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自由詩。
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#詩

どっちでもいい

花が散る わずかな香りも消えさって 秋風が通りすぎた どっちでもいい 多分、どっちでも 限…

利由冴和花
8か月前
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私の方がきれい

私のほうがきれい。 いいや、私の方がきれい。 いやいや、私の方がきれい。 あなたは私より足…

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【詩】あぁ、蟻になればよかったよ

あぁ、蟻になればよかったよ あぁ、蟻になればよかったよ 歩いても歩いても 行き先なんてわか…

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セピア色

君の紡ぐ物語はいつも悲しい 僕は、君の物語のヒーローになりたかった 君の目には僕は映らない…

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無題

自分だけのために生きる人に 私はどこか嫉妬して 独りよがりの優しさを 生きることだと履き違…

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氷箱

何かが壊れる音がした モノクロに映るものは何 見えない歯車 回しているのは誰 口を閉ざす愚か…

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幸福論者

振り返るといつも同じ場所 戻りたいなんて思ってみる グルグルと回っては きっとここへ落ち着くんだ このまま終わるのが怖くて 今日もまた悪あがき どうせそんなもんだろう あっという間に過ぎる季節 置いてきぼりなのは私だけ ふと悲しくなるのは 蔑まれたからなのか そんなことはないって 今日も笑っていたい きっとそんなもんだろう 証しなんてないのは知っていて いつの間にかこれが当たり前 まだやれるって言ってみて 大きなムチをうってみる 前向きなんかじゃない 後ろ向きでもな

デイジー

水のない世界で生きて 僕は輝きを失った いつからだろう 大勢のフラッシュに囲まれて 僕らは…

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あのね

嘘だといって 呟いたのは言葉じゃない 二人にしかわからない 合図だって愛おしい あのねって…

25

迷い猫

何のためと見失い 撫で声で鳴くのは誰のため そこにあるのは空想で 私はいつも迷い猫 視線を…

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嘘つき

本当のことが言えなくて 嘘が真実になった 私は存在しない偶像 空っぽで虚しい人形 綺麗だね…

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金魚すくい

夏の匂い 窮屈な囲いの中で 静かに泳ぐ まるで最後の旅のよう ひと時の幸せを 現実逃避と笑う…

29

めぐる

春が来る 出会いと別れが交差して あれよあれよと花開く 咲き誇るのは桃色サクラ 夏が来る 憂…

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心拍数

何故だろう 上手く笑えない 嘘ばかりを積み重ね そんな気がして 落差に怯えて 心にはすきま風 相手は自分の写し鏡だと 誰かがいった 汚れのある者と群れをなす 私も所詮、同じ生き物 心拍数で奏でるメロディ 楽しみとか哀しみとか憂いとか どれが本当の私 どれも本当の私 心拍数で奏でるメロディ 矛盾だらけの感情を確かめながら 今日も生きて 明日も生きる 空虚な感情に怯えて 気がつくのは 大衆の中にある孤独 違和感しかなくて 脆さを知っている人は強く はびこる嘘にのまれて