目指すはIoTの力ですべてのchocoZAP無人ジムを快適に!
――まず自己紹介からお願いします!
山田 プロダクト企画統括部のIoTユニットにいる山田と申します。
主な業務はIoTと言って、まずハードウェアのデバイスをセンサーだったりとかそういったものを店舗に設置して、そこのデバイスをインターネットに繋いで会社のシステムと接続したりしています。
あとはですね、お客様に対する価値提供というところで、データ連携を活用してお客様に対して、chocoZAPというのは無人のジムではあるんですが、お客様にとって非常に使いやすい環境を目指しているというところです。
例えばスターターキットというのがあるんですけど、そういったもので、そのお客様の活動データを自動的に取得して、お客様にその取得したデータを見える化して、お客様にご自身の頑張りを自分で振り返っていただいて、それでまたやる気を出していただくみたいなこともIoTを使ってできるような機能だったりとかサービスを企画するというのを担当しています。
高城 プロダクト開発統括1部でバックエンドエンジニアとして働いています。高城と言います。
自分は新卒2年目で、去年の4月に入社してからプロダクト1部に配属されて、今はバックエンドエンジニアとして業務を行っています。
それで、自分がやっている主な業務は、バックエンドエンジニアの業務と、あとはカンファレンスだったり勉強会だったりというところの業務と、あとは内定者育成プログラムという新卒向けの研修の管理をさせていただいております。
バックエンドエンジニアの業務におきましては、アプリ1つで完結させるようなコンビニジムというところで店舗にスタッフがいらっしゃらないので、アプリ1つで完結できるようにとバックエンドの方でも開発を行っています。
今までは業務委託など外部の方に開発をお願いしたんですけれども、それを内製化するということをしました。
今はほぼ内製化できている状態なんですけれども、少しSaaSだったりとかにまだ頼っている部分もあるので、そこもどんどん内製化していこうかなというところが今のフェーズになっております。
IoTで室温をチェック より快適なジム環境に
――外注していたのを内製化するというのは、費用が抑えられたりするんですか?
高城 そうですね。費用も抑えられるんですけれども、それ以上に事業会社なので、事業部の方がこういうことやりたいだったりとか、こういうデータが欲しいだったりとか言ったときに外部の方にお願いしていると、連携だったりとか、会社がやりたいことがすぐに反映できなかったりとかで、そこがすごくネックになってしまっていました。
費用の面もありますが、それより事業会社としてプロダクトを生む上ですごく非常にやりやすいようなやり方にしようというのがメインになっています。
――高城さんは現在どのような業務に携わっているのでしょうか?
高城 メインはchocoZAPのアプリ開発のバックエンドの業務をしております。
chocoZAPのアプリにはいろんな機能がついていますよね。運動記録だったり睡眠記録だったりとか、食事記録だったりとか。
あとは、自分がどれぐらい店舗に行ったかとか、そういうようなことを全てバックエンドで管理しているというところです。
あとはプラスしてバックエンド業務には2つあって、今メインのchocoZAPのバックエンドアプリの開発を行っているんですけれども、それともう1つ、店内は無人スタッフだからこそIoTを使用して管理できるところを増やしていこうというような業務も2軸でやらせていただいております。
――さて、IoT関係のお話なのですが、今回お話いただくプロジェクトはどういったものでしょう。
山田 今取り組んでいたのはですね、店舗に部屋の温度と湿度をとるセンサーを設置することです。
さらにエアコンを動かすことができるというデバイスになります。それを今、設置するチームの方々に今頑張って設置していただいているんですけど、ジムの環境の温度を測定して、それを高城さんの方でサーバーで拾っていただいています。
――課題はありますか?
山田 例えば、今、chocoZAPの上で結構問題になっているのが、温度が高すぎるとか低すぎるとかいったお客様からのお声があることです。
なぜそれがすぐに対応できないかというと、無人だからなんですね。無人で、我々のメンバーも今、店舗が今どういう状態であるかというのがなかなかキャッチアップできないというか、今の課題になっています。
それをセンサーを使って遠隔で今温度が高すぎるとか低すぎるというのが分かれば、運営メンバーがこの店舗はちょっと状況がおかしいというところがすぐにキャッチアップできて、すぐ現場の対応にあたれるということができるというのを今取り組みとしてやっています。
――温度を管理するというのは、なにか遠隔で動くリモコンを置くみたいな感じですか。
山田 そうですね、遠隔でインターネットに繋いでいるんです。じゃあこんな感じのデバイスなんですけど、これは店舗において、これ自体がwi-fiが積んであって、インターネットに繋がるような仕組みになってます。
山田 それでインターネットに繋がって、その先のサーバーは一旦、別のSaaSのベンダーさんに1回集中的に管理しているんですけど、そこからさらにデータを我々のサーバーの方で取得して、また別のSaaSの監視システムには取り込んで、温度が高すぎるとなったらアラートがSlackで通知が飛んだり、ができるようにしています。
――そこから先は人間の仕事ですか?
山田 そうですね、そこからは現場対応になるんですけども、その温度が異常ってことがすぐにわかるという、そこはまずできるようになります。
もう1つは、これからエアコンを遠隔でコントロールできるようにしようと思っています。
chocoZAPのエアコンは24時間動きっぱなしなので、電気代もかかっていますというようなところと、設定温度がたまにおかしい状態になっていて、寒すぎると、暑すぎるとかという状況もありますので、自動的に動かすことで電力も下げられるし、お客さんの快適性を保てるというところを取り組みとして進めているところです。
IoT環境を作るためのデバイスの設置がむずかしい
――今回のプロダクトで担当した役割を聞かせてください。
山田 私はですね、まずはこの全体の企画の方をさせていただいていまして、あとデバイスの選定も私の方でしています。
やはりその1店舗あたりのコストを下げなきゃいけないというのがあるんで、すぐに手に入る国内のセンサーってなかなか高いので使えない。
それで中国から手配しているんですけど、これもいろんな他社さんのを比較して1番安くて1番使いやすいってところを選定しています。
単純にこのデバイスそのものだけではなくて、その先に繋がるサーバーのところも含めて、うちの開発リソースですぐにできるところとなかなか難しいところがあるので、その中でスピードとコストでバランスのいいところがどこなのかというのを、比較検討した上で今採用しているベンダーさんと、このセンサーですね。
――機材の選定もしているんですね。
山田 選定しているところになるのと、あとは、その開発そのものを高城さんのチームに相談して、こういうのを作りたいですというところで色々とディスカッションして進めていただいているというところがあります。
あと設置ですね。chocoZAPはやっぱり無人なので、設置が難しいんですよね。
――設置は何が難しいのでしょう?
山田 これも1個つけるのにどこにつけるのかというのも、みんな違って、店舗ごとにレイアウトがもう全部千差万別なので、簡単に取り付けられる店舗もあればそうじゃない店舗もあったりというところで、そこをうまく設置するチームの方々のこう課題を色々議論し合っています。
そして解決策を見出しながら、マニュアルもどんどんアップデートして、設置も進めていただいています。
それで設置する方々との一緒に連携みたいなところも私の方がやるという形ですね。
高城 山田さんが説明してくださった通り、私はその山田さんが設置してくださったこのデバイスから温度と湿度を取得して、それをマカレルという監視SaaSにデータを入れて、どの店舗が今何度で湿度がどれくらいでというのを管理できるようにしています。
そこからまたその管理を基に、例えばこの地域でこの季節で何℃以上だった店舗は27℃にするみたいな、自動で温度操作をできるようにするというようなところで、またこちらに指令がいって自動でエアコンが切り替わるというような、そこの開発をおこなっています。
コミュニケーションの取り方で仕事はスムーズに動く
――自分のチームだけじゃなくて、他のチームと共同してやるにあたって、気を付けたことはありますか。
山田 やはり他のチームの方には、他のチームの方の別のプロジェクトをたくさん抱えてらっしゃるので、その中でうまく私がやりたいことをうまくやってもらうというところが非常にやっぱり難しいです。
特にこれをやりはじめたときって、新規出店もすごく多かったんですよね。もうとにかく現場系の人はみんな忙しかったんです。
その中でなんとかIoTデバイスをジムに入れてもらうときに、気を付けているところとして、ウェブ会議だけではなくて、実際に直接お会いしてお話したりしました。
そういったところの感情的な部分のところもあるのでコミュニケーションを密に取りながら、うまく協力していただくような信頼関係を少しずつ構築していくみたいなところは、かなり気を使ってやってきましたね。
――私の印象ですがRIZAPの人たちって就業中は忙しそうにしているなと思っているので、そういう人たちに仕事をお願いする、あるいはカットインするというのは大変だったのでしょうね。
山田 そうですね。ただ、なかなか皆さんすごくいい方で、話をよく聞いてくださるんですけども、そうは言っても忙しすぎるというのもあるので、どうやって進めていただくというところですね。
――高城さんは他の部署と関わるにあたって気をつけたことはありましたか。
高城 それで言うと、自分はエンジニアという立ち位置なので、直接山田さんとお話することというのがほぼなくて、小泉さんというプロダクトマネージャーの方を通して開発業務を進めていったんですけど、このIoT✕開発というのがそもそもバックエンドのエンジニアというか、そのプロダクト1部の中で初めてだったんですね。
それに、いかんせん自分のバックエンドエンジニアとして全然未熟だったので、右も左もわからないところが多くて、相談しながらやっていたとは思うんですけれども、PMを通して事業部の方と会話するというのがうちのスタンスでして、ほぼそうしていった方がスムーズに進むというのはありつつ、なにかもう少し早めに山田さんにご相談できるところがあったなとかいうのは思っています。
そもそもIoT企画部みたいな部署があることすら把握していなかったので、PMの人からこういう案件があってというので降りてくるので、そういったようなPMを通して話はしていたものの、もう少しこのプロジェクト自体に関わってる人たちみんなでミーティングだったりとか、お話する機会がなんか最初にあった方がスムーズに行ったんじゃないかなとは少し反省点としては思ってますね。
――開発に携わって大変だったことはありますか?
高城 ありますね。と言いますのもこのツヤというデバイスから取得したものを流すマカレルというサーバーが1つあるんですけど、それを作るのが1番大変でした。
何が大変だったかというと、このマカレルというサーバーに情報を流すという処理に関して、Open Telemetryを使うんですよね。
そこに、普通だったらあるドキュメントだったりとか、SDKと言われる、これを使えば簡単にできますよみたいなものがあるんですけど、それがありませんでした。
高城 なおかつ、バックエンドで使ってた言語がRubyだったので、OpenTelemetryのSDKのRubyが開発中まだできていなくて。そのツヤとOpenTelemetryを使ってマカレルに流すという、そのコードが全くドキュメントとかもない状態で最初やらなきゃいけなくて、それがすごく大変でしたね。
IoTデバイスは設置は意外と難しい?
――プロジェクトを進める中で意外だったことはありますか?
山田 そうですね。意外だったことというと、なんだろうかな。
高城 デバイスの設置は大変ですよね。私この前店舗できちんと動作確認できるか見に行ったんですけど、その店舗に置いてあったツヤのデバイスがどこにあるか全然見つからなくて……。
と思ったら、その店舗にはゴルフがあったんですね、そのゴルフのネットの上に置いてあって、ここしか置く場所なかったんだと思って。
――驚きですね!
山田 そうですね、まだ解決しきれてないんですけども、設置のところでマニュアルをしっかり書いてはいるんですけども、そのマニュアル通りに設置していただけないってパターンはありますね。
マニュアル上はそのエアコンを操作しなきゃいけないので、エアコンと直線的に見通せるとこに置かないといけないんですけど、なぜかボックスの中に入ってたりだとか。
そういったこともあったりとかして。それで何店舗もこう見て、温度が異常なので一応わかるんですよ。
ちょっとずつ回りながら、そのNG例みたいの作って、こういうのやっちゃダメですよみたいなのを作ってマニュアルをアップデートしてというのを繰り返しながら、少しずつ品質を上げているところです。
そうして実際設置していく中で、どんどん最初のそのテストのときは数店舗だけ設置して、自分で設置している のでなかなか課題見えなかったんですけど、やっと1000デバイスぐらい設置しているんですけど、それでようやく、そういう課題が出てきたりとかして、で、それを解決していってるという感じですね。
――実際課題の解決をやりつつあるというところだったとお伺いしたんですけど、今後の見通し、次のステップを教えて下さい。
山田 このデバイスに関して、あるいはこのプロジェクトに関して、これからのフェーズとしてはエアコンの制御に入ってきます。
そのときは高城さんのいる開発部とはまた別のチームのデータを解析する部隊がいるのでそことも協力して、実際の室温と、消費電力エアコンの消費電力、あとその制御の内容の相関を分析をして、そこで電力が最適になるコントロールの仕方でなおかつ快適性もちゃんとやっているというところを、その店舗ごとに状況が違うので、店舗ごとに最適化するってところを最終的には目指していっています。
コストも下げられるし、お客さんの環境としても良くなるというところを最終的に目指していきたいです。
高城 このプロジェクトに関していうと「できた!」というところが嬉しいんですけど、見通しというか改善できるところはあるなという風に思っていますね。
コード上のことだったりとか、全体的な人に頼ってしまっている部分だったりとかというところがあるなと思っていて。
例えば1つのプロダクトの開発をして、その後QAという形でチェックしていただくんですけれども、店舗に行かなきゃいけなかったりとかというところは改善したくてもできないところにはなってしまうので、どうしても人に頼ってしまうというところではあるんですけれども。
それでいくと、属人化してしまっている部分があるのは課題ですね。開発部隊が私しかやってないんですね、このプロジェクト。
これに関わるコードの説明、行動を把握しているのが私だけというところが良くないなと思っています。
もっとプロダクト1部の中でこういう開発があって、こういう風に取り組んでいるというような展開をどんどんしていきたいですね。
――最後になりますが、この記事を読んでいる人がはRIZAPテクノロジーズに応募するとなったときに、前向きに考えられるようなメッセージをいただけたらうれしいです。
山田 私的な視点で言うと、RIZAPテクノロジーズってchocoZAPアプリという、そのアプリ単独のその機能を開発しているのもありますけど、それはそれですごく開発部で作ってますというところで、いま新しくIoTというところの領域が出てきました。
アプリだけの価値という部分と、なおかつリアルな店舗とサイバー空間を交えた新しい価値というところの両方を我々はやっています。
このふたつを繋いでいるのがIoTの部分なので、その両方ですね。
店舗のDX化とサイバー空間のDX化というところ、両方経験できますし、まさにIoTに関してはこれからまだまだ発展できる余地があります。
我々ジムではありますけども、テクノロジーを使って、よりDX化を進めていくってところに関しては、他社さんにはない経験ができるんじゃないかなという風に思います。
高城 やっぱりchocoZAPは無人だったからできたプロジェクトだというところも1つ魅力ですし、自分がそんなにエンジニアとしても経歴が浅い上で、この業務にアサインできたこともかなり貴重な経験だったなという風に思っております。
そういうこともできるのがRIZAPテクノロジーズの魅力的なのかなという風に思いますね。
個人的な話なのですが、このプロジェクトをアサインしてから、開発的になんか右も左もわからないことが多すぎて、誰に聞いてもわからないですし、やっぱ自分がパイオニアになるという開発が初めてだったので、辛かったです、正直。
というところはあるんですけども、辛かった分、一番成長できた開発だったとは思うので、今後の自分の開発にもすごくいい影響を及ぼしてくれるかなという風に思います。
また、私が開発したものがこういう形で提供されているんだというところが目に見えやすいので、やっぱり事業会社だとそういったところもモチベーションだったり、活性化だったりに繋がるのかなという風に思います。
こういったプロジェクトに携わったら面白そうだという人といっしょに働きたいですね。