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【第8回 聞いとKEY! / 四宮博樹編】自転車旅と偶然、直感


「世界一周」

子どもの頃、多くの人が一度は夢に見たことがあるだろう。しかし、実際にそれを成し遂げた人はいったい何人いるのだろうか。

誰もが憧れるその経験をした人が、徳島にもいるらしい。しかも今は県南の高校で地理の先生をしている。そんなにわかには信じがたい話を聞いたのが昨年12月のことだった。メンバー全員が初対面だったため、まずは1月にご挨拶に訪れた。それから半年が経ち、やっとのことで収録が実現。

徳島の本音を伝えるプロジェクト、Radio Journey Tokushima 『聞いとKEY!』の8回目のゲストは、高校教師の四宮博樹さんだ。

四宮さんは、「自転車国際郵便配達人」として27人から手紙を託され、2009年から2年7ヶ月かけて配達しながら世界を旅した。旅に出たのは29歳。世界一周を夢見始めた18歳の頃から、11年後のこと。

そんな四宮さんの旅の記録は当時書いていたブログ「自転車世界一周配達日誌archives」に残されている。本人はこのブログを「自分が書いたのに、自分じゃないみたい」と振り返る。

ブログに綴られているのは、そのタイミングにしか紡げない言葉や、その場でしか出会えない感情の数々だった。それらの経験や出会いを四宮さんは「偶然と直感」を信じたからこそ手に入れられたと語る。

「偶然は仕掛けるもの」

これは、四宮さんが世界一周する中で発見した偶然の正体。これに気づくまでに、どんな道のりがあったのだろうか。そして、当時どんなことを考え、2年7ヶ月を過ごしたのだろうか。

また、四宮さんは、高校教師として働く現在も「冒険しているような毎日」と語る。世界一周と高校教師。そんな相反するような日常を、「同じ」だという言葉は、どんな経験に裏打ちされているのだろうか。

ラジオはこちら↓
【第8回 聞いとKEY! / 四宮博樹編】
自転車旅と偶然、直感

〜ハイライト〜

1.「ブログを見たら、自分が書いたような気がしなくて。同じ人物なはずなのに別人が書いてるような」(0:10:53~)

2.「自転車に乗ってない時にいろいろ物を考えても、実際に乗り始めるとまるで意味がなかったことに気づくっていう」(0:11:19~)

3.「もうちょっと酸いも甘いも知ってから行った方がいいんじゃないかなって。それは直感というか」(0:15:06~)
 
4.「決断するまでが大変で。決断したらやるしかないもんだから」(0:32:33〜)

5.「このルートは四宮ルートと呼ばれているんですよ」(0:35:07〜)
6.「どないかなったって強烈に信じとったものやから」(0:40:24〜)
7.「誰かが絶対助けてくれて。危ない、もうあかんわってなった時も誰かが助けてくれるし」(0:41:31〜) 
8.「偶然を起こりうるように自分がそういうシチュエーションを準備するようになってきて」(0:47:27〜)
9.「今も冒険してるような感じで。新しいことをやるのはどこでも一緒だし、旅行してても」(0:49:40〜)
10.「一番安心するのは、漕いでる時が一番安心します。そこが一番安全な場所っていうか」(0:54:04〜)
11.「全然今の仕事と関係ないことをどっかでやっとくと、後々それをどっかで回収できるっていうか」(1:03:59〜)
12.「いつか先生になろうとは思ってて。それも直感なんだけど、すぐになってはいけないっていう」(1:05:30〜)
13.「一生は一回きりっていう。それだけですかね」(1:25:57〜)
14.「あの中におらんとできないこともあるし、あの中におって色々変えれるところは変えたい。外に出たら色々言うことは可能だけど、実際に動かすのは中の人だから」(1:36:11〜)

今回の旅の記録

今回は収録前に、四宮さんの「旅の思い出の味」を作るところからスタート!
旅の途中で食べた「ナマズのワインビネガー煮込み」と 「パスタを使った冷やし中華」を再現。
こちらは神先が鮎喰川で獲ったナマズ。
ちなみに、ナマズを獲るために使った仕掛けはこちら。
水質が綺麗な鮎喰川のナマズなので臭みがないそうだ。
四宮さんに事前に送っていただいた画像と見比べながら調理を進める。

ナマズとワインビネガーを入れてぐつぐつ。
「…お酢の匂いしかしない…大丈夫かな?」と怪しい空気を漂わせたまま調理が進む。
そうこうしているうちに、ナマズのワインビネガー煮込みが完成。
素朴で優しい味で、白身魚のようにフワフワ。
お次は「パスタを使った冷やし中華」に取り掛かる。
モリモリの具材にテンションがあがる!
この中華麺の肝は重曹。パスタに重曹と塩を入れてゆがくとアラ不思議!
中華麺のような香りとコシに変身する。
ヨーロッパを旅している時に、どうしても日本食が食べたくなって編み出した、知恵の一皿だ。

味見して「マジで中華麺や…」と感動。
ナマズと一緒に獲れた川魚「ギギ」は唐揚げに。
華やかな夏の食卓が完成。
まずは四宮さんから実食!
「どうですかね〜…」(もぐもぐ)
!!!
「当時の味ですね!美味しい!」
料理は成功!ということで一安心。
みんなで囲むお昼ご飯。
その後、収録スタート!
今回は、まずは前半にスライドを使って四宮さんの旅を紹介してくださった。
「良い写真に見えますよね?実はこの写真は…」と、
写真だけでは伝わらない裏側も教えてくださる四宮さん。
写真の裏側を知って一同爆笑(笑)
四宮さんの語り口にどんどん引き込まれていく。

写真真ん中は第2回のゲストでもある 樋口 明日香さんは、四宮さんの小中高の同級生。ちなみにこの日は特別に「公開収録」とし、地元の高校生も収録に参加した。
当時の様子をまとめた動画も見せてくださった。
こちらは中国とネパールの国境付近。酸素が薄く自転車がこげなかったそう。
ラジオ後半では、いつものようにフリートーク!
収録は無事終了!
四宮さんが世界一周で持っていったカバンを持ってきてくださった。
「意外と小さいですね!」と興味津々。このサイズを4つつけて世界をめぐっていた。
収録後は無事終了!

その後は、四宮さんが旅をしているときに撮影した写真の写真展
「自転車旅と偶然、直感」の準備!レイアウトを決めていく。
大量にあるパネルたち。ここから選定作業。
どの写真も味わい深くて選べない…!
設営が終わった頃には夜に。
素敵な写真たち。
写真展にお越しいただいたみなさま、
ありがとうございました!


収録を終えて / 四宮博樹さんより

みなさんに手伝ってもらって、過去の自分と対話したような、不思議な時間でした。ありがとうございました。また、10年ぐらいして違うステージにいる自分が旅を振り返ったら、また違う発見があるんでしょうね。

収録を終えて / 参加メンバーより

高橋利明

第8回の「聞いとKEY!」を終えて、、、
8回目となる「聞いとKEY!」、スタートして初めての公開収録が開催されました!その開催された6月は、僕の誕生日月でもあります!!!!(関係ない!いや、めでたい!!)
今回のゲストは「自転車国際郵便配達人」として、自転車で世界一周を成し遂げ、今は高校の教師として徳島で暮らす四宮博樹さん。
四宮さんは、世界というスケールに感動する僕たちを前に淡々と話す。
子ども達にはあまり世界で経験したことを話していないと言う。
今見返すとなんてことない、大きなつくしや空と山だけの写真。
その時は大きく心が揺れたそうだ。
偶然に突然くる感動は、その前にどれだけの物語があるかだと思わされた。
写真では読み取れない背景、時間、風土、体験や経験、その積み重ねが偶然の感動と出会う。
暮らすこともまた同じ。
明日もまた日常を走ろう。


神先岳史

四宮さんの話はとても非日常でとても魅力的な内容なのに、どこか日常の淡々としたものの延長線上のような感じがして、不思議な感覚になりました。彼の人生の中では当たり前のような、学校卒業して、働いて、世界一周して、教師になっていくみたいな。勝手なイメージで世界一周する人は、日々、エネルギーが満ち溢れていて、それを開放するかのように行動するみたいな印象があったけど、そうではなくて、人生の1つの通過点のみたいなそんな感じ。
常に自分と向き合いながら、己の限界値を上げていく旅は、どこか自分が起業して歩んできた道とリンクするところが多く、共感ばかりでした。
写真展の写真とテキストも相まって、より想いに触れられてありがたかったです。
また、今回はクローズドでの公開収録、1週間の写真展、出張カフェ出店と、RJTとしても力を入れた回になり、自分たちがやってきたことを振り返る時間にもなりました。
有志での活動で毎月毎回どこまでやれるか考えながらですが、気づけば第8回目まで来ています。この旅もどんな道になっていくのか、振り返った時に前向きに懐かしがれるような記憶になっていけばいいなーと思いました。

髙木晴香

世界一周した人の、その後って意外と聞いたことがなかった。だから今回の取材はとても楽しみでした。世界一周というドラマチックな経験をしたら、すべてが美しい思い出として残っているのかと思いきや、四宮さんのお話はめちゃくちゃリアルでシビアな一面も。今はこうやって笑いながら話してくださっているけど、当時はヒリヒリした場面も多かったんだろうなと思う。だけどその分、なんでもない景色に心から感動するくらいにハイな状況も続いていたのだろうと。そんな経験をした四宮さんが「今も毎日が冒険のよう」と言っていて、遠くに行かなくても旅や冒険に出ることは可能なんだなと再認識。でも、やっぱり外に出て、世界の空気を肌で感じた経験への羨ましさが残る、、、世界一周とは言わなくとも、いつか気ままに海外を旅してみたい。それまでは、徳島での暮らしを旅します!

谷亜央唯

思い出の味「ナマズ」料理と中華麺風パスタを食べて、世界一周のお裾分けをもらった気持ちでスタートした第8回。
「世界一周」と「教員」という、一見対極のような環境だけど、直感や偶然は10年前も今も通じるところがある。経験が大事と良く言うけれど、経験を通じて核の部分が実感を伴ってはっきりしてくるからで、それってすごく財産だなと思いました。
それから、偶然はたまたまではなく、自分がそうなるようにしてきた結果が現れたことだと言っていたのが印象的で、真の部分にしっかり自分(人格)が存在しているのを感じて、すごくかっこよかったです。他人がどうとかを気にせず、ぶれない自分を持った大人になりたい。
今の場所を飛び出して、色んなものに触れて感じる旅をしたくなる回でした。

【番外編その①】四宮さんの旅の写真展「自転車旅と偶然、直感」

今回の取材が決まった時に、初めに考えたのが四宮さんの旅の写真展もできたらいいなーということ。樋口さんからの紹介で四宮さんの話を聞いたとき、ただ取材と収録だけだともったいないと感じていて、写真展を軸にイベントを組んだら面白くなっていくのではと思い、初日にラジオの公開収録と食、それ以降は写真展、カフェ営業、おまけの高橋ナイトと、1週間を通したイベントという形になりました。

世界一周から帰ってきた11年前に1度徳島市内で写真展をされていて、当時のパネルや写真解説のテキストボード、展示図なども出てきて、懐かしんでる四宮さんをみながら楽しく設営していきました。はじめてみる写真たちはどれも素敵で、1つ1つのエピソードを聞きながら見入ってしまいました。この写真たちも膨大な旅の写真データから選んだもので、その中からさらに今回飾る写真を選ぶのはなかなかむつかしくもありました。

写真展期間の来場者は約60名、主に神山町内の方が多かったですが、四宮さんの古い友人の方々や、RJTの知り合いの方々などたくさん方が来られました。またその間、宿(WEEK神山)の通常営業もしてたので、宿泊されるお客様たち(約30名)も見入ってました。
みなさん、思い思いに写真を眺めれていて、いろんな感想をいただきました。写真を読んでいる人の表情のこと、チベットの写真のこと、自転車を飛行機で運ぶ時のこととか、四宮さんへ届けたいと思います。(感想をテーマに四宮さんへの手紙コーナーをつくればよかった。。。)

あっという間の1週間でしたが、いい時間が流れていたと思います。四宮さんありがとうございました。
※会期後も小さな写真展コーナーをつくり引き続き展示してます。機会があればぜひ~

神先岳史

写真展スタートは手紙を届けた人達の写真から。
RJTのこれまでの取材をまとめたパネルも展示しました。

【番外編その②】タカハシナイトを終えて(高橋利明生誕祭)

こんにちは!あの高橋です。
現在、大雨と雷に怯えながら書いております。

先日WEEK神山にて、ありがたいことにラジオメンバー含め多くの方々に、タカハシナイト
(高橋生誕祭)を開催していただきました!!!!
ヒューヒュー♫

嬉し恥ずかし、これもまたみなさまの優しさのおかげで42歳を迎えることが
できました。(ちなみにどうでもいいんですが、いや、どうでも委員があれば、どうでも委員の委員長になれるのでは、、、、、いや、どうでもいいですね、どうでも医院に行ってきます、、、すみません、、、ちなみに徳島に来て23年目というのも感慨深いです。)

感想書いてということで書き出しましたが「楽しかった、ありがとう、ケーキおいしかった」しかでてきません(笑。
まぁ、よくも悪くも、こんなおじさんに若い子達が楽しさ求めて頼ってくれていることが、嬉しい気持ちでいっぱいですね。

半年前の自分達が抱えていた不安を思い出してほしい。
振り返ると、
仲間ができて、
やりたいことを事業として始めて、
個人個人仕事いただけて、
イベント開催できて、
イベントに出て、
もっと他にもあるかもしれない。。。
自分達がこの町で暮らす時に想像していなかった経験や体験がたくさんおこっていること。
自分達の一歩が必ず前に進んでいることを。

その日々の積み重ねが、日常だったりする。
徳島暮らしも悪くない、なんなら最高やん♫そう思える日々を過ごしてほしい。
あぁミルクレープが食べたいな。

高橋利明

ピザパーティー!ということで、好きな具材でオリジナルピザを作成。
ハッピーバースデーの歌とともにケーキ!ロウソクを吹き消す高橋さん。
みんなでワイワイと、楽しいひと時でした!

direction / 高橋利明

direction / 神先岳史

writing & editing / 髙木晴香

graphic / 岑田安沙美

photo / 谷亜央唯

齋藤 千夏

清水 杏咲


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