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「RubyKaigiの高揚感はエンジニアの栄養になる」のは本当だった(後編)

5月に開催されたRubyKaigi 2023に初参加したRIZAP。多くの収穫がありましたが、他社とのつながりが生まれたのもその一つ。そこでリーガルテックカンパニーであるMNTSQさんと、アフター企画として合同インタビューを実施しました。
第2弾となる今回は、RubyKaigiの主役ともいえる両社の開発メンバーたちが登場。シニアメンバーがRubyKaigi参加にあたって期待したこと、そして、初参加となる若手メンバーが実際に参加して感じたこととは?
こちらも前後編に渡ってお届けします。

※今回の記事は、リアルとオンラインの2回に分けて行われた
インタビューをもとに構成しています。

↓↓↓ 前編はこちら ↓↓↓

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▶︎プロフィール
佐藤直之/RIZAPテクノロジーズ プロダクト開発統括1部部長
梅田智大/RIZAPテクノロジーズ プロダクト開発統括1部エンジニア
飯田亮介/MNTSQ エンジニアリングマネージャー
箱嶋直幸/MNTSQ 案件管理チームエンジニア




新卒メンバーの「一生懸命」のギアが上がった


――佐藤さんも飯田さんも、カンファレンスに対する思いは共通するものがありますね。では、今回、それぞれ何名ずつぐらい参加されたんですか?  

MNTSQ 飯田(以下、M飯田):うちはもう、業務に支障がないぎりぎりの人数まで(笑)。できるだけ希望者は全員連れて行くっていう感じで、総勢12名でした。                                   

RIZAP佐藤(以下、R佐藤):われわれはたんぶんMNTSQさんより、正社員のエンジニア層がまだ1段も2段も薄い状態なんですよ。
おまけに、今年の5月の段階だと本当に人が少なくて。本当は中途入社のメンバーとも行きたいなと思ったんですけど、それもなかなか難しく、とりあえず今年は今日ここにいる梅田くんのほか、新卒のメンバーに絞って行きました。
で、うちの新卒はというと、4月入社で5月配属なんです。おまけに新卒は未経験者採用をしているので、Rubyを勉強し始めて1週間ぐらいの人を連れて行きました。

M飯田:新卒の方にとってはさぞ刺激的だったでしょうね。

R佐藤:さすがに上司にも「連れて行く意味あるの?」と聞かれました(笑)。でもそれを説得して、信用してもらって連れて行ったんですけど、結果的には連れて行って正解でしたね。

思い切って新卒メンバーを連れて行きました!

R佐藤:本人たちはもちろんカンファレンスの内容なんて全然わからないわけですが、それ以前にカンファレンスに行く前は「エンジニアとはなんぞや」ということのイメージもできていなかったんです。

今の新卒の方たちって、大学もリモート授業で、入社してからも弊社の場合はリモート勤務。つまり横のつながりがないんですよね。普段、自分とパソコンしかないところで働いているとエンジニアがなんなのかというイメージもできないし、憧れも生まれない。
そんな中RubyKaigiに行くことで、世の中にはこんなに頑張っている人やすごいエンジニアがいるんだと感じられたのが、すごくいい刺激になったと思っています。

実際に、RubyKaigiから帰ってから彼らの「一生懸命」のギアが1段も2段も上がったように感じます。ですから、来年も新卒をいっぱい連れて行きたいですね。


「いいエンジニアになりたい」と思えた


――梅田さんと箱嶋さんは、それぞれRubyKaigiに参加してみて、どんな感想を持ちましたか?

RIZAP梅田(以下、R梅田):Rubyとかプログラミングに熱心な人があれだけ一堂に会するっていうことに、シンプルに高揚感を覚えました。
いままで社内の人しか知らなかったんですが、社外のエンジニアの方だったりとか、オープンソースを作っている方にお会いして話ができた、というのはすごくいい経験だったと思っています。

実際のRubyKaigiの内容に関しては、佐藤さんが言った通り「果たして何パーセント理解できただろうか」というレベルなんですけど、登壇者の方がどういう考えのもとに開発しているのかみたいな話まで聞けたのは大きいです。それってインターネットにはどこにも落ちていない情報なので……。

あとは、カンファレンスで出てきた知らないキーワードを調べたり、登壇者の人がほかに何を開発しているのかを(ネット上で)のぞきに行ったりもしていますので、自分なりに知識や好奇心の幅は広がったと思います。これからどんどん、いいエンジニアに成長していきたいなと思えるきっかけになりました。

R佐藤:期待通りの結果になったようでよかったです。あとはもうちょっとTwitter(現:X)とかを活用できると、より広がりがあると思うよ。

R梅田:SNSがまだあんまり得意じゃないのですが(苦笑)、挑戦します……!


社内勉強会にも活気が生まれた


エンジニア同士の交流も盛んになりました

――箱嶋さんはRubyKaigiに参加してみて、いかがでしたか?

MNTSQ 箱嶋(以下、M箱嶋):飯田さんの話も佐藤さんの話も、もう同意しかないです。確かに「栄養」になっているなと思いました。
あとは自分が感じている具体的な変化としては、社内勉強会が活気づくようになったことですね。

今までも社内のエンジニアをインバイトして、仕事をやっていて気づいたこととか、最近勉強したことを共有する場を「Ruby会」「Rails会」として設けていたんですけど、正直業務が忙しいので「今日はキャンセルしようか」ってよく流しちゃってたんですよ。

でも最近は、事前に話題が出ていなくてもとりあえず集まってわいわいすることができてきて。
バックエンドのメンバーが増えたというのも大きいんですけど、そのメンバーとRubyKaigiに行って、ほかのエンジニアと集まって話ができるという体験ができたのは、結構大きかったのかなと思います。

M飯田:僕もそれは近くで見ていて感じました。
あとはRubyに限らず、箱嶋さんの視野が全体的に広くなったというか。目の前のことだけじゃなくて、少し遠くを見るようになったし、スピード感も早くなったように感じます。
まあ、僕の気のせいだったらそう言ってくれて構わないんですけど(笑)。


箱嶋さんの成長ぶりがうれしくて、にこにこしている飯田さん

M箱嶋:いや、飯田さんにそう言ってもらえるとうれしいですね。
MNTSQって会社にいるだけでLLM(大規模言語モデル)や、組織や事業の戦略については自然に触れられるので、すごくいい環境なんですけど、Rubyの技術的な話とかは正直あんまりしてなかったんですよね。

でもRubyKaigiに行ったことでそのあたりの視座が本当に高くなったように感じます。
さっき梅田さんが言っていたような「高揚感」とも関係すると思うんですけど、お祭りみたいな熱気を感じたことで、「自分ももっと頑張ろう」という気持ちにさせられました。


Rubyを使い続けることが
コミュニティへの貢献になる


――今後、両社はそれぞれ、Rubyコミュニティに対してどのように貢献していきたいとお考えでしょうか。

R佐藤:そこはあんまり難しく考える必要はないのかなって思っています。RubyKaigiに参加することってそもそもすごい貢献だし、Rubyを使うこともそう。使う人がいなければ、言語自体が廃れちゃいますから。

「貢献」と難しく考えて、結局何もやらないパターンの方が往々にしてありそうなので、僕らはまず今後もRubyを使っていく、というところかなと思います。
その上でカンファレンスにもどんどん参加して、今回のような横のつながりを作ったり、アウトプットをしていくことも、貢献だと思うんですよね。
その先に、登壇する側(がわ)を目指すというのもすごくいいことだと思います。

M飯田 :今度は佐藤さんが、僕が思っていることと同じことをおっしゃいました(笑)。

R佐藤:気が合いますね(笑)。

M飯田:佐藤さんは僕より多くのカンファレンスに参加されていると思うので、意見が同じで安心しています(笑)。

カンファレンスに参加することやRubyを使っていくことが貢献になる、というのは僕もその通りだと思っていて。
その上で、さっき社内勉強会の話もありましたが、Rubyの最先端というものを社内でもっと遊べるようになっていきたいですし、そこから登壇者も出せるようになっていきたいですね。
実現したらRubyコミュニティにとって大きな恩返しになると思うので、そこに向けて動いていけたら……というのが、僕のひそかな野望です。


社外の人ともつながることで
新しい学びや発見が生まれる


また何かご一緒しましょう!

――横のつながりという点で、今後も二社間で何か一緒にやることがあるかもしれませんね。

M飯田:弊社ではアフターパーティーをさせていただいたり、浅草Rubyというイベントに会場を提供していますので、そうした社外のRubyイベントにも、RubyKaigi以降積極的に参加させていただくようになりました。

RIZAPさんとも何かご一緒できればうれしいですし、二社間に限らず、もっとパブリックにもできると思うので、ぜひこれからもRubyコミュニティを一緒に盛り上げていただければと思います。

R佐藤:ぜひぜひ、こちらこそよろしくお願いいたします。

R梅田:それ、すごくありがたいです……!
社内にいるだけだと社内の課題にしか目が向かなくなってしまうので、他の会社さんと会話ができると、新しい発見につながるのかなって思います。

とくに自分はまだエンジニアとしてのキャリアが浅いので、もうちょっとベテランの方のお話が聞けたりすると、目指すべき道も見えてきそうです。

M箱嶋:単にお互いの仕事の話をするだけでも、学びや発見につながりそうですよね。

個人プレーよりチームプレー。
協力し合える仲間を募集しています


――では最後に、今後どのような開発チームにしていきたいかについて、飯田さんと佐藤さんにお伺いします。

M飯田:冒頭にお話した通り、MNTSQでは最近チームの再編がありました。

それまではスタートアップとして、スキルや経験値の高い社員エンジニアが「ゼロイチ」を作り上げてきたという経緯があります。そこから顧客数が増え、さらに安定稼働もある状態になって、チームとして生産性が求められるようになっている、というのが現在の状況です。
そういう中で「個々人にチケットを渡して、その人が爆速で開発していく」というこれまでのやり方ではなく、チームとして議論をしながら進めていくという体制にするべく、現在模索しているところです。

つまりこれからのMNTSQは、個人のパワーだけでなく、チームの連携によってより大きなことが達成できるようになっていくぞ!ということを目指しているんです。
そういう面白い変革の時期に飛び込んでみたいと思われる方は、ぜひMNTSQのドアをたたいていただけるとうれしいです。こちらも扉を開けるのを楽しみにしています!

――ありがとうございます。では、佐藤さんもお願いします。 

R佐藤:今聞いていて、やっぱりちょっと飯田さんと考え方が似ているかもって思ったんですけど(笑)。われわれも「個」だと何もできないのかなと思っているので、いかにチームを動かしていくかを重視しています。
そのためには周囲とコミュニケーションをちゃんととることが非常に重要で、逆に個人プレーは推奨していません。

採用活動でもそうした働き方ができる人かどうかを重視していますので、われながらRIZAPってすごくいい人が多い会社だと思っていて、そこは今後も大事にしていきたいですね。

いまの開発チームは40人ぐらいですが、これが100人、200人、300人になるのを見据えてちゃんとスケールアップすることが、今後のチーム作りにおける大事なポイントかな、と個人的には考えています。
そのためには今のこの初期メンバーが、いかにいい雰囲気、いい文化を作れているかが重要で、メンバーが増えていっても、その雰囲気、文化が損なわれることなくきちんと広がっていくような様式にしていきたいですね。

とはいえ、人が増えていけば文化は変わっていくものですので、それを否定するのではなく、「いい意味で変化しつつ、守るべきものは守る」というようにメリハリをつけていければ、と考えています。

とくに来年は、新卒が一気に10名、この開発チームに入ってくる予定です。会社の文化を新たに作っていくのは新卒を中心とした若いメンバーですので、「いい人」が多い文化・雰囲気は大事にしつつ、新しい風がどんどん吹いていくようなチームになることを期待しています。


両社ともチームワークを重視しています!

(了)


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