シェリーアン・フレイザー・プライス選手について(東京五輪女子100m銀メダリスト)
8月6日(日)男子マラソンを最後に陸上競技は全日程を終え、この日をもって賛否両論の前例のない東京オリンピックの幕が閉じた。
2007年大阪世界陸上から始まった陸上観戦歴は今年で14年目となり、今回も陸上競技が行われた10日間はテレビに張り付き全競技を観戦し、大きな勇気と感動を享受した。
(ちなみに私は中学高校で中長距離を走っていた陸上経験者でもある。)
この記事では個人的に記憶に留めておきたい、
かつ私が最大の賞賛を送りたい選手を紹介していく。
女子100m 銀メダリスト
シェリーアン·フレイザー プライス選手
(ジャマイカ)
女子100mではジャマイカがメダルを独占した。2008年北京オリンピックでも同じ光景が見られたが、驚きなのは9年前にも関わらず、北京の金銀メダリストが今回も金銀を獲得していることだ。(順位は入れ替わっているが)
彼女たちが活躍した北京は20代半ばの歳で、陸上競技においては多くの選手のピークにあたり、アラサーでも世界のトップレベルで活躍できる選手は一部のベテランに限られる。
なのにシェリーアンは五輪前に世界歴代2位の記録を叩きだし、決勝でもトンプソンが疑惑のオリンピックレコードをついに更新した。昔から見ている選手が長く活躍し、さらにタイムを更新する姿は〝成長に限界がない〟のだと私たちを勇気づけてくれ大きな感動を与えてくれる。
今回、個人の成績は振るわなかったが、私はシェリーアンというスーパースターに1番大きな感動と勇気をもらった。
彼女は2017年に出産を経ながらも、2019年ドーハ世界陸上で優勝を果たし、通算4回(世界陸上において男女通して最多)の優勝を誇るとんでもない強さをもった女性である。
「美しくなければ強くても意味がない」と語る彼女は、大会ごとに、またはレースごとに髪型と髪色をチェンジして試合に望む。ファッションも全力で楽しみながら強さを発揮する姿は、スポーツをしながら美しさも求められると証明してくれる。(特に北京世界陸上のときは大きな花をつけていて心底驚いた。)
さらに私が彼女を尊敬して止まない理由が、彼女の身長が〝152cm〟と私自身に近いからである。短距離において小柄な体型も歩幅が短くなるので物理的に不利となる。しかしその小柄な体格からは想像できない爆発的なスタートで、トラックをあっという間に駆けてしまうのだ。「ポケット・ロケット」という愛称の所以である。
また、シェリーアンは自身が危険なスラム街出身で、見知らぬ資産家に出資してもらったことで進学をし、大学の陸上クラブに所属することができ、現在に至る。その出自から、「ポケット・ロケット財団」を設立し彼女と同じような境遇で育つ子供たちを支援している。
不遇な子供時代を経て、不利と思われる小柄な体格で長きに渡り女子短距離のトップを走り続ける彼女は紛れもないスーパースターだ。
✮スラム街からチャンスを掴み成功する姿
✮小柄な体格で短距離の女王となる姿
✮スポーツに打ち込みながら美しさを追求する姿
✮子を持つ親としての姿
✮貧困に悩む子供たちを支援する姿
彼女の走りには、これだけの姿がある。どんな環境でもどんな体格でも親としても挑戦はできるし、スポーツをするのに美しさも一緒に求めることが可能だと彼女の100m(または200m)が証明している。
(おわり)
※
本来であればこのnoteで東京五輪陸上競技全スターをまとめるつもりであったが、あまりにもシェリーアン愛が爆発してしまい長くなりすぎてしまった。また他の選手で好きが暴走しかねないので、今回はシェリーアンフレイザープライス選手の紹介に留める。
予定では今後、下記の選手について書く予定。
(あくまで予定なのでいつになるかは…私にも分からない。)
女子三段跳び ロハス
女子中長距離 ハッサン
男子400mH ワーホルム
女子400mH マクラフリン&ムハマド&ボル
男子棒高跳び デュプランティス&ラビレニ
男子走幅跳び 橋岡優輝
女子走高跳 ラシツケネ
男子走高跳 バルシム&タンベリ
男子110mH パーチメント
女子400m ミラー&アリソン
男子1500m インゲブリクセン
女子1500m
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