テレワークにUSBヘッドセットが必須という話
自分の場合、元々は「ヘッドセットって必要か?」程度に思っていたのですが、色々と購入し試しに使っていくうちに「ヘッドセットは絶対あった方がいい!特にUSBヘッドセットは必須!」と考えを改めるようになりました。
下記図は Google トレンドによる過去5年間の「ヘッドセット」の検索ボリューム推移を示したものになります。
これを見れば過去5年間で2020年4月をピークに「ヘッドセット」が過去類を見ないほどに検索されていることがよくわかります。
また2021年1月〜2月も比較的検索される傾向にあり、検索ボリュームの増減が起きている事からも、多くの人が買い求めていることが読み取れます。
これらのデータを見るだけでも如何に「ヘッドセット」に対する社会的な関心がとても高まっているかがよく分かります。
実際に2020年4月〜6月はテレワーク化の影響を受け、ヘッドセットが軒並み売り切れてしまい「ヘッドセットが買えない」「ゲーミングヘッドセットしか家電屋さんに売ってない!!」といった事態にも発展しました。
2022年3月現在、ヘッドセットの在庫も正常化しており、人気のモデルも定価でひと通り購入できるようになっています。
しかしながら...
・まだヘッドセットを購入できていない
・これから購入しようと考えている
・安価なモデルを購入し壊れてしまった...
そういった人は多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような方にとって役立つ情報をお届けします。
また執筆者はAmazon.co.jp の商品を宣伝することにより、紹介料を獲得できる Amazon アソシエイト・プログラムの参加者であり、当記事に Amazon へのリンクが含まれている場合、それをクリックし買い物をすると、当サイト(および当サイト管理人)に対して一定の収益が発生します。
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そもそも皆さん、ヘッドセットしてますか?
しかしながら、未だに Web 会議の際にヘッドセットをつけていない方は多いのです。例えば、下記のような方を見かけたりはしませんか?
自分は公私問わず、特に私で見かけます。もちろん Zoom 飲み会など、フランクな場ではそのような振る舞いでも良いと思いますが、重要な会議、商談の席では避けた方が無難ではないかと思います。
以下はヘッドセット・専用マイクを使わずに Web 会議を実施する際のデメリットをまとめたものになります。
(1)キーボード音、PC操作音が入り込む
まずヘッドセット・専用マイクを用いない場合、 PC 付属のデフォルトのマイクを使用し、Web 会議をすることになります。これ、基本めっちゃ質が低いと思ってください。まず当たり前なのですが、 PC の質を高めつつ価格を抑えて売るためにはコストカットは不可避です。当然モニターやキーボードよりも、正直人によっては使うかどうかもわからないもの、こだわる人はいないであろうものが真っ先にコストカットの対象になります。つまり、マイクは基本そんな感じです。そのため PC 付属のマイクは基本ポンコツです。
あわせてマイクの指向性について触れておきたいと思います。マイクには大きく分けて、3つの指向性が存在します。指向性とはざっくりというと、「音を拾う方位」を示します。以下はそれらの特徴をまとめたものになります。
基本的にPC付属のマイクは、「無指向性」マイクです。そのためキーボードのタイピング、操作音を拾います。特に MacBookAir 、 MacBookPro で採用されているバタフライキーワードはかなりタイピング音が目立つので、会議中に聞き続けていると、少しストレスに感じる人は多いのではないかと思います。
(2)環境騒音、生活音が結構入り込む
また基本的にあなたが聞こえている環境騒音、生活音も全て聞こえていると思っていただき問題ありません。洗濯機、電子レンジなどの電化製品が出す電子音、インターホン音などは相手にも聞こえています。これも聞いている側からしてみると、少し気が散る要因となります。
(3)音量が不安定(一定ではない)
そして意外と盲点なのが「音量が不安定」という点です。多少位置を変えただけでも、マイクの質がそこまでよくない場合は特に、音の拾える範囲、ボリュームが変わってしまいます。相手側は調整の手間が生じてしまいため、意外とストレスを抱えることとなります。
ヘッドセットをつけることによるメリット
ここまでヘッドセット、専用マイクを使わずに Web 会議をする際のデメリットについて述べてきましたが、ヘッドセットをつけることによりそれらのデメリットを解消できるほか、次のようなメリットもあります。
(1)マイクが定位置で尚且つ単一指向性
まずヘッドセットの場合、基本マイクの位置は調整可能であるものの、ユーザーが移動したとしても操作者の口元とマイクとの距離は常に一定です。またヘッドセットのマイクは基本的には「単一指向性」です。そのため環境騒音、生活音は比較的入り込みにくく、相手側にも負担がかかりません。
「イヤホンではダメなのか」という意見も多いかと思いますが、マイクの性能が高くないことが多く、有線の場合は位置もズレ安く、服ともぶつかりノイズも発生させやすいことが多いため、あまりオススメしません。また無線モデルの場合、無線由来のデメリットが非常に多く、詳細は後述しますがオススメできません。
(2)臨場感と情報量
そして個人的は「音場」「臨場感」はイヤホンよりもヘッドセットの方が感じ取りやすいように思います。ウェビナーや Web 会議では、実際の会議同様に「臨場感」を感じ取れた方が個人的には良いように思います。イヤホンでも非常に高額な一部のハイエンドモデルは別として、数千円〜数万円のイヤホンでは基本的に無機質な音声情報しか受け取ることができません。ヘッドセットはその点イヤホンよりも物理的に密閉感されていることもあり、臨場感を感じ取りやすく、また得られる情報量も圧倒的に優っています。
(3)大抵がノイズキャンセリング機能付き
そしてヘッドセットの場合、特に近年生産されたモデルに関しては大抵「ノイズキャンセリング機能」が搭載されています。つい誤解されがちなのですが、ヘッドホン側にノイズキャンセリングがついているのではなく、多くの場合、マイク側にノイズキャンセリングがついているのです。
そのためマイクが捉えたノイズ、雑音を打ち消してくれます。
高性能な単一マイクと有線のヘッドホン、イヤホンという組み合わせでテレワークをされている方も多いかと思いますが、それらのマイクにはノイズキャンセリング機能がついていないケースが多く、ノイズを拾ってしまっている可能性が非常に高いため、例え高額の機材投資をしていたとしても、結局は雑音まみれの環境で Web 会議をしてしまう可能性も十二分に考えられます。
なぜ無線モデルはダメで有線モデルが良いのか
前述した通り、 Bluetooth などを用いた無線モデルのヘッドセットはあまりオススメできません。理由としては以下の3つが考えられます。
(1)ノイズ、デバイス間の相性に左右されやすい
まずノイズ、デバイス間(ヘッドセットと PC )の相性に左右されやすいという問題があります。Bluetooth は電波を用いて近距離無線通信を行いますが、まず PC そのもの、スマホ、その他家電、 Wi-Fi 機器なども様々な電波を出しています。そして PC そのものと相性が良くない場合、途中でペアリング( Bluetooth を用いた機器と機器の接続設定)が解除されてしまったり、うまくペアリングできなかったりといったリスクがあります。公の場で使用する場合、情報漏洩リスクもありますし、単純に音量調整が困難となり、迷惑を招く可能性があります。
(2)充電切れになるリスクがある
次に、無線の場合は充電切れリスクがあります。無線の場合、基本的には充電式になります。例えば会議が想定以上に伸びてしまった場合、充電が不完全だった場合、 Web 会議中にヘッドセットが機能不全になるリスクがあります。
(3)遅滞発生リスクが不可避
そして無線モデル最大の弱点が、遅滞です。 Bluetooth の形式は最新モデル(2020年4月現在 Bluetooth 5.1)であればほぼ遅滞、音ズレが発生しません。しかし、それでも発生リスクは不可避です。 PC とヘッドセットの相性の問題で生じることもあります。特に遅滞、音ズレは聞き手にとって非常に強いストレスともなるため、確実に回避したいところです。
これらの3つのデメリットは、いずれも有線モデルであれば起こりえないものです。そのため安全に徹するためにも有線モデルを使用すること強くオススメします。
なぜUSB接続のヘッドセットが良いのか
接続についても、少し言及しておきたいと思います。ヘッドセットと PC を接続する場合、2つの接続方法があります。
ステレオミニプラグ接続、4極接続/ 3.5mmジャック接続はご存知の通り、有線イヤホンを PC に接続する際などに使用する穴と同じような穴にプラグを差し込み、 マイクとヘッドホン、それぞれの音を入出力するというものです。
近年は PC にマイク入力がそもそもないケースも多く、 USB 接続をせざるをえない場合が多いようです。
一方 USB 接続は、 USB 経由でデータを入出力するという形式のものになります。メリットとしては主に2つあります。
(1)アナログ信号を用いないためノイズが入りにくい
まずよく知られていないことではあるのですが、我々が普段操作する PC の中では同時並行で様々な処理がなされています。そのため、ノイズが常に生じています。例えば Web 会議用に Zoom を開きつつ、Google スライドを開いたりするなど。その際に PC は同時並行で情報処理をしているため、その PC の中の一箇所で、デジタル信号をアナログ信号に変換する DAC では集中して情報処理ができません。同時並行処理時に発生したノイズなどをのせてしまいがちです。極端な話、 PC を電源に接続しているだけでもノイズは発生します。
しかし、USB接続のヘッドセットの場合、そもそもアナログ信号を用いずデジタル音声を伝送します。そのためノイズが入り込む余地がないのです。
それがステレオミニプラグ接続、4極接続/ 3.5mmジャック接続と、USB接続との大きな違いです。
(2)PC 内の DAC を経由せずに済む
前述通り、USB接続のヘッドセットの場合、アナログ信号を用いずデジタル音声を伝送します。そのためUSB接続のヘッドセットは PC 内の DAC を経由しません。 USB 接続のヘッドセットは USB DAC を内蔵しているため、そちらを用いてデジタル音声を伝送します。そのため、 PC 内の DAC を経由せずに音声データのやりとりが可能なため、音質も割とマシになります。音質は少しでも良いに越したことはありません。悪いよりも良い方がいいに決まってます。そのため同じ価格で購入するのであれば、USB接続のヘッドセットの方を選ぶべきです。
Amazonで購入可能な USB 接続のヘッドセットについて
Amazon で購入可能な USB接続のヘッドセットについて、下記にて下記にて記載しておきます。まず Razer Kraken X のゲーミングヘッドセット。
ゲーミングヘッドセットの中でも他のモデルと異なり、通信相手にハウジング部分が見えにくい設計となっています。そのため、「あれ?ゲーム用のヘッドセット使ってるのかな?」という印象は持たれにくい仕様になっています。マイクにはノイズキャンセリング対応しており、音質も良く、ハウジングにボタンがついておりマイク機能のON/OFF切り替えが可能です。
業務用で、とにかく安価な USB 接続のヘッドセットをお探しなら下記2つがオススメです。
しかし2,000円以下の価格帯のモデルは非常に壊れやすく、そのため頻繁に買い換えたくない、長期のリモートワークを前提とした購入を検討している場合はゼンハイザーの USB モデルのヘッドセットがオススメです。
ゼンハイザーのヘッドセットは新品を購入すると2年保証がついてきます。音質はマイクもヘッドホンも両方とも優れており、製品の耐久性も非常に高いといった特徴があります。
自分自身、ゼンハイザーのヘッドセットを複数所持して使用していますが非常に快適です。
ゼンハイザーはゲーミングヘッドセットモデルも展開していますが、仕事用に使うのであれば「PCシリーズ」か「SCシリーズ」のシンプルで使い勝手の良いモデルをオススメします。
価格帯は4,000円台〜10,000円台が主で、複数タイプ展開されています。
少しでも質の良い音声を相手に届けたい場合は、下記の「SC 660 ANC USB」というハイエンドモデルがオススメです。
クライアント様に不愉快な思いをなるべくさせたくないため、業務用に自分はこちらのモデルを時たま使用していますが、価格もそれなりに高額なため、ご予算に余裕がある場合にオススメのモデルです。
「SC 660 ANC USB」に関しては実際に自分が使った上でのレビューや音声の比較動画などを下記別記事に詳しく書いているので、気になった方はそちらもご一読いただければと思います。
最後に
あなたが聞いている音が、相手の聞いている音とは限りません。
Bluetooth の場合、電波干渉によって自分は快適に話せているつもりでも、相手はノイズ混じりの音を聞かされていて、不快に思っている可能性があります。
自分はよく YouTube などで、 YouTuber たちの喋りをよく聞いています。彼らの中には非常に「話術」「人柄」に優れているため、機材にそこまで投資せず、それでも人気を博している人が多く散見されます。ところがそれは「話術」「人柄」あってこそ。
一般人が新規顧客にセールスをしたり、コミュニケーションを試みる際に、ノイズてんこ盛りな Web 会議で商談を持ちかけられても、例えば乗り気であったとしても聞いていて気が滅入るかもしれません。初回の印象としても最悪です。
また自身が決済権者や社内の重役であっても、ノイズまじりの音声で問題ないという認識の方は「自分が価値ある発言を出来ない人間である」と認めているようなものです。
人間が外部から情報を取得しようとするとき、五感を用います。人間の五感のうち、通常目から入る情報、つまり「視覚」は全体の約8割をしめています。
しかし Web 会議では「視覚」はリアルの会議に比べて有効に機能しにくくなりがちです。自分はそのため、人は次点である聴覚(1割みたいです)の割合を高める傾向にあるのではないかと考えています。
だから音質は特に大事なんです。
また耳障りなノイズが入ってきてしまうと、やはり神経質な人ほどどうしても気になってしまうのではないでしょうか。そしてそこに気がつき、対応できる人はそれほど多くないようにも思います。そして「その差」がビジネス上の大きな差を産み出すことに繋がることは多いにありえる話です。
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