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【書評】「デラックスじゃない」マツコ・デラックス

こんにちは。リコです。

私が今回読んだ本は、マツコ・デラックスの単行本が文庫化されたものです。

*この本を選んだ理由。
 私がこの本を選んだ理由は、マツコ・デラックスという人間に興味があったからです。本屋さんをで必要な本を探している時に、この本を見つけました。マツコ・デラックスといえばテレビ番組で、人に対して的確でキレのあるコメントを言うイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。私は、マツコデラックスは「自分という人間をしっかりと持っているメンタルが強い人」というイメージ持っていました。それに加えてオカマ(マツコデラックスが本中で自分のことをオカマと読んでいたのでそう表記したいと思います。)ということもあり、どんなことを思ってどんなことを感じて日常を生きているのかが気になったのです。そのイメージが180度変えられる内容となりました。

*本の内容。
本では、マツコデラックスがどのような経緯で今の仕事についているか、日常生活、最近のSNSについて、今のマツコデラックスを作ってきた過去の出来事や、考えていることが書かれていました。漠然と彼女を「すごい人だ」と感じてた私の気持ちは、間違いでなかったです。この本を読んでさらに彼女のことをもっと知りたいと思いました。マツコデラックスに興味がある人はもちろん、マツコデラックスが嫌いな人にも読んでほしい一冊です。

*感じたこと。考えたこと。
この本を読んで、印象に残った部分が3つあります。

①マツコの人間性
「基本的に怠け者のアタシが頑張ることができるのは、「きょうはダルいから行きたくない」と逃げちゃうといろんな人に迷惑がかかるから。逃げたとき、頭に思い浮かぶのはテレビ局のおエライさから怒られる事務所の社長の姿だけじゃない。テレビ番組って、収録のときにアタシの周りにいる人たちだけで作っているわけじゃないよね。収録したものを寝ないで編集している人がいるし、番組をスポンサーに売るために汗かきながら営業する人もいる。こういった会ったこともない人たちも、何らかの形で携わっているのかと思ったら、「ああ、逃げられないな。手は抜けないな」と思うんだよね。」

マツコデラックスが仕事に対して考えていることの一文です。この感覚って、仕事やアルバイトをしている人なら当たり前に持っているものだと思うのですが、改めて言語化されると皆さんの心にもしっくりくるのではないでしょうか。自分の行動で誰かに迷惑がかかることをしっかりと想像できる力は大切だと思います。忘れがちなことですが、忘れてはいけないことだと思います。これを見て、一番に思い浮かんだのが私の大好きな「あひるの空」というバスケットボールの漫画の一部の内容です。

「監督が車を買ってくれていたでしょ?先生が言ってたんだけど、アレって練習で遅くなった子達を送るためなんだって。分かんないけど大人が車を買うのって大事だよね?それってすごいことだよ。
私達はずっと自分のために頑張ってきたんだと思ってた。ーーーーや、実際にはそうなんだけど、でもその裏で支えてくれる人がたくさんいて、監督はもちろんマネージャーや一年生や…そーゆう一つ一つの”想い”に今は応えたい。」

私はこの言葉が大好きです。高校でバスケをしていた私には、身にしみてわかる言葉です。この言葉を見た時に、高校時代の自分自身のバスケット生活を思い出しました。私も自分たちが勝つためにずっと頑張ってきたと思っていましたが、この言葉が心にぐっとくるのは支えてくれている人がいることをどこかで感じていたからなのだと思います。誰かが関わっていること、どこかで自分を支えてくれる人がいること、そしてそのことに行動で感謝の気持ちを示すことは大切です。マツコデラックスの一文が、その気持ちを思い出させてくれました。

②ありのままの自分でいることの大切さ。
マツコデラックスは自分で、最初テレビに出始めた時は、無我夢中でとにかくこの世界から振り落とされないように必死だったと言っています。
「とにかく「自分がつまらない人間だと思われたくない」という思いで、無我夢中に話していた。しかし、それが活字になって社会に出た時冷静になって読んだときに「コレ、アタシの言葉じゃない」と思った。「アタシ、何に対して媚を売ってるんだろう」て自問自答したの。」

それから、話を盛ることをやめたマツコ。読者や視聴者には誠実であり続けたいと思ったのだそうです。そして今でもあの頃発言した言葉達を後悔していると言っています。そして、その後引きこもり生活を経験しながらも、嘘をつくことを辞めた今の姿で人気を博していくのです。ありのままの自分でいることの大切さを感じるとともに、自分や周りに嘘がつけない彼女の素敵な人間性を知ることができました。

③マツコの言葉が響く理由
テレビを見ていても彼女のコメントは、的を得ていて面白いなあと感じることがとても多いです。この本を読んで知ったのですが、マツコデラックスは昔、編集者やコラムニストでした。マツコ自身は、「男でもなく女でもないアタシは誰からも敵に思われないから素直に面白半分で言葉が刺さるのね」と言っていました。確かにそれはマツコの発言する言葉が納得のいく理由の一つであるのは間違いないと思いますが、それだけではないと思っています。私は、彼女が言葉をきちんと選んで言語化して人に伝えることができるからだと思います。だからこそ、人の心に刺さる言葉であって、人が納得できるようなコメントなのだと思いました。言語化できるってとても大切なことなのですね。

*最後に。
誰しもが誰かに支えられていきていること、ありのままの自分でいることの大切さ、言語化することの大切さを学ぶことができました!
マツコデラックスに直接、会ってみたい!!!