じ続けることになるでしょう。

「自分を罰するために、自分にポジティブを課す」というのは、理解不能な人にとっては全くもって理解不能だと思いますが、薄々分かる人にとってはけっこう共感してもらえると思います。





パートナーシップと罪悪感の話では、先ほど例にあげた「彼との関係は上手くいってるのですが漠然としたモヤモヤがあり、さらに前に進める気がしません」というケースはあるあるだと思います。

くり返しになるのですが、罪悪感は「私は幸せになるべきではない」「私は愛されてはいけない存在だ」「私に大切にされる資格などない」というように、自分を穢れた存在として扱い、自分を罰する心理です。

この罪悪感がもととなり、パートナーシップでもさまざまな問題や生きにくさが生まれてきます。

「彼との関係は上手くいってるけど、モヤモヤしてさらに前に進めない(前に進める気がしない)」というケースについて罪悪感の側面から読み解いてみましょう。


多様な解釈をすることは可能なのですが、実際に私がセッションやnote相談でこのような悩み相談を受けたとするならば、まず前半部分の「彼との関係は上手くいっている」というところに注目します。

これは文字通りに受け取れば良いことであり素晴らしいことなのですが、性格の悪いRyutaさん流で解釈するならば、「罪悪感から、上手くいかせようと頑張りすぎてる」という風にも言えるでしょう。

根底に罪悪感があるならば、それとセットでついてくるのは「自己犠牲」ということになります。「自分を犠牲にしてでも彼に献身する」「自分のことは後回しにしてでも彼に尽くす」「自分の幸せはおいておき彼に精一杯奉仕する」…そんな自己犠牲があるからこそ、関係が上手くいってるのではないかというように見ていきます。

それは具体的な行動で言えば、共働きどころかむしろ自分の方がやや収入高いのに家事を分担せずにほとんど負担したり(彼がするのは玄関前においてあるゴミ出しをするだけ)、「もっと会いたい」「もっと電話したい」など言いたいことを丸飲みして我慢したり、彼が女友達とサシで飲みに行くことについて物申したいのにその気持ちを抑圧したり、彼の乱暴な言い方やモラチックな態度を甘んじて受けいれたり、、、など、多岐にわたるわけなのですが、とにもかくにも、罪悪感が強すぎれば「こんな私と付き合ってくれているのだから、私自身が我慢するのは当然である」というように無意識に我慢しすぎるということは容易に起こります。

そりゃ、関係が上手くいくのも当たり前ですよね笑
どちらかがイエスマンになり、どちらかが相手に尽くしまくり、どちらかが自分軸を放棄すれば、関係が上手くいかないハズがありません。

でもそれは対等なパートナーシップというよりは、「主従関係」ですよね。厳しい言い方ですが。

そんな主従関係を受け入れてしまったり、色々なSNSの発信などを見て「強い女になるぞ」「自分軸持つぞ」と意気込んだとしても、いつも結果的に我慢しがちになってしまうのは、やっぱり罪悪感が大きいんです。


さらに、ここまで読んでくれた方であれば後半部分の「モヤモヤしてさらに前に進めない(前に進める気がしない)」という部分も納得でしょう。

再三繰り返しますが罪悪感は「私は幸せになってはいけない」「幸せになるべきではない」という深層心理のことなので「関係を前に進める」ということをやっていく際の大きな大きな障壁になります。

第一に、心に罪悪感という傷があれば、先ほどから書いているようにパートナーシップでかなり自己犠牲や我慢をしがちになります。

「私は我慢すべき存在」「私は犠牲になるべき存在」ということで、「良い人」になっていくわけなのですが、それで彼との関係が表面的には上手くいく反面で、一方の面では「こんなのは私らしくない」「私はもっと自由であるべきだし、私はもっと自分らしくあるべき」という感情が、意識の表層には出ずとも無意識と意識の間をいったりきたりフワフワと泳いでいるわけです。

これが、漠然としたモヤモヤの正体の一面なのですね。

罪悪感から、自己犠牲し良い人になることを一方では望んでいつつも、もう一方では「自分を大切にしてあげたい」「自分を幸せにしてあげたい」という心理だって当然のこっているんです。
そういった心理が残っていれば、自己犠牲したまま関係を前に進めることへの抵抗が出てきて当然ですよね。

深い部分で罪悪感を抱えつつパートナーシップをつくっていくというのは、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものだとも言えるかもしれません。

一方では、自己犠牲や我慢抑圧をしつつ関係を前に進めようとしている。つまりアクセルを踏んでいる。
もう一方では、「このままで幸せになれるわけがない(つまり幸せになりたい)」と確信し、ブレーキを踏んでいる。

これでは日々メンタルが削られていきますし、自分のホンネがいったいどこにあるのか分かりません。

罪悪感を出発地点としてパートナーシップを築き始めると、このように感情の糸がこんがらがって、自分の考えてることや自分の心理を掴むのがかなり困難になってくるという特徴があります。

先ほどから私は、「一方では…」「もう一方では…」「ある面では…」「その反面で…」という風に、あっちにいったりこっちにいったりを繰り返していますが、これは私がわざわざ文章を難しくしようとしているのではなく、罪悪感から始まる感情のもつれは、こうも複雑だということなんですね。


(罪悪感のベストセラー記事)



ーー「関係を前に進める」ということをやっていく際の大きな大きな障壁になります。第一に…ーー

ということで第一の理由を解説してきましたが、理由はもうひとつあります。



第二に、「関係を前に進める」というのは具体化して言うと、「同棲する」「結婚する」「家族を築く」そして、「より深い幸せを目指す」ということになるわけですが、罪悪感が深いと「自分が幸せになることへの無意識の抵抗や拒絶が生まれるもの」だからです。

「私は幸せになってはいけない」「私が幸せになれるわけがない」というのが罪悪感的な思考になるため、幸せ像の最たるものである結婚や、出産や、して温かい家庭を築いていくことを受け入れられず、「自分にとって違和感のあるもの」「自分にとって気持ちの悪いもの」という漠然とした思いが生まれてしまうのですね。

以前、私のクライアントさんに深刻なマリッジブルーに陥ってしまった方がいて、その方はなんとプロポーズをされてから入籍するまで1年2か月もの期間がかかってしまいました。1年2か月もの間「彼と結婚すべきか否か」を悩んでいたんですね。

その方は最初、「なんとなく結婚することに抵抗があるんです」「本当に今の彼でいいのかという悩みが消えないんです」「はっきり決断できないんです」という風に言ってくれていたのですが、セッションを継続していくうちに、彼どうこうは関係なしに「私は幸せになってはいけない」「私は穢れているから彼を深く傷つけてしまう」「私の近くにいる人は全員不幸になる」という罪悪感が強すぎるということが段々見えてきました。

少しづつ癒しに向かい、最後には彼と入籍して今は幸せな結婚生活を送られているのですが、このように、罪悪感由来で「先に進めない」という場合、「彼でいいのだろうか」「結婚は早いんじゃないか」「まだやりたいことあるし」という風に、表面的には全く別の理由がでてきやすいんですね。

つまり、「罪悪感」という究極原因に気づくことは非常に難しいということなんです。





罪悪感の話は複雑になりやすいので、ここらで一旦これまでの流れを整理しましょう。


【ここまでのまとめ】

・ネガティブな人だけでなく、ポジティブな人も罪悪感を抱えていることが多い

・その理由として、自分の心を無理やり痛めつけるために「仮面ポジティブ」になっていることがある

・罪悪感を持つと、彼との関係は表面的には良好になりやすい。その理由として、自己犠牲してイエスマンになってしまっていることがあげられる。つまり、それは「仮面の良好さ」ということ

・関係を前に進められない第一の理由は、心の奥底で、今の関係の良好さは「仮面の良好さ」だということを薄々分かっていて、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態だから

・関係を前に進められない第二の理由は、罪悪感により「結婚して幸せになること」を拒絶しているから



次は「深層に罪悪感を持つにいたる根本的な理由」について解説していきましょう…



***

メンバーシップではお得に記事読み放題です。

***


ここから先は

5,504字

RKサロン【全記事読み放題】

¥5,500 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?