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無気力は何色だろう。もし、そんな色があるとしたら、僕は今、どんな風に見えているのだろう…
踏切につくと藤沢珠樹の隣には、ベビーカーを押す若い女性と5歳くらいの男の子がいた。 「目…
降りるはずの駅で、僕の足は鋤くんでいた。ドアが閉まり、また電車が動き出す。しばらくする…
夏の終わり、僕は、ようやくそこにたどり着いた。遮断機が警報音とともにゆっくりと降りてい…
私の心にはいつも、何かがひっかかる音がする。その音が消えてなくなる時は、多分、ない。チ…
季節外れのその色は、想像よりもくすんで見えた。肌寒い風が吹く。 「ほら、こっちにきなよ…
得意料理を聞かれて、バタートーストと言った君は、いつの間にか僕の家に転がりこんだ。一つ年下の君は、あどけない顔でいつも笑っている。 「私がつくるね」 初めての朝、君は僕の狭いキッチンで、フライパンを使ってトーストを焼いた。冷蔵庫の奥に仕舞ってあったバターは、かろうじて賞味期限が切れておらず、僕はそれを片手に、君の危なっかしいフライパン捌きを見つめることにした。 「できた!」 二重の瞳をまん丸にして、君はトーストを指差す。少し焦げたそれを見つめる僕に、君は、わざとだ